第19章 F-スポット:デジタル画像コレクションの管理

目次

19.1. 写真のインポート
19.2. カメラからの写真ダウンロード
19.3. 写真情報の取得
19.4. タグの管理
19.5. 写真の検索
19.6. 画像コレクションのエクスポート
19.7. 基本的な写真の編集
19.8. 写真の共有
19.9. 設定ダイアログ
19.10. 詳細情報

F-スポットはGNOMEデスクトップ用に設計されたデジタル画像のコレクションの管理ツールです。これを使用すると、さまざまなタグを画像に割り当てて写真を分類することができます。また、画像編集オプションが多数用意されています。たとえば、赤目を修正したり、クロッピングを行ったり、色の明度を調整することができます。F-スポットは、JPEG、BMP、GIF、TIFF、RAWなど、16種類のファイル形式をサポートしています。

ハードディスク、デジカメ、またはiPodから画像をインポートすることができます。また、F-スポットを使ってスライドショーを表示したり、Photo CDを作成したり、Webサイトギャラリーを作成したり、画像をFlickr、23、Picasa Web、またはSmugMugなどのアカウントにエクスポートすることもできます。

F-スポットにアクセスするには、コンピュータ+F-スポットフォトブラウザの順にクリックします。初めてF-スポットを実行した場合、コレクションにインポートする画像がある場所を指定することができます。画像のコレクションがすでにハードドライブに格納されている場合は、適切なディレクトリへのパスを入力し、該当する場合はサブフォルダを含めます。F-スポットはこれらの画像をそのデータベースにインポートします。

図19.1 F-スポットメインウィンドウ

F-スポットメインウィンドウ

ウィンドウの右側には、画像のサムネイルが表示されます。左側のサイドバーには、選択した画像の詳細情報が表示されます。デフォルトでは、写真は新しい日付から古い日付へと表示されます。時系列で写真をソートするには、表示+逆順の順にクリックします。

[Tip]サイドバーの内容

サイドバーの上部で、サイドバーの内容をタグから編集、またはフォルダに変更します。サイドバーがまったく表示されない場合は、F9キーを押すか、または表示+コンポーネント+サイドバーの順にクリックしてサイドバーを表示します。

ウィンドウの最上位のメニューバーから、メインメニューにアクセスできます。メニューバーの下のツールバーには、次のオプションがあります(説明テキストのないアイコンがある場合、アイコンの上にマウスを置くとツールチップが表示されます)。

表19.1 F-スポットツールバー

アイコン

説明

インポート

デジタルカメラやハードドライブのフォルダなど、さまざまなメディアから新しいイメージをインポートします。

回転(左または右)

このショートカットを使用して、画像の向きを変更します。

参照

ブラウズモードでは、全体のコレクションまたはコレクションのタグ付きサブセットの表示と検索を実行できます。また、作成日で画像を検索するためにタイムラインを使用することもできます。

イメージの編集

このモードでは、画像を1つ選択し、基本的な画像処理を実行できます。詳細は、19.7項 「基本的な写真の編集」に説明しています。

フルスクリーン

全画面表示モードに切り替えます。

スライドショー

スライドショーを開始します。


19.1. 写真のインポート

ハードディスクやデジカメから、写真をインポートすることができます(詳細は19.2項 「カメラからの写真ダウンロード」を参照)。F-スポットは、ハードディスクからインポートした写真のコピーを自動的に作成します。画像のコピーを作成しない場合は、[インポート]ダイアログボックスの写真フォルダにファイルをコピーの選択を解除するか、または写真をF-スポットにShiftキーを押しながらドラッグしてください。

図19.2 画像のF-スポットへのインポート

画像のF-スポットへのインポート

デフォルトでは、写真はホームディレクトリ中のPhotosディレクトリにコピーされます。F-スポットが使用するディレクトリを変更するには、編集+初期設定の順にクリックします。

インポートするすべての写真が特定のイベントのものだったり、共通の特徴があるような場合は、後ほど簡単に見つけられるように写真のタグを作成することができます。付与するタグフィールドに、(カンマで区切られた)新しいすべての写真のインポートで関連付けるタグを入力します。

写真をインポートする

  1. 写真+インポートの順にクリックします。ファイルのコピー先で指定したターゲットディレクトリにファイルがコピーされます。

  2. インポート元を選択し、開くをクリックします。

  3. 写真のロードが完了したら、インポートをクリックします。

    写真がカタログに追加されます。

19.2. カメラからの写真ダウンロード

デジカメをコンピュータのUSBポートに接続して、そこから新しい画像をインポートすることができます。カメラのタイプは自動的に検出されます。デジカメから写真をインポートする場合、写真のコピーが作成されます。

