YaSTによるネットワーク接続の設定

Linuxでは多くのタイプのネットワーク接続がサポートされています。その多くは、異なるデバイス名と、ファイルシステム内の複数の場所に分散した設定ファイルを使用しています。手動によるネットワーク設定のさまざまな面についての詳細は、20.6項 「ネットワークの手動環境設定」を参照してください。

NetworkManagerがデフォルトでアクティブなSUSE Linux Enterprise Desktop上では、すべてのネットワークカードが設定されます。NetworkManagerがアクティブでない場合は、リンクアップしている(つまり、ネットワークケーブルが接続している)最初のインタフェースだけが自動的に設定されます。インストール済みのシステムには、付加的なハードウェアを設定することができます。以下のセクションでは、SUSE Linux Enterprise Desktopがサポートするすべてのタイプのネットワーク接続について、その設定方法を説明します。

YaSTでのネットワークカードの設定;

YaSTで無線/有線ネットワークカードを設定するには、ネットワークデバイス+ネットワーク設定の順に選択します。モジュールの開始後に、YaSTはネットワーク設定ダイアログを表示します。ダイアログにはグローバルオプション概要ホスト名/DNS、およびルーティングの4つのタブがあります。

グローバルオプションタブでは、NetworkManager、IPv6、一般的なDHCPオプションの使用など、一般的なネットワークオプションを設定できます。詳細については、20.4.1.1項 「グローバルネットワークオプションの設定」を参照してください。

概要タブには、インストールされたネットワークインタフェースと環境設定に関する情報が含まれています。正しく検出されたネットワークカードの名前が表示されます。このダイアログでは、手動で新しいカードを設定し、それらの設定内容を削除または変更できます。自動検出されなかったカードを手動で設定する場合は、20.4.1.3項 「検出されないネットワークカードの設定」を参照してください。すでに設定済みのカードの設定を変更する場合については、20.4.1.2項 「ネットワークカードの設定の変更」を参照してください。

ホスト名/DNSタブでは、マシンのホスト名を設定し、使用サーバに名前を付けることができます。詳細については、20.4.1.4項 「ホスト名とDNSの設定」を参照してください。

ルーティングタブは、ルーティングの設定で使用します。詳細については、20.4.1.5項 「ルーティングの設定」を参照してください。

図20.3 ネットワーク設定の実行

ネットワーク設定の実行

グローバルネットワークオプションの設定

YaSTネットワーク設定モジュールのグローバルオプションタブを使用して、NetworkManager、IPv6およびDHCPのクライアントオプションの使用など、重要なグローバルネットワークオプションを設定できます。この設定は、すべてのネットワークインタフェースに適用されます。

ネットワークのセットアップ方法では、ネットワーク接続を管理する方法を選択します。NetworkManagerデスクトップアプレットですべてのインタフェースの接続を管理する場合は、NetworkManagerでユーザを制御を選択します。このオプションは、複数の有線ネットワークおよび無線ネットワーク間の切り替えに適しています。デスクトップ環境(GNOMEまたはKDE)を実行しない場合、またはコンピュータがXenサーバ(仮想システム)であるか、ネットワーク内でDHCPやDNSなどのネットワークサービスを提供する場合は、ifupを使用した従来の方法を使用します。NetworkManagerを使用する場合は、nm-appletを使用して、ネットワークオプションを設定する必要があります。ネットワーク設定モジュールのタブである概要ホスト名/DNS、およびルーティングは無効になります。NetworkManagerの詳細については、第23章 NetworkManagerの使用を参照してください。

IPv6プロトコル設定で、IPv6プロトコルを使用するかどうかを選択します。IPv4とともにIPv6を使用できます。デフォルトでは、IPv6が選択されています。ただし、IPv6プロトコルを使用しないネットワークでは、IPv6プロトコルを無効にした方が応答時間がより短くなる場合があります。IPv6を無効にする場合は、IPv6を有効にするオプションをオフにします。これにより、IPv6のカーネルモジュールの自動ロードが無効になります。これは、再起動後に適用されます。

DHCPクライアントオプションでは、DHCPクライアントのオプションを設定します。常にその応答をブロードキャストするようにサーバに要求することをDHCPクライアントに求める場合は、ブロードキャスト応答の要求をオンにします。この機能は、マシンが異なるネットワーク間を移動する場合に必要になることがあります。DHCPクライアントIDは、単一ネットワーク上の各DHCPクライアントで異なる必要があります。空白のままにした場合は、デフォルトでネットワークインタフェースのハードウェアアドレスになります。ただし、同じネットワークインタフェース、したがって同じハードウェアアドレスを使用して複数の仮想マシンを実行している場合は、ここで自由形式の固有識別子を指定します。

