第13章 Ekiga:Voice over IPの使用

目次

13.1. Ekigaの設定
13.2. Ekigaのユーザインタフェース
13.3. 電話をかける
13.4. 電話に出る
13.5. アドレス帳の使用
13.6. 詳細情報

概要

現在のテレコミュニケーションは、単に電話をかけることだけを意味するわけでははありません。テキストメッセージや、時にはテレビ会議も含まれます。ローミングによって、1つの電話番号で世界中に接続ができます。Ekigaでは、これらの機能をLinuxデスクトップで使用してブロードバンドのインターネットで通信できるようにします。

始める前に、次の要件を満たしていることを確認してください。

13.1. Ekigaの設定

[Tip]

Ekigaがシステムにインストールされていない場合は、YaST Software Managementモジュールを使用するか、またはコマンドラインからrootとして zypper install ekigaを入力することによって、Ekigaをインストールします。インストールが完了したら、[コンピュータ]+[他のアプリケーション]+[コミュニケーション]+[Ekiga Softphone]の順にクリックすることにより、Ekigaを実行できます。

最初に起動すると、Ekigaの設定アシスタントが開き、Ekigaの設定に必要なすべてのデータが要求されます。次の手順に従います。

  1. フルネーム(名前と姓)を入力します。

  2. ekiga.netアカウントデータを入力するか、またはhttp://www.ekiga.netに登録しないことを選択します。

    別のアカウントを後で追加するには、[Edit]+[Accounts]を使用して設定します。

  3. Ekiga Call Outアカウントデータを入力するか、http://www.ekiga.netに登録しないことを選択します。

  4. 接続タイプを指定します。

  5. 呼び出し音、出力および入力デバイスドライバを選択します。[ALSA]は、最適な音質を確保する確実なデフォルトオプションです。オープンソースソフトウェア(OSS)などの他のサウンドシステムもSUSE Linux Enterprise Desktopで使用できます。

    デフォルトでは、リングするデバイスセットは存在しません。リングトーンを使用する場合は、使用可能ないずれかのオーディオデバイスにこの設定を変更します。

  6. 使用可能な場合はビデオ入力デバイスを選択します。

  7. 設定の概要を確認して適用します。

  8. 設定を変更した後に登録が失敗した場合は、Ekigaを再起動します。

Ekigaでは複数のアカウントを管理できます。アカウントを追加して設定するには、次の手順に従います。

  1. [編集]+[アカウント]を開きます。

  2. [アカウント]+[<アカウントの種類>の追加]の順に選択します。わからない場合は、[Add a SIP Account(SIPアカウントの追加)]を選択します。

  3. 登録先を[Registrar]に入力します。これは通常は、インターネットテレフォニーサービスプロバイダが指定するIPアドレスまたはホスト名です。プロバイダが指定したデータに従って、ユーザパスワードを入力します。

  4. [OK]をクリックして設定ダイアログを終了し、アカウントを有効にします。Ekigaメインウィンドウに表示されるアカウントの状態が[Registered]に変更されます。

13.2. Ekigaのユーザインタフェース

Ekigaユーザインタフェースでは、いくつかのタブが使用可能です。第1のタブは[仲間]、第2のタブは[ダイアルパッド]、第3のタブは[着信履歴]です。さらに、[呼び出しパネル]タブを使用でき、ここには、ローカルまたはリモートのWebカメラの画像およびビデオが表示されます。

図13.1 Ekigaのユーザインタフェース

Ekigaのユーザインタフェース

ユーザインタフェースにはさまざまなモードがあります。ビューを切り替えるには、タブラインを使用します。デフォルトでは、Ekigaで[連絡先]タブが開きます。このタブでは、ローカルアドレス帳を使用して、よく使用する番号への接続をすばやく開くことができます。ウェブカムをサポートしオーディオ制御機能を含む完全なビューを表示するには、[表示]+[着信パネルを表示する]の順にクリックし、[呼び出しパネル]を有効にします。

呼び出しパネルの下側には、[オーディオ設定][ビデオ設定][ビデオ表示][Hold Call(コール保留)]など複数の制御用アイコンがあります。すべてのアイコンはツールチップを提供し、マウスポインタをアイコン上に置くと表示されます。[Audio]設定などの一部の設定は、通話中にのみ変更できます。

