X Window System (X11)は、UNIX系のグラフィカルユーザインタフェースで、事実上の標準となっています。Xはネットワークベースであり、あるホスト上で起動されたアプリケーションを、任意のネットワーク(LAN やインターネット)を介して接続されている他のホスト上で表示できるようにします。この章ではX Window System環境のセットアップと最適化について説明し、SUSE Linux EnterpriseŽでのフォントの使用の背景情報を記載しています。
![]() | IBM System z:グラフィカルユーザインタフェースの設定 |
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IBM System zには、X.Orgがサポートする入出力デバイスはありません。そのため、このセクションで説明している環境設定手順は適用されません。IBM zSeriesの関連情報は、8.6項 「ネットワークデバイス」を参照してください。 | |
デフォルトでは、X Windowシステムは8.14項 「SaX2」に説明されているSaX2インタフェースを使って設定されます。代わりに環境設定ファイルを編集して、手動設定することもできます。
![]() | X環境設定ファイルに不適切な設定を行うとハードウェアが損傷する可能性があります |
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X Window Systemの設定は慎重に行う必要があります。設定が完了するまでは、X Window Systemを起動しないでください。システムが正しく設定されていないと、ハードウェアが復元不能な損傷を受ける可能性があります(特に固定周波数モニタの場合)。本書およびSUSE Linux Enterpriseの作成者は、このような原因による損傷や損害に対していかなる責任も負いません。この情報は慎重に調査されたものですが、ここで説明する方法がすべて正しく、ハードウェアが損傷を受けないという保証はありません。 | |
コマンドsax2で/etc/X11/xorg.confファイルが作成されます。これはX Window Systemの基本設定ファイルです。このファイルには、グラフィックカード、マウス、およびモニタに関する設定がすべて含まれています。
![]() | X -configureの使用 |
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SUSE Linux EnterpriseのSaX2で失敗した場合は、X -configureを使ってXセットアップの設定を行ってください。 セットアップ 専有(ソフトウェア) | |
ここでは、設定ファイル/etc/X11/xorg.confの構造について説明します。xorg.confは複数のセクションで構成され、各セクションは設定の特定の側面を取り扱います。各セクションは、キーワードSection <designation>で始まってキーワードEndSectionで終わります。すべてのセクションで、以下の表記規則を使用します。
Section "designation" entry 1 entry 2 entry n EndSection
使用可能なセクションのタイプのリストは表 26.1. 「/etc/X11/xorg.confのセクション」にあります。
表 26.1. /etc/X11/xorg.confのセクション
ここでは、Monitor、Device、およびScreenについて詳しく説明します。他のセクションの詳細については、X.Orgおよびxorg.confのマニュアルページを参照してください。
xorg.confには、複数の異なるMonitorおよびDeviceセクションを記述できます。複数のScreenセクションを記述することも可能です。ServerLayoutセクションでは、このセクションのうち使用するものを判定します。
Screenセクションでは、MonitorセクションとDeviceセクションを組み合わせて、どの解像度とカラー設定を使用するかを決定します。Screenセクションは例 26.1. 「ファイル/etc/X11/xorg.confのScreenセクション」のようになります。
例 26.1. ファイル/etc/X11/xorg.confのScreenセクション
Section "Screen"DefaultDepth 16
SubSection "Display"
Depth 16
Modes "1152x864" "1024x768" "800x600"
Virtual 1152x864
EndSubSection SubSection "Display" Depth 24 Modes "1280x1024" EndSubSection SubSection "Display" Depth 32 Modes "640x480" EndSubSection SubSection "Display" Depth 8 Modes "1280x1024" EndSubSection Device "Device[0]" Identifier "Screen[0]"
Monitor "Monitor[0]" EndSection
Deviceセクションでは、特定のグラフィックカードを記述します。名前が異なっていれば、キーワードIdentifierを使用してxorg.conf内で必要な数だけデバイスエントリを指定できます。複数のグラフィックカードをインストールしている場合、セクションには順番に番号が付けられます。最初のセクションはDevice[0]、2 番目のセクションはDevice[[1]となります。次のファイルは、Matrox Millennium PCIグラフィックカードが搭載されているコンピュータのDeviceセクションから抜粋したものです(SaX2が設定)。
Section "Device" BoardName "MGA2064W" BusID "0:19:0"Driver "mga"
Identifier "Device[0]" VendorName "Matrox" Option "sw_cursor" EndSection
Xサーバやドライバの動作は、その他のオプションを使用して変更することもできます。その一例がDeviceセクションで設定するオプションsw_cursorです。このオプションは、ハードウェアのマウスカーソルを無効にし、ソフトウェアを使用してマウスカーソルを示します。ドライバモジュールによっては、さまざまなオプションを使用できます。各オプションは、ディレクトリ/usr/share/doc/内のドライバモジュール記述ファイル内にあります。通常、有効なオプションについてはマニュアルページ(man package_namexorg.conf、man X.Org、およびman 4chips)でも確認できます。
グラフィックカードに複数のビデオコネクタがある場合、この1枚のカードの異なるデバイスを単一ビューとして設定できます。SaX2を使用してグラフィックインタフェースをこのように設定します。
Deviceセクションと同様に、MonitorセクションとModesセクションでもモニタを1つずつ記述します。設定ファイル/etc/X11/xorg.confでは、Monitorセクションを必要な数だけ指定できます。Monitorセクションはそれぞれ、UseModes行があるModesセクションを参照します。MonitorセクションにModesセクションがない場合、Xサーバは該当する値を一般的な同期の値から計算します。サーバレイアウトセクションでは、どのMonitorセクションが関係するかを指定します。
熟練者以外は、モニタ定義を設定しないでください。modelineは、Monitorセクションで重要な役割を果たします。modelineでは、関連解像度の水平と垂直のタイミングを設定します。モニタ特性、特に許容周波数は、Monitorセクションに格納されます。
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モニタおよびグラフィックカード機能の詳細な知識がない場合は、modelineを変更しないでください。モニタに重大な損傷が生じることがあります。 | |
モニタ記述を開発する方は、/usr/X11R6/lib/X11/doc/(パッケージxorg-x11-docをインストールする必要があります)を完全に理解していなければなりません。
modelineの手動指定が必要になることはほとんどありません。最新のマルチシンクモニタを使用している場合、許容周波数と最適解像度は、SaX2設定セクションで説明したように、原則としてXサーバがDDCを介してモニタから直接読み込みます。何らかの原因で直接読み込めない場合は、Xサーバに付属するVESAモードの1つを使用してください。このモードは、実際にはグラフィックカードとモニタのすべての組み合わせに機能します。