送信するホスト名では、dhcpcdがDHCPサーバにメッセージを送信するときに、ホスト名オプションフィールドで使用される文字列を指定します。一部のDHCPサーバでは、このホスト名(ダイナミックDNS)に応じて、ネームサーバゾーン(順レコードおよび逆レコード)を更新します。また一部のDHCPサーバでは、クライアントからのDHCPメッセージで、送信するホスト名オプションフィールドに特定の文字列が含まれることが必要です。現在のホスト名(/etc/HOSTNAMEで定義されたホスト名)を送信する場合は、[自動]のままにします。ホスト名を送信しない場合は、このオプションフィールドを空のままにします。DHCPからの情報に従ったデフォルトのルートを変更しない場合は、Change Default Route via DHCPをオフにします。

ネットワークカードの設定の変更

ネットワークカードの設定を変更するには、YaSTのネットワーク設定+概要で検出されたカードのリストから目的のカードを選択し、編集をクリックします。ネットワークカードの設定ダイアログが表示されます。このダイアログの一般アドレス、およびハードウェアタブを使用してカードの設定を変更します。無線カードの設定については、17.5項 「YaSTでの設定」を参照してください。

IPアドレスの設定

Network Card Setupダイアログのアドレスタブで、ネットワークカードのIPアドレス、またはそのIPアドレスの決定方法を設定できます。IPv4およびIPv6の両アドレスがサポートされます。ネットワークカードは、IPアドレスなし(ボンドデバイスで有用)の場合や、静的に割り当てられたIPアドレス(IPv4またはIPv6)、あるいはDHCPまたはZeroconfのいずれかまたは両方を経由して割り当てられる動的アドレスを持つ場合もあります。

Dynamic Addressを使用する場合は、DHCP Version 4 Only(IPv4の場合)、DHCP Version 6 Only(IPv6の場合)、またはDHCP Both Version 4 and 6のいずれを使用するかを選択します。

可能であれば、インストール時に利用可能なリンクを持つ最初のネットワークカードがDHCPによる自動アドレス設定を使用するように自動的に設定されます。NetworkManagerがデフォルトでアクティブなSUSE Linux Enterprise Desktop上では、すべてのネットワークカードが設定されます。

DSL回線を使用していてISP(Internet Service Provider)からスタティックIPが割り当てられていない場合も、DHCPを使用する必要があります。DHCPを使用することを選択する場合は、YaSTネットワークカード設定モジュールのネットワーク設定ダイアログにあるグローバルオプションタブのDHCPクライアントオプションで詳細を設定します。常にその応答をブロードキャストするようにサーバにDHCPクライアントが要求するかどうかをブロードキャスト応答の要求で指定します。このオプションは、マシンがネットワーク間を移動するモバイルクライアントである場合に必要になることがあります。さまざまなホストが同じインタフェースを介して通信するようにバーチャルホストがセットアップされている場合は、各ホストの識別にDHCPクライアントIDが必要になります。

DHCPは、クライアント設定には適していますが、サーバ設定には適していません。静的なIPアドレスを設定するには、以下の手順に従ってください。

  1. YaSTネットワークカード設定モジュールの概要タブの検出されたカード一覧から目的のカードを選択し、編集をクリックします。

  2. アドレスタブで、Statically Assigned IP Addressを選択します。

  3. IPアドレスを入力します。IPv4およびIPv6の両アドレスを使用できます。サブネットマスクにネットワークマスクを入力します。IPv6アドレスが使用されている場合は、フォーマット/64のプレフィックス長に対するサブネットマスクを使用します。

    オプションで、このアドレスの完全修飾ホスト名を入力できます。このホスト名は、/etc/hosts設定ファイルに書き込まれます。

  4. 次へをクリックします。

  5. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

静的アドレスを使用する場合、ネームサーバとデフォルトゲートウェイは、自動的には設定されません。ネームサーバを設定するには、20.4.1.4項 「ホスト名とDNSの設定」に従って手順を進めます。ゲートウェイを設定するには、20.4.1.5項 「ルーティングの設定」に従って手順を進めます。

エイリアスの設定

1台のネットワークデバイスに、複数のIPアドレスを割り当てることをできます。追加するIPアドレスは、エイリアスと呼ばれます。

[Note]エイリアスは互換機能です

これらのいわゆるエイリアスresp. labelsは、IPv4でのみ動作します。IPv6では、無視されます。iproute2ネットワークインタフェースを使用する場合、1つ以上のアドレスを持つことができます。

