バージョン9から10への個別の変更は、以降で要約されています。この要約には、基本設定が完全に変更されているかどうか、設定ファイルが他の場所に移されているかどうか、共通アプリケーションが大幅に変更されているかどうかなどの情報が示されています。ユーザレベルまたは管理者レベルで日々のシステムの使用に影響を与える重要な変更が、ここに記載されています。
![]() | SLES 10からSLES 10 SP 1でのソフトウェアの変更 |
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SUSE Linux Enterprise Server 10からSUSE Linux Enterprise Server 10 SP1になって変更されたソフトウェアや環境設定情報の詳細は、サービスパックのリリースノートを参照してください。リリースノートは、インストール済みシステムでYaSTのリリースノートモジュールを使って参照できます。 | |
複数のカーネルを並べてインストールできます。この機能の目的は、管理者が新規カーネルをインストールし、新規カーネルが期待通りに機能することを検証したのち、古いカーネルをアンインストールすることによって、カーネルをアップグレードできるようにすることです。YaSTはまだこの機能をサポートしていませんが、rpm -i package.rpmを使用すれば、カーネルのインストールとアンインストールはシェルを使用して簡単に行うことができます。
デフォルトのブートローダメニューには、1つのカーネルエントリがあります。複数のカーネルをインストールする場合、追加するカーネルごとに1つのエントリを追加し、それらを簡単に選択できるようにしておくと便利です。新規カーネルのインストール前にアクティブであったカーネルは、vmlinuz.previousおよびinitrd.previousとしてアクセスできます。デフォルトエントリに似たブートローダエントリを作成し、このエントリがvmlinuzおよびinitrdではなく、vmlinuz.previousおよびinitrd.previousを参照するようにすると、前にアクティブであったカーネルにアクセスできます。またGRUBおよびLILOも、ワイルドカードのブートローダエントリをサポートします。詳細については、GRUBのinfoページ(info grub)およびlilo.conf (5)マニュアルページを参照してください。
以下のカーネルモジュールは、利用できなくなりました。
km_fcdsl—AVM Fritz!Card DSL
km_fritzcapi—AVM FRITZ! ISDN Adapters
以下のカーネルモジュールパッケージは、内部に変更が加えられました。
km_wlan—さまざまな無線LANカード用のドライバが追加されました。km_wlanから、Atheros WLANカード用のmadwifiドライバが削除されました。
技術上の理由から、Ralink WLANカードのサポートが中止されました。今回の配布には、以下のモジュールは含まれていません。また、今後追加される予定もありません。
ati-fglrx—ATI FireGLグラフィックカード
nvidia-gfx—NVIDIA gfxドライバ
km_smartlink-softmodem—Smart Link Softモデム
2.6.10では、ia64のシリアルデバイスは、ACPIおよびPCIリストの順番に名前が付けられます。たとえば、ACPIネームスペースの最初のデバイスは/dev/ttyS0、次のデバイスは/dev/ttyS1のようになります。また、PCIデバイスはACPIデバイスの後に、順番に名前が付けられていきます。
HPシステムの場合は、EFIコンソールを再設定しないと、カーネルブートコマンドからコンソールパラメータを破棄できません。対処方法としては、console=ttyS0...の代わりにconsole=ttyS1...をブートパラメータとして試してください。
詳細は、kernel-sourceソフトウェアパッケージの/usr/src/linux/Documentation/ia64/serial.txtを参照してください。
LD_ASSUME_KERNEL環境変数は設定しないでください。従来は、この環境変数を使ってLinuxThreadsサポートを利用することができましたが、この機能はなくなりました。SUSE Linux Enterprise 10でLD_ASSUME_KERNEL=2.4.xを設定すると、ld.soは存在しないパスを使ってglibcと関連ツールを探そうとするため、正常に動作しません。
tarの使用構文がさらに厳密になりました。tarのオプションは、ファイルまたはディレクトリの前に指定する必要があります。ファイルまたはディレクトリの後に--atime-preserve、--numeric-ownerなどのオプションを指定すると、tarは失敗します。バックアップスクリプトを確認してください。次のようなコマンドは動作しません。
tar czf etc.tar.gz /etc --atime-preserve
詳細については、tarの情報ページを参照してください。
