概要
GNOME のユーザインターフェイスには多数のアクセシビリティ機能や支援技術が 用意されています。 GNOME デスクトップ内の全てのアプリケーションには、 それぞれ独自に設計されたアクセシビリティ機能が存在しています。多くの カスタマイズツールにより、身体に障害のある方でも GNOME デスクトップの 全機能を利用することができます。
本章では、視覚や筋力などに障害のある方の要件にあわせる目的で設計された、 いくつかの支援技術アプリケーションについて紹介を行なっています。
それぞれの障害のタイプにあわせて、多数の技術が人々を支援できるようになって います。本章ではこのような概要を示しています。
より詳しいガイドをご希望の場合は、 http://library.gnome.org/users/gnome-access-guide/ をお読みください。
GNOME デスクトップの外観をカスタマイズするには、いくつかの方法があります。 テーマは一定の決まりでデスクトップの外観をカスタマイズするのに、もっとも便利な 方法です。テーマ以外にも、要件にあわせて各種アプリケーションやデスクトップの 表示設定をカスタマイズできるほか、テーマに対する代替としても使用することが できます。詳しくは 第3章 設定のカスタマイズ をお読みください。
デスクトップやその背景に表示される既定のフォントタイプやサイズでは問題がある 場合、要件にあわせてフォント設定をカスタマイズすることができます。
フォントを変更するには、 +++ を選択します。 タブには下記のようなオプションが用意されています:
では、デスクトップ上に表示されるテキスト 向けの既定のフォントを指定します。 GNOME 準拠アプリケーション内のウインドウや ダイアログ内に表示されるテキストにも、このフォントが使用されます。
では、文書を表示する際に使用されるフォントを 指定します。
では、デスクトップの背景のみに使用するフォント を指定します。
では、ウインドウのタイトルバーに 使用するフォントを指定します。
では、文書を編集する際に使用する フォントを指定します。
デスクトップにおけるフォントの描画方法は、以下のいずれかを選択することができます:
,
,
大きなフォントを使用する場合は、ファイルマネージャやヘルプブラウザなどの 表示エリアを広げる必要がある場合もあります。
また、既定では GNOME アプリケーションは ツールで 指定した既定のフォントを使用しますが、アプリケーションによっては独自のフォント 設定を使用する場合があります。
デスクトップの濃淡表示が見えにくい、または強すぎる場合は、濃淡を変更することが できます。
濃淡のテーマを変更するには、 +++ を選択します。 タブには、いくつか濃淡の強弱を変更したテーマが 配置されています。
デスクトップの背景をカスタマイズするには、 +++ を選択します。
には を選択します。
を 「単色」 に設定します。
あとは要件にあわせて色を選択してください。
なお、 ダイアログが表示された場合は、 タブで を選択していることをご確認ください。
また gedit テキストエディタでは、 内の タブで必要な色スキームを選択してください。
デスクトップの表示が小さすぎる場合は、 テーマを 利用することができます。拡大版のデスクトップを設定するには、 +++ を 選択し、 を選択します。
なお、 タブを利用することで、さらにデスクトップ とウインドウ枠内のフォントを大きくすることもできます。
ファイルマネージャやヘルプブラウザなど、複数の枠 (ペイン) を表示するタイプの アプリケーションをご利用の場合は、フォントを大きくしたことによってそれぞれの 枠を広げる必要があることにご注意ください。詳しくはアプリケーションのオンライン ヘルプをお読みください。
動作に障害のある方の場合は、多くの影響があります。筋肉の制御に障害のある方や、 筋力の弱い方の場合、標準のキーボードやマウスを使用するのが困難である場合が あります。たとえば 2 つのキーを同時に押すのが難しい場合や、正確なキーを押す のが困難で、意図せず複数のキーを同時に押してしまう場合、もしくはキーを押した ときや放したときに他のキーを押してしまう場合などが考えられます。また、一方の 手だけを利用できる方の場合は、通常のキー操作やマウス操作に支障がある場合も あります。
下記の章では、マウスの動作を要件にあわせて変更するための方法を示しています。