YaSTを使用してネットワークカードにエイリアスを設定するには、次の手順に従います。

  1. YaSTネットワークカード設定モジュールの概要タブの検出されたカード一覧から目的のカードを選択し、編集をクリックします。

  2. アドレス+追加アドレスタブで、追加をクリックします。

  3. エイリアス名IPアドレス、およびネットマスクに適切な値を入力します。エイリアス名にはインタフェースを含めないでください。

  4. OKをクリックします。

  5. 次へをクリックします。

  6. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

デバイス名およびUdevルールの変更

ネットワークカードのデバイス名が使用されている場合、ネットワークカードのデバイス名を変更できます。また、ハードウェア(MAC)アドレスまたはバスIDを介してudevによりネットワークカードを識別するかどうかを選択できます。大型のサーバでは、カードのホットスワッピングを容易にするために後者のオプションが適しています。YaSTを使ってこうしたオプションを設定するには、次の手順に従います。

  1. YaSTネットワーク設定モジュールの概要タブの検出されたカード一覧から目的のカードを選択し、編集をクリックします。

  2. ハードウェアタブを開きます。現在のデバイス名がUdevルールに表示されます。変更をクリックします。

  3. udevでMACアドレスまたはバスIDによりカードを識別するかどうかを選択します。カードの現在のMACアドレスおよびバスIDがダイアログに表示されます。

  4. デバイス名を変更するには、Change Device Nameオプションをオンにし、名前を編集します。

  5. OKおよび次へをクリックします。

  6. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

ネットワークカードカーネルドライバの変更

一部のネットワークカードには、複数のカーネルドライバを使用できます。カードがすでに設定されている場合は、YaSTで利用可能で適切なドライバのリストから、使用するカーネルドライバを選択できます。また、カーネルドライバのオプションを指定することもできます。YaSTを使ってこうしたオプションを設定するには、次の手順に従います。

  1. YaSTネットワークカード設定モジュールの概要タブの検出されたカード一覧から目的のカードを選択し、編集をクリックします。

  2. ハードウェアタブを開きます。

  3. モジュール名で、使用するカーネルドライバを選択します。選択したドライバのオプションを、オプションoption=valueの形式で入力します。他にもオプションを使用する場合は、スペースで区切る必要があります。

  4. OKおよび次へをクリックします。

  5. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

ネットワークデバイスの有効化

ifupを使った従来の方法を使用している場合、デバイスをブート時、ケーブル接続時、カード検出時、または手動で起動するように設定したり、起動しないように設定することができます。デバイスの起動方法を変更するには、以下の手順に従ってください。

  1. YaSTで、ネットワークデバイス+ネットワーク設定で検出されたカードの一覧からカードを選択し、編集をクリックします。

  2. 一般タブのデバイスの起動から、適切な項目を選択します。

    システムブート中にデバイスを起動するには、ブート時を選択します。ケーブル接続時では、インタフェースで物理接続が存在するかどうかが監視されます。ホットプラグ時では、インタフェースは可能な限り早急に設定されます。これは、ブート時オプションに似ていますが、インタフェースがブート時に存在しない場合にエラーが発生しない点のみが異なります。ifupでインタフェースを手動で制御する場合は、[手動]を選択します。デバイスを全く起動しない場合は、起動しないを選択します。NFSrootオンブート時に似ていますが、インタフェースはrcnetwork stopコマンドではシャットダウンしません。このオプションは、nfsまたはiscsiのルートファイルシステムを使用する場合に選択します。

  3. 次へをクリックします。

  4. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

通常、システム管理者のみがネットワークインタフェースを有効および無効にできます。いずれかのユーザがKInternetによりこのインタフェースを有効化できるようにする場合は、Enable Device Control for Non-root User via Kinternetを選択します。

最大転送単位サイズの設定

インタフェースの最大転送単位(MTU)を設定できます。MTUでは、最大許容パケットサイズ(バイト)を参照します。MTUが大きいと、帯域幅の効率が高くなります。ただし、パケットが大きくなると、低速なインタフェースの処理がしばらく阻止され、以降のパケットの遅延が増加する場合があります。

  1. YaSTで、ネットワークデバイス+ネットワーク設定で検出されたカードの一覧からカードを選択し、編集をクリックします。

  2. 一般タブのSet MTUリストから、適切な項目を選択します。

  3. 次へをクリックします。

  4. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

ファイアウォールの設定

項 「Configuring the Firewall with YaST」 (第15章 Masquerading and Firewalls, ↑Security Guide (セキュリティガイド))で説明しているような詳細なファイアウォール設定を行わずに、デバイスに基本的なファイアウォールを設定することができます。次の手順に従います。