Apache Webサーバ (バージョン2)のバージョンが、2.2になりました。Apacheバージョン2.2では、第40章 Apache HTTPサーバが完全に作り直されました。一般的なアップグレード情報については、http://httpd.apache.org/docs/2.2/upgrading.html、新機能については、http://httpd.apache.org/docs/2.2/new_features_2_2.htmlを参照してください。
Kerberosがネットワーク認証のデフォルトです。heimdalではありません。既存のheimdal設定の自動変換は行えません。システム更新の間に、設定ファイルのバックアップコピーが表 10.1. 「バックアップファイル」に示すように作成されます。
表 10.1. バックアップファイル
古いファイル | バックアップファイル |
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クライアント設定(/etc/krb5.conf)は、heimdaの1つによく似ています。特に何も設定することがなかった場合は、パラメータkpasswd_serverをadmin_serverへ置き換えることで十分です。
サーバ(kdc/kadmind)関連データをコピーすることはできません。システムのアップデート後、古いheimdalデータベースは、/var/heimdalでまだ使用できます。MIT kerberosは、/var/lib/kerberos/krb5kdc内のデータベースを管理します。詳細については、第45章 ネットワーク認証—Kerberosおよび第46章 Kerberosのインストールと管理を参照してください。
Hotplugイベントは、完全にudevデーモン(udevd)によって処理されるようになりました。/etc/hotplug.dおよび/etc/dev.d中のイベントマルチプレクサシステムは、すでに使われていません。かわりに、udevdが、規則に応じてすべてのhotplugヘルパーツールを直接呼び出します。udevルールとヘルパーツールは、udevおよび他の各種パッケージによって提供されます。
セキュリティレベルを上げるために、提案ダイアログでインストールを終了すると、同梱のファイアウォールソリューションSuSEFirewall2が有効になります。これは、最初はすべてのポートがクローズされており、必要に応じて提案ダイアログでオープンできることを意味します。デフォルトでは、リモートシステムからログインできません。SLP、Samba (「ネットワークコンピュータ」)、ある種のゲームなど、ネットワーク参照アプリケーションおよびマルチキャストアプリケーションとのインタフェースにもなります。YaSTを使用してファイアウォールを微調整できます。
サービスのインストールまたは設定中にネットワークへのアクセスを必要とする場合は、関連YaSTモジュールにより、すべての内部インタフェースと外部インタフェースの必須TCPポートおよびUDPポートがオープンされます。これが必要ない場合は、YaSTモジュールでポートを閉じるか、他の詳しいファイアウォール設定を指定できます。
デフォルトでは、KDEにはIPv6サポートは有効でありません。YaSTの/etc/sysconfigエディタを使用して有効にすることができます。この機能を無効にする理由は、一部のインターネットサービスプロバイダではIPv6アドレスが正しくサポートされないからです。結果として、Webの検索中にエラーメッセージが表示され、Webページの表示で遅れが生じます。
オンラインアップデートは、基本パッケージからの差分のみを格納する特殊なRPMパッケージをサポートするようになっています。この方法の場合、 最終的なパッケージの再構成のためCPUの負荷が高くなるという欠点はありますが、パッケージのサイズとダウンロード時間の面では大幅な削減が見られます。技術的な詳細については、/usr/share/doc/packages/deltarpm/READMEを参照してください。
インストールの終了時に(提案ダイアログ)、印刷システムに必要なポートをファイアウォール設定でオープンする必要があります。ポート631/TCPとポート631/UDPはCUPSに必須であり、通常の動作ではクローズしないでください。LPDまたはSMBを介して印刷を行うには、ポート515/TCP (古いLPDプロトコル用)とSambaで使用されるポートもオープンする必要があります。
互換リンクを使用すると、XFree86からX.Orgに容易に移行できます。このリンクにより、重要なファイルとコマンドに古い名前でアクセスできます。
X.Orgに移行する過程で、パッケージ名がXFree86*からxorg-x11*に変更されました。
設定ツールSaX2は、X.Org設定を/etc/X11/xorg.confに書き込みます。最初からのインストール時には、XF86Configからxorg.confへの互換性のないリンクが作成されます。
パッケージxview、xview-devel、xview-devel-examples、olvwm、およびxtoolplは削除されました。これまでのリリースでは、XView (OpenLook)のベースシステムだけが提供されていました。システムのアップデート後は、XViewライブラリは提供されなくなります。それよりも大きな変更は、OLVWM (OpenLook Virtual Window Manager)が使用できなくなったことです。
