OpenWBEM

目次

11.1. OpenWBEMの設定
11.2. OpenWBEM CIMOM設定の変更
11.3. 詳細情報

NovellŽは、DMTF (Distributed Management Task Force)により提案されたオープンスタンダード規格である、WBEM (Web-Based Enterprise Management)に賛同しています。これらの規格を実装することにより、ネットワーク上の多様なシステムを管理する手間を大幅に削減することができます。

ここでは、DMTFによって提案されたコンポーネントについて説明します。これらの情報および情報間の関連性を理解することにより、ネットワークでのOpenWBEMおよびOpenWBEM活用方法を理解できます。

SUSEŽ Linux Enterprise Serverには、OpenWBEMプロジェクトが提供するオープンソースのCIMOMが含まれています。

WBEMソフトウェアには、サンプルのプロバイダも含む基本的なNovellプロバイダ、およびNovellスキーマのベースセットを含む一連のパッケージが用意されています。

NovellはOpenWBEMに賛同して特定のプロバイダを開発し、以下のような重要な機能を持つツールを提供しています。

OpenWBEM CIMOMがどのようにセットアップされ、どのように環境を設定するかを理解しておけば、多彩なネットワーク環境をより確実かつ容易に監視および管理することができます。

OpenWBEMの設定

OpenWBEMを設定するには、SUSE Linux Enterprise Serverのインストール時にWeb-Based Enterprise Managementソフトウェアを選択するか、またはすでにSUSE Linux Enterprise Serverが稼働しているサーバ上にコンポーネントとしてこのソフトウェアをインストールします。このソフトウェアには、以下のパッケージが含まれています。

cim-schema、CIM (Common Information Model)スキーマ:

このパッケージには、Common Information Model (CIM)が含まれます。CIMは、ネットワーク/企業環境内の総合的な管理情報を記述するモデルです。CIMは仕様とスキーマで構成されます。仕様は、他の管理モデルとの統合に関する詳細を定義しています。スキーマは、実際のモデルを記述しています。

openwbem、WBEM (Web Based Enterprise Management)の実装版:

このパッケージには、OpenWBEMの実装版が含まれています。OpenWBEMは、DMTFのCIMおよびWBEM技術を簡単に導入、展開するために役立つ一連のソフトウェアコンポーネントです。DMTF、およびその技術に関する詳細は、DMTF Webサイトを参照してください。

openwbem-base-providers:

このパッケージには、OpenWBEM CIMOM用のコンピュータ、システム、オペレーティングシステム、およびプロセスなどのベースオペレーティングシステムコンポーネントのNovell Linux一式が含まれています。

openwbem-smash-providers:

このパッケージには、Novell Linux版のOpenWBEM CIMOM用SMASH (Systems Management Architecture for Server Hardware)が含まれています。

yast2-cim, YaST2 - CIMのバインド:

このパッケージは、YaST2 (SUSEシステムツールマネージャのグラフィカルユーザインタフェース)へのCIMバインディングを追加します。これらのバインディングにより、Common Information Model Object Manager (CIMOM)へのクライアントインタフェースが提供されます。

この節では、次の情報を紹介します。

owcimomdの起動、終了、またはステータスの確認

デフォルトでは、WBEM(Web-Based Enterprise Management)ソフトウェアをインストールすると、owcimomdデーモンが起動します。次の表で、owcimondの起動、停止、および確認ステータスを説明します。

表 11.1. owcimomdの管理用コマンド

タスク

Linuxコマンド

owcimomdの開始

コンソールシェルのルートでrcowcimomd startを入力します。

owcimomdの終了

コンソールシェルのルートでrcowcimomd stopを入力します。

owcimomdステータスの確認

コンソールシェルのルートでrcowcimomd statusを入力します。


セキュアアクセスの確保

OpenWBEMのデフォルトのセットアップは、比較的安全(セキュア)です。ただし、組織の要望に応じてOpenWBEMコンポーネントに対し、できる限りセキュアなアクセスを確保するため、次の項目を検討してください。

