概要
GIMP(GNU Image Manipulation Program)は、ラスタグラフィックスの作成と編集を行うためのプログラムです。ほとんどの面で、その機能はAdobe Photoshopや他の市販プログラムに匹敵するレベルにあります。写真のサイズ変更とレタッチ、Webページ用のグラフィックスの作成、カスタムCDのカバーの作成、その他さまざまなグラフィックスプロジェクトにGIMPを活用することができます。また、アマチュアとプロフェッショiル両方のニーズを満たすことができます。
Linuxの他の多くのプログラムと同様、GIMPは、作業時間と作成したコードをプロジェクトに提供している、世界中にいるボランティア開発者の共同作業により開発されています。このプログラムは今も継続的に開発が進められているため、使用中のに付属しているバージョンが、ここで説明されているバージョンとはわずかに異なっている可能性もあります。個別のウィンドウや、ウィンドウ内のセクションのレイアウトは、特に違いが生じやすい箇所です。
GIMPは、非常に複雑なプログラムです。この章で説明するのは、限られた範囲の機能、ツール、およびメニュー項目です。このプログラムの詳細情報については、19.7項 「詳細情報」を参照してください。
グラフィックには主に、ラスタとベクタという2つのタイプがあります。GIMPはラスタグラフィックの使用を目的として作成されています。ラスタはデジタル写真やスキャンしたイメージの標準的な形式です。ラスタ画像はピクセルという色の付いた小さな点の集まりであり、それらの集合体が画像全体を形成しています。高解像度の画像には多数のピクセルが含まれているため、画像ファイルのサイズは大きくなりがちです。また、画質を低下させることなくピクセル画像のサイズを大きくすることはできません。GIMPは、JPEG、PNG、GIF、BMP、TIFFなど、ラスタグラフィックの一般的な形式をすべてサポートします。
ラスタグラフィックと異なり、ベクタグラフィックは個々の点すべてに関する情報を格納しているわけではありません。代わりに、点、直線、曲線、ポリゴンなどの図形プリミティブを使用します。ベクトル画像は非常に簡単に拡大縮小でき、画像ファイルはより小さくなります。ベクトルグラフィックスの欠点は、写真のようなさまざまな色を含む複雑な画像を表現することに適していないことです。ベクタグラフィックには、Inkspaceなどの特殊アプリケーションが多数あります。GIMPでは、ベクタグラフィックのサポートは非常に限定されています。たとえば、GIMPはベクタグラフィックをSVG形式で開いてラスタ化したり、ベクタパスを操作したりします。
GIMP 2.6は、依然として制限された色空間しかサポートしません。1チャネルあたり8ビット(アルファチャネルを持たないRGB画像では1ピクセルあたり24ビット)のインデックス付き画像およびグレースケール画像またはRGB画像をサポートします。多くのハイエンドデジタルカメラで、より大きな色深度の画像ファイルを作成できます。GIMPにこうした画像をインポートすると、一部の色情報が失われます。