多くのターミナルエミュレータが削除されました。それらのターミナルエミュレータはデフォルト環境ではメンテナンスされず、また機能しません。特にUTF-8をサポートしていません。SUSE Linux Enterprise Serverは、xterm、KDE、GNOMEといった端末やmlterm (Multilingual Terminal Emulator for X)などの標準端末を提供しています。これらは、atermおよびetermに置き換わるものです。
OOoは、/opt/OpenOffice.orgの代わりに /usr/lib/ooo-2.0にインストールされます。ユーザ設定用のデフォルトディレクトリは、~/OpenOffice.org2.0ではなく ~/.ooo-1.1です。
OOoコンポーネントの起動用に、いくつか新規ラッパーが用意されています。新しい名前については、表 10.4. 「Wrapper」を参照してください。
表 10.4. Wrapper
旧 | 新規 |
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ラッパーは、KDEアイコンとGNOMEアイコンの間で切り替えるためのオプション--icons-setをサポートするようになりました。オプション、--default-configuration、--gui、--java-path、--skip-check、--lang(言語はロケール(locale)で指定)、--messages-in-window、および--quietのサポートが中止され、サポートされなくなりました。
OpenOffice_org-kdeおよびOpenOffice_org-gnomeパッケージ内でKDEおよびGNOME拡張を使用できます。
サウンドミキサーkmixがデフォルトとして事前設定されています。ハイエンドのハードウェア向けには、QAMix、KAMix、envy24control(ICE1712専用)、またはhdspmixer(RME Hammerfall専用)などの、他のミキサーも用意されています。
従来、DVD作成をサポートするために、パッチをcdrecordパッケージからcdrecordバイナリに適用しました。現在、このパッチ付きの新規バイナリcdrecord-dvdがインストールされています。
dvd+rw-toolsパッケージのgrowisofsプログラムは、現在ではすべてのDVDメディア(DVD+R、DVD-R、DVD+RW、DVD-RW、DVD+RL)を作成できるようになりました。パッチされたcdrecord-dvdの代わりに、これを使用するようにお勧めします。
[]モードは、ブートローダの画面からなくなっています。それでも、ブートプロンプトでmanual=1を使用すれば、inuxrcを手動モードにすることはできます。通常ではこれは必要ありません。textmode=1のように インストールオプションをカーネルプロンプトで直接設定するか、インストールソースとしてURLを設定できるからです。
新規設定ファイル(詳細に関するコメントを含む)
common-auth認証セクション用のデフォルトPAM設定
common-accountアカウントセクション用のデフォルトPAM設定
common-passwordパスワード変更用デフォルトPAM設定
common-sessionセッション管理用デフォルトPAM設定
アプリケーション固有設定ファイル内から、これらのデフォルト設定ファイルを含める必要があります。システム上に存在する、およそ40ファイルの代わりに、1つの設定ファイルを変更して維持するほうが簡単だからです。後でアプリケーションをインストールすると、そのアプリケーションはすでに適用済みの変更を継承するので、管理者は、設定を調整するために覚えておく必要がありません。
変更は次のように簡単です。次の設定ファイルがあるとします(このファイルは、ほとんどのアプリケーションのデフォルトです)。
#%PAM-1.0 auth required pam_unix2.so account required pam_unix2.so password required pam_pwcheck.so password required pam_unix2.so use_first_pass use_authtok #password required pam_make.so /var/yp session required pam_unix2.so
次のものに変更できます。
#%PAM-1.0 auth include common-auth account include common-account password include common-password session include common-session
デフォルトでは、suを実行してrootになると、PATHがroot用のものに設定されません。su -を使用して、root用の完全な環境を備えたログインシェルを開始するか、デフォルトのsuコマンドの動きを変更したい場合は、/etc/default/su内のALWAYS_SET_PATHにyesを設定します。
/etc/sysconfig/powersave内の設定ファイルが変更されています。