  1. YaSTネットワークデバイス+ネットワーク設定モジュールを開きます。概要タブで、検出されたカードの一覧からカードを選択し、編集をクリックします。

  2. ネットワーク設定ダイアログの一般タブを表示します。

  3. インタフェースを割り当てるファイアウォールゾーンを指定します。次のオプションを指定できます。

    Firewall Disabled

    このオプションは、ファイアウォールが無効であり、ファイアウォールがまったく実行しない場合にのみ利用可能です。コンピュータが、外部ファイアウォールにより保護されている、より規模の大きいネットワークに接続している場合にのみ、このオプションを使用してください。

    自動割り当てゾーン

    このオプションは、ファイアウォールが有効になっている場合のみ、利用できます。ファイアウォールが実行中であり、インタフェースがファイアウォールゾーンに自動的に割り当てられます。こうしたインタフェースには、anyキーワードを含むゾーンまたは外部ゾーンが使用されます。

    内部ゾーン(未保護)

    ファイアウォールを実行しますが、このインタフェースを保護するルールは使いません。コンピュータが、外部ファイアウォールにより保護されている、より規模の大きいネットワークに接続している場合に、このオプションを使用してください。また、マシンに追加ネットワークインタフェースが存在する場合、内部ネットワークに接続するインタフェースで使用できます。

    非武装地帯(DMZ)

    非武装地帯ゾーンは、内部ネットワークと(悪意のある)インターネットとの中間にあたるゾーンです。このゾーンに割り当てられたホストは、内部ネットワークおよびインターネットからアクセスされますが、ホストから内部ネットワークにアクセスすることはできません。

    外部ゾーン

    このインタフェースでファイアウォールを実行し、(危険な可能性のある)他のネットワークトラフィックからインタフェースを保護します。これはデフォルトの設定です。

  4. 次へをクリックします。

  5. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

検出されないネットワークカードの設定

カードは適切に検出されない場合があります。このような場合、検出されたカードのリストに、そのカードは表示されません。システムにそのカード用のドライバが間違いなく含まれている場合は、そのようなカードを手動で設定することができます。特殊なネットワークデバイスタイプ(ブリッジ、ボンド、TUN、TAPなど)も設定できます。未検出のネットワークカードまたは特殊なデバイスを設定するには、次の手順に従います。

  1. YaSTのネットワークデバイス+ネットワーク設定+概要ダイアログで追加をクリックします。

  2. ハードウェアダイアログで、使用可能なオプションからインタフェースのデバイスの型環境設定名を設定します。ネットワークカードが、PCMCIAデバイスかUSBデバイスの場合、それぞれのチェックボックスを選択して、次へをクリックしダイアログを終了します。それ以外の方法では、必要に応じて、カードとそのオプションで使用されるカーネルのモジュール名を定義できます。

    Ethtoolオプションでは、インタフェースのifupにより使用されるethtoolオプションを設定できます。使用可能なオプションについては、ethtoolマニュアルページを参照してください。オプション文字列が - で始まる場合(たとえば-K interface_name rx on)、文字列内の2番目の単語が現在のインタフェースの名前に置換されます。それ以外の場合(たとえばautoneg off speed 10)、-s interface_nameの前にifupが追加されます

  3. 次へをクリックします。

  4. 一般アドレス、およびハードウェアタブで、インタフェースのIPアドレス、デバイス起動方法、ファイアウォールゾーンなどの必要なオプションを設定します。環境設定オプションの詳細については、20.4.1.2項 「ネットワークカードの設定の変更」を参照してください。

  5. インタフェースのデバイスタイプとして、ワイヤレスを選択した場合は、次のダイアログで無線接続の設定を行います。無線デバイスの設定方法の詳細は、第17章 無線LANを参照してください。

  6. 次へをクリックします。

  7. ネットワーク設定を有効にするには、OKをクリックします。

ホスト名とDNSの設定

有線ネットワークカードがすでに利用できる状態で、インストール時にネットワーク設定を変更しなかった場合、コンピュータのホスト名が自動的に生成され、DHCPが有効になります。また、ホストがネットワークに参加するために必要なネームサービス情報も自動的に生成されます。ネットワークアドレス設定にDHCPを使用している場合は、ドメインネームサーバのリストは自動的に記入されます。静的設定を利用する場合は、これらの項目を手動で設定してください。

コンピュータ名を変更し、ネームサーバの検索リストを修正するには、以下の手順に従ってください。

  1. YaST内のネットワークデバイスモジュールのネットワーク設定+ホスト名/DNSタブに移動します。

  2. ホスト名にホスト名を入力し、必要に応じてドメイン名にドメイン名を入力します。マシンがメールサーバである場合、ドメインは特に重要です。ホスト名はグローバルであり、すべての設定ネットワークインタフェースに適用されることに注意してください。