一般的な右利き用のマウスを利用するのが困難である場合は、マウスの設定を 左利き用に変更することができます。左利き用にマウスを設定するには、 ++ を選択し、 を選択します。このオプションを選択すると、 システムや右と左のマウスボタンを入れ替えて反応するようになります。
ダブルクリックの動作を行なうのが難しい場合は、 1 回目と 2 回目のクリックの 時間間隔について、その許容範囲を長く設定することができます。たとえば、 ダブルクリックの時間切れ設定が 0.4 秒の場合は、 1 回目と 2 回目のクリックが 0.4 秒以内でないと認識されません。この時間切れを長く設定することで、 システムは 2 回の単純なクリックではなく、ダブルクリックという別の動作であることを 認識するようになります。
ダブルクリックの時間切れ設定を行なうには、 +++ を選択し、 を設定します。なお、スライダーの 右側にある電球型の画像でダブルクリックのテストを行なうことができます。画像の 上でダブルクリックを行ない、それが正しく認識されると、電球は点灯したままの 状態になります。正しく認識されない場合は電球は点灯しませんので、左側のスライダーを 再度調整して再度お試しください。
ポインタの操作が困難である場合は、ポインタの速度と感度を調整することができます。 ポインタの速度と感度を調整するには、 ++++ を選択します。
のスライダーを利用して、マウスの動きに対するポインタの 応答性を設定します。スライダーを右に移動させると感度が上がり、左に移動させると 感度が下がります。
また、 のセクションでは、 ドラッグ&ドロップの動作として解釈されるポインタの移動幅を指定します。スライダーを 右に移動させるとドラッグ&ドロップと解釈されるまでの移動幅が大きくなり、左に移動 させると小さくなります。
さらに加速の設定では、その設定を小さくすればするほど、ポインタは実際のマウス (または その他のポインティングデバイス) と同程度の移動距離になります。言い換えると、 画面全体を移動させるためには、より大きくマウスを動かさなければならなくなります。 逆に加速の設定を大きくすると、ポインタは実際のマウスよりも素早く動くことになり、 より小さいマウスの移動で画面全体をカバーできるようになります。
ツールでは、キーボードのアクセシビリティ オプションを設定することができます。 ツールを 起動するには、 +++ を選択します。 アクセシビリティオプションは、 タブで 設定します。
ツールでは、マウスのアクセシビリティ オプションを設定することができます。 ツールを 起動するには、 +++ を選択します。 アクセシビリティオプションは、 タブで 設定します。
GNOME オンスクリーンキーボード (GOK) は、お使いのデスクトップ内に表示する ことのできる仮想キーボードです。標準のポインタ (マウス) またはその他の ポインティングデバイスを利用して仮想キーボードを操作することができます。 GOK では下記のような種類のキーボードを表示することができます:
テキストを構成するためのコンポーザキーボード。英数字を入力するには、 コンポーザキーボード内にある文字を選択していきます。
デスクトップで動作しているアプリケーションを検知するダイナミックキーボード。 たとえば、このオンスクリーンキーボードはお使いのデスクトップ上で動作している アプリケーションを検知し、利用可能なキーやメニューに含まれるキーを表示する ことができます。
なお、多くの ツールを利用できるようにする には、支援技術サービスを有効にしなければなりません。
+++ を選択します。
を選択し、 を押します。
再度ログインします。これで支援技術サービスが有効になります。
オンスクリーンキーボードを利用している場合、オンスクリーンキーボードが画面の 一部分を占有してしまうため、アプリケーションを最大化することができなくなって しまいます。
このような場合は、オンスクリーンキーボードで使用する場合に合わせてウインドウの 大きさを調整することができます。下記の手順で行ないます:
アプリケーションを最大化状態で表示している場合は、最大化を解除します。
アプリケーションのウインドウを選択します。
F10 を押してアプリケーションを最大化させます。