表 10.5. /etc/sysconfig/powersave内の設定ファイルの分割
旧 | 分割後 |
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/etc/powersave.confは、廃止されました。既存の変数は表 10.5. 「/etc/sysconfig/powersave内の設定ファイルの分割」に示すファイルに移動されています。/etc/powersave.conf内で「event」の変数を変更している場合は、これらの変数を/etc/sysconfig/powersave/events内で調整する必要があります。
スリープ状態の名前が次のように変更されました。変更前の名前は次のとおりです。
suspend (ACPI S4,、APMサスペンド)
standby (ACPI S3、APMスタンドバイ)
宛先:
suspend to disk (ACPI S4、APMサスペンド)
suspend to ram (ACPI S3, APM サスペンド)
standby (ACPI S1、APMスタンドバイ)
powersave設定変数の名前は、一貫性を保つために変更されますが、sysconfigファイルは同じままです。詳細情報については、28.5.1項 「powersaveパッケージの設定」を参照してください。
cardmgrは、PCカードを管理しなくなりました。代わりに、カーネルモジュールが、Cardbusカードおよび他のサブシステムと同様にPCカードを管理します。すべての必要な操作は、hotplugによって実行されます。pcmcia起動スクリプトは削除され、cardctlはpccardctlによって置き換えられました。詳細については、『/usr/share/doc/packages/pcmciautils/README.SUSE』を参照してください。
現在、多くのアプリケーションで、IPC (プロセス間通信)にD-BUSが使用されています。dbus-launchを呼び出すと、dbus-daemonが起動します。システム全体の/etc/X11/xinit/xinitrcは、dbus-launchを使用してウィンドウマネージャを起動します。
ローカルの~/.xinitrcファイルがある場合は、それを変更する必要があります。変更しない場合、f-spot、banshee、tomboyまたはNetwork Manager bansheeが失敗する可能性があります。以前の~/.xinitrcを保存します。次のコマンドを使用して、新規テンプレートファイルをホームディレクトリにコピーします。
cp /etc/skel/.xinitrc.template ~/.xinitrc
最後に、保存された.xinitrcからのカスタマイズを追加します。
LSB (Linux Standard Base)との互換性の理由から、多くの設定ファイルとinitスクリプトはxntpからntpに名前が変更されました。新規のファイル名は次のとおりです。
/etc/slp.reg.d/ntp.reg
/etc/init.d/ntp
/etc/logrotate.d/ntp
/usr/sbin/rcntp
/etc/sysconfig/ntp
適切に機能するため、GNOMEアプリケーションは、ファイルシステム変更通知サポートに依存しています。ローカルのみのファイルシステムでは、gaminパッケージをインストールするか(優先)、またはFAMデーモンを実行します。リモートのファイルシステムでは、FAMをサーバとクライアントの両方で実行し、FAMによってRPCコール用のファイアウォールを開きます。
GNOME (gnome-vfs2およびlibgda)には、ファイルシステム変更通知を提供するためのgaminまたはfamを取得するラッパーが含まれています。
FAMデーモンが動作していない場合、gaminが優先されます (理由:Inotifyはgaminだけがサポートしており、この方がローカルファイルシステムにとって効率的だから)。
FAMデーモンが動作している場合は、FAMが優先されます(理由:FAMが動作している場合、ユーザによるリモート通知の利用が予想され、この機能はFAMだけがサポートしているから)。
デフォルトで、xinetdはvsftpd FTPサーバを起動しなくなりました。これは、スタンドアロンのデーモンになり、YaSTランタイムエディタを使用して設定する必要があります。
Firefox 1.5では、Firefoxインスタンスまたはウィンドウを開くためのアプリケーション用メソッドは変更されました。この新規メソッドは、一部、以前のバージョンに含まれており、その動作はラッパースクリプトに実装されています。
アプリケーションでmozilla-xremote-clientまたはfirefox -remoteを使用していない場合、変更の必要はありません。使用している場合は、URLを開くために使用する新規コマンドは、firefox urlで、Firefoxがすでに動作しているかどうかによります。すでに実行している場合は、[]で設定されている環境設定に従います。
コマンドラインで、firefox -new-window url またはfirefox -new-tab urlを使用して、その動作に影響を与えることができます。