    IPアドレスを取得するためにDHCPを使用している場合、DHCPによりコンピュータのホスト名が自動的に設定されます。異なるネットワークに接続する場合は、異なるホスト名が割り当てられることがあり、ランタイムにホスト名が変更されるとグラフィックデスクトップが混同される可能性があるので、この機能を無効にした方が良い場合もあります。DHCPを使用したIPアドレスの取得を無効にするには、DHCPでホスト名を変更するをオフにします。

    ホスト名をループバックIPに割り当てるでは、ホスト名を/etc/hosts内の127.0.0.2(loopback)IPアドレスに関連付けます。アクティブネットワークが存在しないときでも常に解決可能なホスト名を必要とする場合に有用なオプションです。

  3. Modify DNS Configurationでは、DNS設定(ネームサーバ、検索リスト、/etc/resolv.confファイルの内容)を変更する方法を選択します。

    Use Default Policyオプションを選択した場合、(DHCPクライアントまたはNetworkManagerから)動的に取得されたデータと、(YaSTまたは設定ファイルで)静的に定義されたデータをマージするnetconfigスクリプトにより設定が処理されます。ほとんどの場合、デフォルトのポリシーで十分です。

    手動でのみオプションを選択した場合、netconfigでは/etc/resolv.confファイルを変更できません。ただし、このファイルは手動で編集できます。

    Custom Policyオプションを選択した場合、マージポリシーを定義するCustom Policy Rule文字列を指定する必要があります。この文字列は、設定の有効なソースとみなされるインタフェース名のカンマで区切られたリストから構成されます。完全なインタフェース名を除いて、複数のインタフェースに一致する基本的なワイルドカードを使用することもできます。たとえばeth* ppp?は、先頭がethであり、以降にppp0-ppp9を含むすべてのインタフェースが対象になります。/etc/sysconfig/network/configファイルで定義された静的な設定を適用する方法を示す次の2つの特別なポリシー値が存在します。

    STATIC

    静的な設定は、動的な設定とマージされる必要があります。

    STATIC_FALLBACK

    静的な設定は、ダイナミックコンフィギュレーションが利用可能でない場合に限り使用されます。

    詳細については、man 8 netconfigを参照してください。

  4. ネームサーバおよびドメイン検索リストに入力します。ネームサーバは、ホスト名ではなく、192.168.1.116などのIPアドレスにより指定する必要があります。ドメイン検索タブで指定した名前は、ドメインが指定されていないホスト名の解決のために使用されるドメイン名です。複数のドメイン検索を使用する場合は、カンマまたは空白でドメインを区切ります。

  5. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

ルーティングの設定

コンピュータを他のコンピュータやネットワークと通信させるには、ネットワークトラフィックが正しい経路を通過するように、ルーティング情報を設定する必要があります。DHCPを使用している場合、この情報は自動的に設定されます。静的アドレスを使用する場合は、このデータを手作業で追加する必要があります。

  1. YaSTで、ネットワーク設定+ルーティングの順に移動します。

  2. デフォルトゲートウェイのIPアドレス(必要に応じてIPv4およびIPv6)を入力します。デフォルトゲートウェイは、すべての宛先に一致しますが、必要なアドレスに一致する他のエントリが存在する場合は、デフォルトルートの代わりにそのエントリが使用されます。

  3. ルーティングテーブルには、さらに追加エントリを入力できます。宛先のネットワークIPアドレス、ゲートウェイのIPアドレス、およびネットマスクを入力します。定義されたネットワークにトラフィックがルーティングされるデバイスを選択します(マイナス記号はデバイスを表わします)。このいずれかの値を省略する場合は、マイナス記号(-)を使用します。デフォルトゲートウェイをテーブルに入力するには、宛先フィールドをdefaultのままにします。

    [Note]

    追加のデフォルトルートが使用されている場合、より高い優先度を持つルートを決定するためのメトリックオプションを指定できます。メトリックオプションを指定するには、オプション- metric番号を入力します。最も高いメトリックを持つルートがデフォルトとして使用されます。ネットワークデバイスが切断している場合は、そのルートが削除され、次のルートが使用されます。ただし、現在のカーネルは静的なルーティングでメトリックを使用せず、multipathdなどのルーティングデーモンのみがメトリックを使用します。

  4. システムがルータである場合は、ネットワーク設定IP転送を有効にするオプションをオンにします。

  5. 環境設定を有効にするには、OKをクリックします。

モデム

YaSTコントロールセンターで、ネットワークデバイス+モデムの順に選択して、モデム設定にアクセスします。モデムが自動的に検出されなかった場合は、モデムデバイスタブに移動し、手動設定用のダイアログを追加のクリックで開きます。モデムデバイスに、モデムの接続先インタフェースを入力します。