  1. 写真+インポートの順にクリックします。

  2. インポート元としてカメラを選択します。

    F-スポットはカメラからダウンロードできるすべての画像を表示するプレビューウィンドウを起動します。インポート時にタグ付けを行うには、タグの添付フィールドに適切なタグを入力します。カメラのすべての画像をデータベースにインポートしない場合、プレビューウィンドウで不要な画像の選択を解除してください。

    カメラからのF-スポットインポート
  3. コピーをクリックします。

  4. 作業が完了したら、OKをクリックします。

写真がカタログに追加されます。

19.3. 写真情報の取得

画像を選択すると、その画像に関するヒストグラムと基本的統計情報がウィンドウの左下に表示されます。この情報には、ファイル名、バージョン(コピーまたは元の写真)、作成日、サイズ、およびこの画像の作成に使用された露出が含まれています。

19.4. タグの管理

このタグを使用して写真を分類し、管理可能なコレクションのサブセットを作成します。F-スポットにはデフォルトのタグが用意されています。これを変更したり、新しいタグを追加できます。たとえば、大事な人たちの写真のコレクションを整理、編成するには、次の作業を行います

図19.3 F-スポットでのタグの作成

F-スポットでのタグの作成

  1. F-スポットの参照モードを選択します。

  2. 左側のサイドバーでタグビューを有効にします。

  3. サイドバーでユーザ(People)カテゴリを右クリックし、新しいタグの作成を選択します。

    1. Friendsという新しいタグを作成します。

    2. Familyという新しいタグを作成します。

      新しいタグが、人物カテゴリの下にサブカテゴリとして表示されます。

  4. ここで、画像、または選択した画像のグループにタグを添付します。次の方法で写真にタグを付けることもできます。

    • 写真をタグにドラッグアンドドロップする。

    • タグを写真にドラッグアンドドロップする。

    • タグメニューのオプションを使用します。

    • 写真を選択してからtを押して、タグ入力バーを表示する。

タグに関連付けた最初の写真が、そのタグのアイコンとして使用されます。タグ名、親タグ、またはアイコンを変更するには、タグを右クリックして選択したタグを編集を選択します。

タグの親を変更するには、タグを任意の場所にドラッグアンドドロップします。また、タグを選択してF2キーを押してタグの名前を編集することもできます。

写真にタグを付けたら、そのタグを使ってコレクションを参照することができます。前記の例を使用して、人物+Familyの順に選択すると、表示されるコレクションをFamilyのタグが付いた写真に制限できます。タグを使用したコレクションの検索は、検索+選択したタグの検索の順にクリックしても実行できます。検索の結果は、サムネイル概要ウィンドウに評されます。

単一の画像または画像グループからのタグ削除は、タグの添付と同じように実行できます。タグ編集機能は、最上位のメニューバーのタグメニューからもアクセスできます。

19.5. 写真の検索

で説明したとおり、タグは特定の画像を検索する手段として使用することができます。19.4項 「タグの管理」 また、ツールバーの下にあるタイムラインを使用する方法もあります。タイムラインの小さなフレームをドラッグすれば、サムネイルに表示する画像を選択したタイムフレーム内に撮影された写真に限定することができます。F-スポットにはデフォルトのタイムラインが設定されていますが、スライダーをタイムラインの左右に移動して期間を変更することができます。

また、検索+検索バーの表示の順にクリックして検索を行うこともできます。表示された検索バーに、タグビューからタグをドラッグできます。

図19.4 F-スポットの検索バーの表示

F-スポットの検索バーの表示

複数のタグが付けられた写真を検索するには、タグビューで最初のタグを選択し(またはタグを検索バーにドラッグし)、次に2番目のタグを最初のタグにドラッグアンドドロップします。また、タグビューで2番目のタグを右クリックして[選択したタグの検索方法]を選択するか、または検索+選択したタグの検索方法の順にクリックして、次に最初のタグ(またはタググループ)を選択することもできます。

検索バーのタグをダブルクリックして、特定のタグを持たない写真を検索できます。ダブルクリックしたタグを持たない写真(または何もタグが付けられていない写真)が表示されます。また、検索バーのタグを右クリックして、除外を選択することができます。

検索からタグを削除するには、検索バーから削除するタグをドラッグするか、またはタグを右クリックして削除を選択します。

デフォルトでは、[非表示]のタグが付けられた写真は表示されません。このような写真を表示するには、検索で明示的に[非表示]のタグを付けられた写真を指定する必要があります。

文字列を入力して検索することもできます。開くには、スラッシュ(/)を押します。これは、検索バーと同時に使用することはできません。検索時にはタグA and (タグB) or (タグC and タグD))のように入力することができます。入力中に、F-スポットが有効なクエリーと認識したら、そのクエリーに応じて検索内容が更新されます。notは使用できません。

