第22章 ネットワーク上のSLPサービス

目次

22.1. インストール
22.2. SLPをアクティブ化する
22.3. SUSE Linux Enterprise ServerのSLPフロントエンド
22.4. SLP経由のインストール
22.5. SLPによるサービスの提供
22.6. 詳細情報

概要

サービスロケーションプロトコル(SLP)は、ローカルネットワークに接続されているクライアントの構成を簡略化するために開発されました。ネットワーククライアントを設定するには、すべての必要なサービスを含め、管理者はネットワークで利用できるサーバに関する詳しい知識が必要とされました。SLPは、ローカルネットワーク上にあるすべてのクライアントに対して特定のサービスを利用できることを通知します。このような通知情報を利用してSLPをサポートする各種アプリケーションを自動的に設定することができます。

SUSE® Linux Enterprise Serverは、SLPによって提供されるインストールソースを使用するインストールをサポートしています。また、多くのシステムサービスは、統合SLPをサポートしています。YaSTとKonquerorは、どちらもSLP用の適切なフロントエンドを持っています。ご利用のシステムでインストールサーバ、ファイルサーバ、印刷サーバなどのSLPを使用することにより、ネットワークに接続されたクライアントに一元的な管理機能を提供します。

[Important]SUSE Linux Enterprise ServerでのSLPサポート

SLPサポートを提供するサービスにはcupsd、rsyncd、ypserv、openldap2、ksysguardd、saned、kdm、vnc、login、smpppd、およびrpasswd 、postfix、およびsshd(fish経由)があります。

22.1. インストール

必要なすべてのパッケージがデフォルトでインストールされます。ただし、SLPによりサービスを提供する場合は、パッケージopenslp-serverがインストールされていることを確認します。

22.2. SLPをアクティブ化する

SLPサービスを提供するには、システム上でslpdを実行する必要があります。マシンがクライアントとしてのみ動作し、サービスを提供しない場合は、slpdを実行する必要はありません。SUSE Linux Enterprise Server中のほとんどのシステムサービスと同様、slpdデーモンは別のinitスクリプトを使用して制御されます。インストール後に、このデーモンはデフォルトで非アクティブになります。一時的にこのデーモンを有効化するには、rcslpd startrootで実行し、rcslpd stopで停止します。restartで再始動、またはstatusでステータスチェックを実行します。ブート後にslpdを常にアクティブにする必要がある場合は、YaSTでシステム+システムサービス(ランレベル)の順に選択してslpdを有効にするか、またはinsserv slpdコマンドをrootとして実行します。

22.3. SUSE Linux Enterprise ServerのSLPフロントエンド

ネットワーク内のSLPから提供されているサーバを見つけるには、slptool (openslp package)などのSLPフロントエンドか、YaSTを使用します。

slptool

slptoolは、ネットワーク内でSLP照会をアナウンスしたり、プロプライエタリサービスをアナウンスするために使用できるコマンドラインプログラムです。slptool --helpは、すべての使用可能なオプションと機能を一覧します。たとえば、現在のネットワークで自己をアナウンスするすべての時間サーバを検索するには、次のコマンドを実行します。

slptool findsrvs service:ntp
YaST

YaSTは、SLPブラウザも提供します。ただし、このブラウザをYaSTコントロールセンターから利用することはできません。このブラウザを起動するには、yast2 slprootユーザとして実行します。サービスの詳細を取得するには、左側にあるサービスタイプをクリックします。

22.4. SLP経由のインストール

ネットワーク内にSUSE Linux Enterprise Serverインストールメディアをもつインストールサーバがある場合は、このメディアをSLPに登録し、SLPを介して提供することができます。詳細については、項 「インストールソースを保持するサーバのセットアップ」 (第14章 リモートインストール, ↑導入ガイド)を参照してください。SLPインストールが選択されると、選択したブートメディアからシステムがブートして検出されたソースを表示した後に、linuxrcがSLP照会を開始します。

22.5. SLPによるサービスの提供

SUSE Linux Enterprise Serverのアプリケーションの多くはlibslpライブラリを使用することで、最初から統合SLPをサポートしています。サービスがSLPサポートでコンパイルされていない場合は、SLPを介して利用できるように次の方法のいずれかを使用してください。

/etc/slp.reg.dによる静的登録

新規サービスに個別の登録ファイルを作成します。次の例では、スキャナサービスを登録します。

## Register a saned service on this system
## en means english language
## 65535 disables the timeout, so the service registration does
## not need refreshes
service:scanner.sane://$HOSTNAME:6566,en,65535
watch-port-tcp=6566
description=SANE scanner daemon

このファイルで最も重要な行はservice:から開始するサービスURLです。このURLにはサービスタイプ(scanner.sane)および、サーバ上でサービスが使用可能になるアドレスが含まれます。$HOSTNAMEは自動的に完全ホスト名で置き換えられます。その後ろにはサービスごとのTCPポートの名前がコロンで区切られる形で続きます。さらにサービスを表示する場合に使用される言語、登録の期間を秒単位で入力します。これらはコンマを使用してTービスURLと分けるようにします。0から65535で登録期間の値を設定します。0の場合は登録する必要がありません。65535はすべての制限を削除します。

登録ファイルにはまた、2つの変数watch-port-tcpおよびdescriptionが含まれます。watch-tcp-portはSLPサービスアナウンスとリンクして、slpdにサービスのステータスをチェックさせることにより、関連サービスがアクティブかどうか確認します。descriptionには、正しいブラウザを使用している場合に表示される、さらに詳細なシステム名が含まれています。

[Tip]YaSTとSLP

インストールサーバ、YOUサーバなどのようにYaSTが処理を行うサービスの一部では、モジュールダイアログでSLPがアクティブになった時点で自動的にこの登録が実行されます。続いてYaSTはこれらのサービスの登録ファイルを作成します。

/etc/slp.regによる静的登録

この方法と、/etc/slp.reg.dによる手続きの唯一の違いは、すべてのサービスが中央のファイルにグループ化されることです。

slptoolによる動的登録

設定ファイルなしでサービスを動的に登録する必要がある場合は、slptoolコマンドラインユーティリィティを使用します。同じユーティリィティを使用して、slpdを再起動しないで、既存の提供サービスの登録を取り消すことができます。

22.6. 詳細情報

RFC 2608、2609、2610

一般的にRFC 2608はSLPの定義を取り扱います。RFC 2609は、使用されるサービスURLの構文を詳細に扱います。またRFC 2610ではSLPを使用したDHCPについて説明しています。

http://www.openslp.org

OpenSLPプロジェクトのホームページです。

/usr/share/doc/packages/openslp

このディレクトリには、 SUSE Linux Enterprise Serverの詳細を含むREADME.SuSE、RFC、および2つの紹介的なHTMLドキュメントなど、openslp-serverパッケージ付属のSLPのドキュメントが格納されています。SLP機能を使用するプログラマに役立つより詳細な情報については、openslp-develパッケージに含まれる『プログラマガイド』を参照してください。


SUSE Linux Enterprise Server 管理ガイド 11 SP3