[Tip]CDMAおよびGPRSモデム

YaSTのモデムモジュールを使って、通常のモデムの設定と同様に、サポートするCDMAおよびGPRSモデムを設定します。

図20.4 モデム設定

モデム設定

構内交換機(PBX)経由で接続している場合は、ダイヤルプレフィックスの入力が必要な場合があります。通常、このプレフィックスは0 (ゼロ)です。PBX付属の指示書で確認してください。また、トーンダイヤル方式とパルスダイヤル方式のどちらを使用するか、スピーカをオンにするかどうか、およびモデムをダイヤルトーンの検出まで待機させるかどうかも選択します。モデムが交換機に接続されている場合、後者のオプションは無効です。

詳細で、ボーレートとモデムの初期化文字列を設定します。これらの設定は、モデムが自動検出されなかった場合、またはデータ転送を動作させるために特殊な設定が必要な場合にのみ変更してください。これは、主にISDN端末アダプタを使用する場合です。OKをクリックしてこのダイアログを閉じます。モデムの制御権をroot権限のない通常のユーザに委任するには、Enable Device Control for Non-root User via Kinternetを有効にします。このようにすると、管理者権限のないユーザがインタフェースを有効化または無効化できるようになります。Dial Prefix Regular Expressionには、正規表現を指定します。この正規表現とKInternetで設定するダイヤルプレフィックスが一致する必要があります。このフィールドを空のままにした場合、管理者権限のないユーザはダイヤルプレフィックスを変更できません。

次のダイアログで、ISPを選択します。事前定義済みの国内ISPリストから選択するには、を選択します。または、新規をクリックしてダイアログを開き、独自ISPのデータを入力します。これには、ダイヤルアップ接続名、ISP名、ISPから提供されるログインとパスワードが含まれます。接続するたびにパスワードを要求させるには、常にパスワードを要求するを選択します。

最後のダイアログでは、次のようにその他の接続オプションを指定できます。

必要に応じてダイヤルする

ダイヤルオンデマンドを有効にする場合は、ネームサーバを少なくとも1つ指定します。インターネットに定期的にデータを要求するプログラムが存在するために、インターネット接続が低コストである場合にのみこの機能を使用します。

接続時にDNSを変更する

このオプションはデフォルトでオンになっていて、インターネットに接続するたびにネームサーバアドレスが更新されます。

自動でDNS情報を取得

接続後にプロバイダからドメインネームサーバの情報が送信されない場合は、このオプションをオフにしてDNSの情報を手動で入力します。

Automatically Reconnect

このオプションが有効である場合、障害の後で接続が自動的に再確立されます。

ドライブを無視する

このオプションは、ダイヤルアップサーバからのプロンプトの検出を無効にします。接続の構成が低速であるか、まったく機能しない場合は、このオプションを試みてください。

外部ファイアウォールインタフェース

このオプションを選択すると、ファイアウォールが有効になり、インタフェースが外部として設定されます。このようにして、インターネット接続時に外部からの攻撃から保護されます。

アイドルタイムアウト(秒)

このオプションでは、ネットワークがアイドル状態になってからモデムが自動的に切断されるまでの時間を指定します。

IP Details(IP詳細設定)

このオプションを選択すると、アドレス設定ダイアログが開きます。ISPからホストにダイナミックIPアドレスが割り当てられていない場合は、ダイナミックIPアドレスを無効にして、ホストのローカルIPアドレスとリモートIPアドレスを入力します。この情報については、ISPにお問い合わせください。デフォルトルートは有効なままにし、OKを選択してダイアログを閉じます。

次へを選択すると、元のダイアログに戻り、モデム設定の概要が表示されます。OKをクリックしてこのダイアログを閉じます。

ISDN

このモジュールは、システムの1つ以上のISDNカードを設定します。YaSTによってISDNカードが検出されなかった場合は、ISDNデバイスタブで[追加をクリックして手動で選択してください。複数のインタフェースを設定することも可能ですが、1つのインタフェースに複数のISPを設定することも可能です。以降のダイアログでは、カードが正しく機能するために必要なISDNオプションを設定します。

図20.5 ISDNの設定

ISDNの設定

図20.5「ISDNの設定」に示すダイアログでは、使用するプロトコルを選択します。デフォルトは、Euro-ISDN (EDSS1)ですが、旧式または大型の交換機の場合は、1TR6を選択します。米国では、NI1を選択します。関連するフィールドで国を選択してください。隣接するフィールドに対応する国コードが表示されます。最後に、必要に応じて市外局番ダイヤルプレフィックス を入力します。すべてのISDNトラフィックをログに記録しない場合は、ISDN記録を開始するオプションをオフにします。