図19.5 入力検索

入力検索

19.6. 画像コレクションのエクスポート

F-スポットには、写真コレクションのさまざまなエクスポート機能(19.6.1項 「Webサイトギャラリーの作成」19.6.2項 「写真のCDへのエクスポート」19.6.3項 「写真のフォルダへのエクスポート」19.6.4項 「SmugMug、Flickr、23hq、Zooomr、またはPicasa Web Albumsのアカウントへのコピー」)が用意されています。

19.6.1. Webサイトギャラリーの作成

ギャラリーと呼ばれるPHPソフトウェアをお使いの場合は(http://gallery.sourceforge.net参照)、写真を既存のアルバムに投稿できます。ギャラリーのリモート(Remote)モジュールが有効になっていることを確認してください(Site Admin+Plugins (Get More Plugins)+Remote)。

他の写真ギャラリーアプリケーションとしては、PennAveがあります。これをF-スポットと連携使用して、写真の整理、管理を行うことができます。

  1. エクスポートする写真を選択します。

  2. 写真+エクスポート+Webギャラリーの順にクリックします。

    [Webギャラリーにエクスポート]ダイアログボックス
  3. 画像をエクスポートするギャラリーを選択するか、追加をクリックして新しいギャラリーを追加します。

    F-スポットは、指定されたWeb上のギャラリーとの接続を確立します。

  4. 画像をエクスポートするアルバムを選択し、画像のサイズと向きを自動的に設定するかどうかを指定し、タイトルとコメントをエクスポートします。

  5. エクスポートをクリックします。

19.6.2. 写真のCDへのエクスポート

  1. CDに書き込む写真を選択します。

  2. 写真+エクスポート+CDの順にクリックして、エクスポートをクリックします。

    F-スポットはファイルをコピーし、書き込むダイアログを開きます。問題が生じた場合は、イメージファイルの場所ダイアログからISOファイルを書き込もうと試みるだけです。書き込みをクリックして操作を確認します。

    [ディスク書き込み先]ダイアログボックス
  3. 画像ディスクの名前を入力し、書き込み速度を選択します。

  4. Writeをクリックして、CDの書き込み処理を開始します。

19.6.3. 写真のフォルダへのエクスポート

  1. エクスポートする写真を選択します。

  2. 写真+エクスポト+フォルダの順にクリックします。

    [フォルダにエクスポート]ダイアログボックス
  3. 次のエクスポート方法から選択します。

    スタンドアロンのWebギャラリーを作成:  写真をWebサイトにエクスポートし、アップロード準備を行います。

    ファイルのみ保存:  ディレクトリ内に写真をファイルとして保存します。ギャラリーにはアップロードしません。

    オリジナルを使ってギャラリーを作成:  Jakub Steiner氏のOriginal Photo Galleryソフトウェアで使用できるように、写真をエクスポートします。

  4. エクスポートをクリックします。

19.6.4. SmugMug、Flickr、23hq、Zooomr、またはPicasa Web Albumsのアカウントへのコピー

23hqFlickrPicasa Web AlbumSmugMug、またはZooomrを使用している場合、F-スポットを使ってアカウントにファイルを投稿することができます。

  1. エクスポートする写真を選択します。

  2. 写真エクスポート先>をクリックして、推奨されるアカウントを選択します。

  3. [エクスポート]ダイアログボックスで、適切なオプションを設定します。

    [エクスポート]ダイアログボックスに表示されるオプションは、エクスポート先アカウントの種類によって異なります。たとえば、Flicrおよび23hqの場合は、写真をアップロードするために認証が必要です。そのためには、オーソライズをクリックしてWebブラウザを表示して、自分のアカウントにログインしてください。

  4. エクスポートをクリックします。

19.7. 基本的な写真の編集

F-スポットには、クロップ、赤目軽減、および色や明度の調整など、画像を編集するためのさまざまな基本機能が用意されています。

写真を編集する際には、新しいコピー(バージョン)が作成されます。元の写真は変更されません。最初に写真を修整した時に作成されたジーはジョンが、その後の編集でも使われます。写真のバージョンを複数作成する場合は(異なるクロッピングや色修正を行う場合など)、写真+新しいバージョンの作成の順にクリックします。写真のオリジナルのバージョンを表示するには、写真+バージョン+オリジナルの順にクリックします。

  1. 編集する写真を選択します。

  2. 編集モードに移行するには、ツールバーの画像の編集アイコンをクリックするか、画像をダブルクリックするか、またはEnterキーを押します。

    F-スポット写真編集モード
  3. 左側のサイドバーのボタンまたは編集メニューのエントリを使用して、次の編集機能から選択を行います。

    機能

    説明

    クロップ

    画像をクロッピングして、写真のバランスを改善することができます。写真をクロップするには、写真上の残しておきたい領域を選択します。写真を特定のプリントサイズに必要な寸法に合わせるために、制約ドロップダウンリストからさまざまな条件を選択することができます。詳細は、赤目補正機能の説明を参照してください。