視覚面での障害としては、視力の弱い方から視覚障害の方まで幅広い範囲が考えられます。 視覚に障害のある方の場合、コンピュータの画面上に表示されたテキストや画像を見る のが困難であったり、マウス操作のように目で見ながら手を動かすことが難しかったりする 場合があります。この場合は、テキストの大きさや色を変更することで、視覚に障害の ある方にとって読みやすいものにすることができます。
Orca は柔軟性と拡張性に富んだ視覚障害者向けのパワフルな支援技術です。テキストの 発話機能やブライユ点字、虫眼鏡などの機能を組み合わせることで、 Orca スクリーン リーダーと Orca 虫眼鏡アプリケーションは、視力の弱い方や視覚障害の方々に対して GNOME デスクトップと関連アプリケーションを利用できるようにします。なお、 スクリーンリーダー機能ではブライユ点字に対応しています。
テキストのみのガイドセットアップを行なうには、まず Alt+F2 を押して ダイアログを
表示させ、 Orca text-setup と入力して
Enter を押します。
Orca をはじめて起動した場合は、利用する言語の一覧が表示され、選択を促されます。
使いたい言語の ID 番号 (たとえばアメリカ英語であれば 7) を
入力し、 Enter を押します。
また、 Orca をはじめて起動した場合は、自動的にセットアップモードに移行します。
後からセットアップを行ないたい場合は、 setup を飛ばして
後から実行することもできます。さらに、 Orca が起動している間に
Ins+Space
を押すと、 Orca の設定 GUI を起動することができます。なお、テキストセットアップ
ユーティリティを起動する場合は、 Orca の起動時に --text-setup
のオプションを指定してください。これらのオプションは、いずれも
~/.orca/user-settings.py ファイルを作成し、ここに設定内容や
アクセシビリティの構造を保持します。設定を変更した場合は、いったんログアウトしてから
ログインし直すことで、設定が反映されます。
Orca を起動するには、端末 (ターミナル) セッションから orca と入力します。 GUI へのアクセスをお持ちでない場合は、仮想コンソールからでも実行する ことができます。 GUI がインストールされている環境の場合は、 Alt+F2 を押して ダイアログを表示させ、 orca と入力して Enter を押すことでも起動できます (必要に応じて後ろに オプションを指定することもできます) 。 Orca を仮想コンソールから起動した場合や、 GUI 環境がアクセシビリティ用に用意されていない場合は、自動的にテキストセットアップ モードに移行します。
Orca を終了するには、 Ins+Q (ラップトップレイアウトの場合は、 CapsLock+Q) を押します。 ダイアログが表示されます。
点字ページでは、様々なブライユ点字のカスタマイズ方法を説明しています。
点字ページを利用するには、まず (ブライユサポートの有効化) のチェックボックスを選択します。このチェックボックスは、 Orca が点字表示を使用するかどうかを選択します。
Orca のブライユモニタは、点字ディスプレイ上に何が表示されているのかを表示する 機能を提供します。これは主にデモンストレーション目的で利用するものですが、 点字ディスプレイへのアクセス手段を持たない Orca の開発者にも便利な機能です。
(省略ロール名) のチェックボックス では、どのロール名を表示するかや点字ディスプレイ上の場所を保護するための機能を 提供します。
これにチェックを入れると、この機能は Orca に対して行末の $1
文字列を指定しないようになります。
また、 (冗長性) ラジオボタングループでは、 点字ディスプレイに変換されるべき情報量を状況ごとに設定します。
虫眼鏡ページでは、拡大表示を有効にするかどうかの設定や、どのようにして虫眼鏡を 実行するのかを指定します。
虫眼鏡ページは、最初のコントロールが (虫眼鏡機能の有効化) チェックボックスです。このチェックボックスは Orca が 各代表直納を提供するかどうかを選択します。このオプションは、スピーチや点字 サポートと組み合わせることで、 Orca が様々なユーザ要件に合わせた機能提供を 行なうことができます。
2 つの拡大 GUI コントロールでは、拡大の特性を設定します。 (拡大率) では拡大の割合を、 (位置) では拡大表示ウインドウの位置とサイズを 指定します。