デバイスの起動は、ISDNインタフェースの起動方法を定義します。ブート時を選択すると、システムブート時にISDNドライバが毎回初期化されます。Manuallyを選択した場合は、rootとしてrcisdn startコマンドを実行して、ISDNドライバをロードする必要があります。On Hotplugは、PCMCIAやUSBデバイスに使用します。デバイスを装着したときにドライバがロードされます。これらの設定が完了したら、OKを選択します。

次のダイアログでは、ISDNカードのインタフェースタイプを指定し、既存のインタフェースにISPを追加します。インタフェースタイプには、SyncPPPまたはRawIPのどちらかを指定できますが、たいていのISPは、SyncPPPモードで運用しています。このモードについては後述します。

図20.6 ISDNインタフェースの設定

ISDNインタフェースの設定

自分の電話番号に入力する番号は、次の設定によって異なります。

電話線引出口に直接接続されたISDNカード

標準のISDN回線では、3つの電話番号を使用できます(MSN(multiple subscriber number)と呼ばれる)。加入者によっては、最大10個まである場合もあります。これらの電話番号の1つをここに入力します。ただし、市外局番は入力しないでください。間違った番号を入力すると、お使いのISDN回線に付与された最初のMSNが、電話交換手によって自動的に使用されます。

PBX (Private Branch Exchange)に接続されたISDNカード

この場合も、設定方法は設置された装置によって異なります。

  1. 小型のPBX (private branch exchanges)ではたいてい、内線通話にEuro-ISDN (EDSS1)プロトコルを使用します。これらの交換機にはS0バスが内蔵されており、交換機に接続された装置に内線番号を付与します。

    内線番号の1つをMSNとして使用してください。外線用に付与されたMSNの少なくとも1つは内線用に使用できるはずです。もし使用できない場合は、1つのゼロを試してください。詳細については、交換機付属のマニュアルを参照してください。

  2. ビジネス向けに設計された大型の交換機では通常、内線通話に1TR6プロトコルを使用します。このタイプの交換機に付与されるMSNはEAZと呼ばれ、通常直通番号に対応しています。Linuxでの設定では、EAZの最後の数字を入力するだけで十分なはずです。どうしてもうまくいかない場合は、1から9までの数字をすべて試してみてください。

次回の課金単位の直前に接続を切断するようにする場合は、ChargeHUP(課金HUP)を有効にします。ただし、このオプションはすべてのISPで使用できるわけではないため注意してください。チャネルバンドル(マルチリンクPPP)を有効にするオプションも用意されています。最後に、外部ファイアウォールインタフェースファイアウォールの再起動を選択して、使用している回線でファイアウォールを有効にします。管理者権限のない通常のユーザがインタフェースの有効化と無効化を行えるようにするには、Enable Device Control for Non-root User via Kinternetを選択します。

詳細を選択すると、詳細な接続方式を実装するためのダイアログが開きます。ただし、これらの設定は、通常の個人ユーザには不要です。OKをクリックしてDetailsダイアログを閉じます。

次のダイアログでは、IPアドレスを設定します。プロバイダからスタティックなIPアドレスを与えられていない場合は、ダイナミックIPアドレスを選択します。スタティックなIPアドレスを与えられている場合は、ISPの指示に従って、ホストのローカルIPアドレスとリモートIPアドレスを該当するフィールドに入力します。このインタフェースをインターネットへのデフォルトルートにする必要がある場合は、デフォルトルートを選択します。各ホストは、デフォルトルートとして設定されたインタフェースを1つだけ持つことができます。次へをクリックして次のダイアログに進みます。

次のダイアログでは、国を設定し、ISPを選択できます。リストに登録されているISPは、call-by-callプロバイダだけです。契約しているISPがリストに登録されていない場合は、新規を選択します。プロバイダパラメータダイアログが開き、契約しているISPの詳細な情報を入力できます。電話番号を入力するときは、各数字の間に空白やカンマを挿入しないように注意してください。最後に、ISPから提供されたログインIDとパスワードを入力します。入力したら、次へをクリックします。

スタンドアロンワークステーションでダイヤルオンデマンドを使用するには、ネームサーバ(DNSサーバ)も指定します。ほとんどのISPはダイナミックDNSをサポートしており、接続するたびにISPからネームサーバのIPアドレスが送信されます。ただし、単一ワークステーションの場合は、192.168.22.99のようなプレースホルダアドレスを入力してください。ISPがダイナミックDNSをサポートしていない場合は、ISPから提供されたネームサーバIPアドレスを入力します。必要に応じて、接続タイムアウト、すなわち、ネットワークがアイドル状態になってから接続を自動的に切断するまでの時間(秒)を指定します。次へをクリックすると設定が確定し、YaSTは、設定されたインタフェースの概要を表示します。これらの設定を有効にするには、OKを選択します。