証明書

安全にSSL (Secure Socket Layers)通信を行うには、証明書が必要になります。OESをインストールすると、OpenWBEMはインストールされたOES用に自己署名済み証明書を生成します。

必要に応じて、デフォルトの証明書へのパスを、購入した商用証明書、または/etc/openwbem/openwbem.confファイルのhttp_server.SSL_cert = path_filename設定で生成した別の証明書へのパスと置き換えることができます。

デフォルトで生成された証明書は、次の場所に置かれています。

/etc/openwbem/servercert.pem

新しい証明書を生成する場合は、以下のコマンドを使用します。このコマンドを起動すると、現在の証明書が置き換えられるため、新しい証明書を生成する前に、古い証明書のコピーを作成することをお勧めします。

コンソールシェルのルートで次を入力します。

sh/etc/openwbem/owgencert

OpenWBEMが使用する証明書を変更する場合は、11.2.2項 「証明書設定の変更」を参照してください。

ポート

OpenWBEMは、セキュアなポートである5989を使用するすべての通信をデフォルトで受け入れるように設定されています。次の表で、ポート通信のセットアップと推奨設定について説明します。

表 11.2. ポート通信セットアップおよび推奨設定

ポート

タイプ

推奨設定と注意事項

5989

セキュア

OpenWBEM通信がHTTPSサービスを介して使用するセキュアなポート。

これはのデフォルトの設定です。

この設定で、CIMOMとクライアントアプリケーション間のすべての通信は、サーバとワークステーション間でインターネットを通じて送信されるときに暗号化されます。この情報を表示するには、クライアントアプリケーションを通じてユーザ認証を行う必要があります。

この設定を設定ファイル内に保管することをお勧めします。

ルータやファイアウォールがクライアントアプリケーションとモニタリングされるノードとの間に存在する場合、OpenWBEM CIMOMが必要なアプリケーションと通信できるようにするには、このポートを開いておく必要があります。

5988

保護なし

OpenWBEM通信がHTTPSサービスを介して使用するセキュアでないポート。

デフォルトでは、この設定は無効にされています。

この設定では、CIMOMとクライアントアプリケーション間のすべての通信は、サーバとワークステーション間でインターネットを通じて送信されるときに、誰でも認証なしで開き、レビューできます。

この設定は、CIMOMの問題をデバッグするときのみに使用することをお勧めします。問題が解決されたら、すぐにセキュアでないポートオプションを無効に戻してください。

ルータやファイアウォールが、クライアントアプリケーションとモニタリングされるノードとの間に存在する場合、OpenWBEM CIMOMがセキュアでないアクセスを要求する必要なアプリケーションと通信できるようにするには、このポートを開いておく必要があります。


デフォルトのポートの割り当てを変更する場合は、11.2.3項 「ポート設定の変更」を参照してください。

認証

次の認証設定は、SUSE Linux Enterprise ServerのOpenWBEMに対するデフォルトとして設定および有効化されています。

このデフォルト設定はいずれも変更が可能です。詳細については、11.2.1項 「認証設定の変更」を参照してください。

  • http_server.allow_local_authentication = true

  • http_server.ssl_client_verification = disabled

  • http_server.use_digest = false

  • owcimomd.allow_anonymous = false

  • owcimomd.allowed_users = root

  • owcimomd.authentication_module = /usr/lib/openwbem/authentication/libpamauthentication.so

OpenWBEM CIMOMは、デフォルトでPAMが有効になっているため、ローカルのルートユーザは、ローカルのルートユーザ証明書を使用してOpenWBEM CIMOMの認証を行うことができます。

ログのセットアップ

このデフォルト設定はいずれも変更が可能です。詳細については、11.2.4項 「デフォルトのログ設定の変更」を参照してください。

デフォルトでは、OpenWBEMのログは以下のように設定されています。

  • log.main.components = *

  • log.main.level = ERROR

  • log.main.type = syslog

この設定の場合、owcimomdのログはsyslogdの設定に応じて、/var/log/messagesファイル、または他のファイルに書き込まれます。これは、すべてのコンポーネント(owcimomd)のすべてのエラーを記録します。