    設定が完了したら、写真の下にあるクロップアイコンをクリックすると、クロップ処理が完了します。オリジナルの写真に対して作業を行っている場合、クロップにより新しいバージョンが作成されます。

    赤目軽減

    写真の赤目を補正するには、赤目のある領域を選択してください。赤目の部分を正しく選択するために、画像を拡大することもできます。ある人物の両目を同時に補正したり、複数の人々の赤目を同時に補正することができます。うまく選択できなかった場合、または選択した領域に他の赤色(唇など)が含まれてしまう場合は、赤目を1つずつ補正してください。

    領域を選択するには、目的の領域の片方の角をクリックして、ドラッグしながら領域を選択し、適切な範囲を選択できたらボタンを離します。選択領域の端をドラッグしてサイズを変更したり、領域の中央をクリックして任意の場所にドラッグしながら領域を移動することができます。

    領域を選択した後に、写真の下にある赤目補正アイコンをクリックすると、赤目が補正されます。

    彩度を減らす

    写真を白黒に変換します。

    セピア調

    写真をセピアトーンに変換します。

    傾き補正

    傾き補正は、三脚を使わずに撮影した写真など、対象物が傾いて写ってしまった写真の傾きを修正するような場合に役立ちます。このツールは写真を指定された角度だけ回転し、その画像を適切な形になるよう自動的にクロッピングします。

    ソフトフォーカス

    ある領域を強調したり、興味を惹かせるための方法として、写真のある領域をシャープにしながら、残りの領域をぼやかすことができます。ソフトフォーカス効果は、前面からの短距離撮影を行って、対象物の背景をぼかすことができるレンズをエミュレートしています。

    焦点を合わせる領域の中央を選択し、次に写真の下にあるソフトフォーカスアイコンをクリックしてください。ぼやかす程度を調整したら、適用をクリックします。

    自動カラー

    自動的に色レベルを調整し、バランスのとれた色彩の写真を作成します。自動ホワイトバランスで撮影された写真に最適です。この機能を利用するには、色を自動的に調節しますアイコンをクリックします。

    色の調整

    明度、コントラスト、および写真の色を調整するには、写真の色の調整をクリックします。必要に応じて設定を変更して、OKをクリックします。

    時間の調整

    この機能を利用するには、編集+時間の調整の順にクリックします。日付と時間を調整し、OKをクリックします。

    Sharpen

    この機能を利用するには、編集+シャープの順にクリックします。必要に応じて半径、およびしきい値を調節し、OKをクリックします。

    コメント

    写真に説明やコメントを追加するには、写真の下にあるテキスト入力ボックスをクリックして、文字列を入力してください。

  4. (オプション)別の写真を編集する場合は、右のツールバーにある矢印キーを使って新しい写真に切り替えることができます。

  5. 編集モードを終了するには、ツールバーの参照をクリックしてください。

[Tip]

GIMPでは、プロフェッショナルな画像編集も行えます。詳細については、第17章 GIMP:グラフィックの操作を参照してください。

19.8. 写真の共有

次のいずれかの方法を使って、F-スポットで写真を共有することができます。どちらの方法でも、選択した写真のみが共有されます。

19.8.1. 写真を電子メールで送信する

F-スポットから直接写真を電子メールすることができます。写真は元のサイズで送信することも、サイズを変更することもできます。

  1. 電子メールする写真を選択します。

  2. 写真+Send by Mail(メールで送信)をクリックします。

    F-スポット[メールの作成]ダイアログボックス
  3. 写真のサイズを選択します。

  4. メールの作成をクリックします。

    デフォルトの電子メールプログラムが起動し、新しい電子メールメッセージに写真が添付されます。

19.8.2. 写真を印刷する

  1. 印刷する写真を選択します。

  2. 写真+印刷の順にクリックします。

    F-スポット[写真の印刷]ダイアログボックス
  3. 使用プリンタや用紙の向きなど、適切な印刷オプションを選択したら、印刷をクリックします。

19.9. 設定ダイアログ

写真+設定の順にクリックして、F-Spotの設定ダイアログを開きます。

F-Spotの設定

設定ダイアログで、インポートした写真を格納する場所、タグ、カラープロファイル、およびF-スポットの外観を格納する場所を設定できます。

19.10. 詳細情報

F-Spotのホームページ(http://f-spot.org/)を参照してください。


SUSE Linux Enterprise Desktop アプリケーションガイド 11 SP4