ケーブルモデム

一部の国では、ケーブルテレビネットワークを介したインターネット接続が広く普及しています。ケーブルテレビ加入者は通常、モデムを貸与されます。このモデムは、ケーブルテレビの引出線とネットワークカード(10Base-TGより対線を使用)に接続して使用します。ケーブルモデムを接続すると、固定IPアドレスが付与されたインターネット専用接続が提供されます。

契約しているISPから、ネットワークカードを設定する際に、Dynamic AddressまたはStatically Assigned IP Addressのどちらかを選択するように指示があります。最近では、大半のプロバイダがDHCPを使用しています。スタティックなIPアドレスは、多くの場合、特殊なビジネス用アカウントの一部として提供されます。

ケーブルモデムの設定に関する詳細については、http://en.opensuse.org/SDB:Setting_Up_an_Internet_Connection_via_Cable_Modem_with_SuSE_Linux_8.0_or_Higherにある、サポートデータベースの記事を参照してください。

DSL

DSLデバイスを設定するには、YaSTのネットワークデバイスセクションからDSLモジュールを選択します。このモジュールは、次のいずれかのプロトコルに基づいてDSLリンクのパラメータを設定する複数のダイアログで構成されます。

  • PPP over Ethernet (PPPoE)

  • PPP over ATM (PPPoATM)

  • CAPI for ADSL (Fritz Cards)

  • ポイントツーポイントトンネリングプロトコル(PPTP)—オーストリア

DSLの環境設定の概要ダイアログのDSLデバイスタブに、インストール済みのDSLデバイスのリストが表示されます。DSLデバイスの設定を変更するには、リストでデバイスを選択し、編集をクリックします。追加をクリックすることで、新しいDSLデバイスを手動で設定できます。

PPPoEまたはPPTPに基づくDSL接続を設定するには、対応するネットワークカードが正しく設定されている必要があります。ネットワークカードをまだ設定していない場合は、はじめに、ネットワークカードの設定を選択してカードを設定してください(20.4.1項 「YaSTでのネットワークカードの設定;」参照)。DSLリンクの場合は、IPアドレスが自動的に割り当てられる場合もありますが、その場合でもDHCPは使用されません。そのため、Dynamic Addressオプションを有効にしないでください。その代わり、スタティックなダミーアドレス(192.168.22.1など)をインタフェースに入力します。サブネットマスクには、「255.255.255.0」を入力します。スタンドアロンのワークステーションを設定する場合は、デフォルトゲートウェイを空白のままにします。

[Tip]

IPアドレスサブネットマスクの値は単なるプレースホルダーです。これらはネットワークカードを初期化するために必要なだけであって、実際のDSLリンクを表しているわけではありません。

最初の[DSLの環境設定]ダイアログ(図20.7「DSLの設定」参照)で、まず、PPPモードと、DSLモデムが接続されるイーサネットカードを選択します(ほとんどの場合、eth0)。次に、Activate Deviceで、ブート時にDSLリンクを確立する必要があるかどうかを指定します。管理者権限のない通常のユーザがインタフェースの有効化と無効化を行えるようにするには、Enable Device Control for Non-root User via Kinternetを選択します。

次のダイアログでは、国とその国で提供されている多くのISPの1つを選択できます。以降のダイアログの詳細は、ここまでで設定したオプションによって異なるため、簡単に触れるだけにとどめておきます。各オプションの詳細については、各ダイアログのヘルプを参照してください。

図20.7 DSLの設定

DSLの設定

スタンドアロンワークステーションで必要に応じてダイヤルするを使用するには、ネームサーバ(DNSサーバ)も指定します。ほとんどのISPはダイナミックDNSをサポートしており、接続するたびにISPからネームサーバのIPアドレスが送信されます。ただし、単一ワークステーションの場合は、192.168.22.99のようなプレースホルダアドレスも入力する必要があります。ISPがダイナミックDNSをサポートしていない場合は、ISPのネームサーバIPアドレスを指定してください。

切断するまでのアイドル時間(秒数)には、ネットワークがアイドル状態になってからモデムを自動的に切断するまでの時間を指定します。タイムアウト値としては、60秒~300秒が妥当です。必要に応じてダイヤルするを無効にしている場合は、このタイムアウト値をゼロに設定して自動的に接続が切断されないようにしておきます。

T-DSLの設定はDSLの設定とほぼ同じです。プロバイダとしてT-Onlineを選択すると、T-DSL設定ダイアログが開きます。このダイアログで、T-DSLに必要な追加情報(ラインID、T-Online番号、ユーザコード、パスワードなど)を指定します。T-DSLに加入すると、プロバイダからこれらの情報がすべて提供されるはずです。