Ekigaの機能の多くは、キーボードショートカットで使用できます。表13.1「Ekigaのキーボードショートカット」に重要なショートカットをまとめてあります。

表13.1 Ekigaのキーボードショートカット

Ctrlシーケンス

説明

Ctrl+O

現在の番号でコールを開始します。

Esc

通話を切断します。

Ctrl+N

アドレス帳に連絡先を追加します。

Ctrl+B

[アドレス帳]ダイアログを開きます。

H

現在のコールを保留にします。

T

現在のコールを別の相手に転送します。

M

現在の通話のオーディオストリームを一時停止します。

P

現在の通話のビデオストリームを一時停止します。

Ctrl+W

Ekigaユーザインタフェースを閉じます。

Ctrl+Q

Ekigaを終了します。

Ctrl+E

アカウントマネージャを開始します。

Ctrl+J

メインユーザインタフェースの[呼び出しパネル]を有効にします。

Ctrl++

Webカメラからの画像にズームインします。

Ctrl+-

Webカメラからの画像にズームアウトします。

Ctrl+0

Webカメラの標準サイズの画面に戻ります。

F11

Webカメラの全画面表示を行います。


13.3. 電話をかける

Ekigaを適切に設定し終えたら、簡単に電話をかけられます。

  1. メニューまたはコマンドラインからEkigaを起動します。

  2. [SIPアドレス]に、通話相手のSIPアドレスを入力します。アドレスは次のような形式になります。

    • 近距離の直接通話の場合: sip:username@domainnameまたはusername@hostname

    • sip:username@domainnameまたはuserid@sipserver

  3. [発信]をクリックするか、またはCtrl+Oを押して、相手が電話に出るまで待ちます。

  4. 通話を終了するには、[ハングアップ]をクリックするか、または<Esc>を押します。

通話中にサウンドパラメータを微調整する必要がある場合は、呼び出しパネル[オーディオ設定]アイコンをクリックします。受話音量および送話音量に関する[音声]オプションを含むウィンドウが表示されます。必要に合わせてレベルをスライダで調整してください。

13.4. 電話に出る

Ekigaでは2つの方法で電話に出られます。まず、ユーザは、sip:user@hostと直接通話することも、SIPプロバイダを介して通話することもできます。多くのSIPプロバイダは、通常の電話回線からVoIPアカウントに通話を受けられるようにしています。Ekigaが実行されているモードに応じて、着信コールの通知方法は複数あります。

通常のアプリケーション

着信は、Ekigaがすでに実行している場合にのみ、受け付けて応答することができます。着信音は、ヘッドセットまたはスピーカから聞こえます。Ekigaを実行していないと、電話は受けられません。

パネルアプレット

通常、Ekigaのパネルアプレットは、サイレントで動作しており、目立ちません。これにより、着信が入るとすぐに次のように変わります。Ekigaのメインウィンドウが開き、ヘッドセットまたはスピーカから呼び出し音が聞こえます。

着信に気が付いたら、[Accept]をクリックして、電話に出て会話します。電話に出たくない場合には、[Reject]をクリックします。コールを別のSIPアドレスに転送することもできます。

13.5. アドレス帳の使用

EkigaにはSIPの仲間を管理する機能があります。起動後にメインウィンドウに表示される[連絡先]タブにすべての連絡先が表示されます。仲間または新しい仲間グループを追加するには、[チャット]+[仲間の追加]を実行します。

新しいグループを追加する場合は、下部の入力フィールドにグループ名を入力し、[追加]をクリックします。これにより、新しいグループがグループ一覧に追加され、事前に選択されます。

有効な連絡先には、次のエントリが必要です。

名前

連絡先の名前を入力します。フルネームも入力できますが、またはニックネームも使用できます。

アドレス

連絡先の有効なSIPアドレスを入力します。

グループ

多数の連絡先がある場合は、独自のグループを追加します。

アドレス帳から連絡先に通話するには、この仲間をダブルクリックします。すぐに電話がかかります。

13.6. 詳細情報

Ekigaの公式ホームページは、http://www.ekiga.org/です。このサイトでは、よくある質問への回答のほか、より詳細なマニュアルを利用できます。

LinuxでのH323電子会議プロトコルのサポートの詳細は、http://www.voip-info.org/wiki/view/H.323を参照してください。VoIPをサポートするプロジェクトを検索する際には、まずここを探してください。

プライベートな電話ネットワークを設定するには、PBXソフトウェアのAsterisk http://www.asterisk.org/を検討できます。詳細については、http://www.voip-info.org/wiki-Asteriskを参照してください。