プリンタの運用

目次

12.1. 印刷システムのワークフロー
12.2. プリンタに接続するための方法とプロトコル
12.3. ソフトウェアのインストール
12.4. ネットワークプリンタ
12.5. コマンドラインからの印刷
12.6. での特殊機能SUSE Linux Enterprise Desktop
12.7. トラブルシューティング

SUSEŽ Linux Enterprise Desktopは、リモートネットワークプリンタも含め、さまざまな種類のプリンタを使った印刷をサポートしています。プリンタは手動、またはYaSTを使用して設定できます。設定の詳細については、項 「Setting Up a Printer」 (第5章 Setting Up Hardware Components with YaST, ↑Deployment Guide (導入ガイド))を参照してください。プリントジョブの開始、管理には、グラフィカルインタフェースまたはコマンドラインユーティリティの両方を利用できます。 プリンタが正常に動作しない場合は、12.7項 「トラブルシューティング」を参照してください。

CUPSは、SUSE Linux Enterprise Desktopでの標準的な印刷システムです。CUPSは、特にユーザ中心の構造(ユーザ志向の設計)です。多くの状況ではLPRngとの互換性があるか、比較的少ない作業で適応させることができます。LPRngは、互換性を維持する理由でのみ、SUSE Linux Enterprise Desktopに付属しています。

プリンタは、インタフェース(USB、ネットワークなど)と、プリンタ言語によって区別できます。プリンタの購入時には、プリンタにご利用のハードウェアで利用できるインタフェース(USBやパラレルポートなど)が搭載されていること、およびプリンタの対応言語が正しいことをご確認ください。プリンタは、次の3つのプリンタ言語クラスに基づいて分類できます。

PostScriptプリンタ

PostScriptは、LinuxとUnix環境のほとんどの印刷ジョブを生成する際に使用されるプリンタ言語であり、内部の印刷システムもこの言語を使用して処理を行います。この言語はかなり古いですが、非常に効率的です。使用中のプリンタがPostScriptドキュメントを直接処理でき、印刷システム側で追加のステージを使用して変換を行う必要がない場合、潜在的なエラーの原因の数が減少します。PostScriptプリンタは多額のライセンスコストの対象になるので、通常、これらのプリンタは、PostScriptインタプリタを内蔵しないプリンタよりコストが高くなります。

標準的なプリンタ(PCLおよびESC/Pなどの言語)

これらのプリンタ言語はかなり古いのですが、プリンタで新機能を実現するために、引き続き拡張が行われています。既知のプリンタ言語の場合、印刷システムはGhostscriptの支援により、PostScriptのジョブを該当のプリンタ言語へ変換できます。この処理ステージを「解釈」(interpreting)と呼びます。非常によく知られている言語としては、ほとんどのHPのプリンタおよび互換モデルが採用しているPCLと、Epsonのプリンタが採用しているESC/Pがあります。これらのプリンタ言語は、通常、Linuxによってサポートされており、十分な印刷結果が得られています。最新のプリンタやハイエンドのプリンタの機能によっては、オープンソースの開発者が、それらの機能に関してまだ作業中の可能性もあることから、Linuxがサポートしていないものがあります。HPが開発したHPLIPを除き、現時点では、Linuxドライバを開発してオープンソース条項に基づきそれらをLinuxのディストリビュータに提供しているプリンタメーカは存在しません。これらのプリンタのほとんどは、中間の価格帯にあります。

独自規格のプリンタ(GDIプリンタ)

これらのプリンタは、共通のプリンタ言語をサポートしていません。これらのプリンタは独自のプリンタ言語を使用しており、新しいエディション/モデルがリリースされると、プリンタ言語も変更される可能性があります。一般的にこのようなプリンタでは、Windowsドライバしか利用できません。詳細については、12.7.1項 「標準的なプリンタ言語をサポートしないプリンタ」を参照してください。

新しいプリンタを購入する前に、次の各ソース(情報源)を参照し、購入を予定しているプリンタがどの程度までサポートされているかを確認してください。

http://www.linuxfoundation.org/OpenPrinting/

プリンタデータベースのあるOpenPrintingホームページです。データベースはいつでも、Linuxがサポートする最新のステータスを示しています。しかし、Linuxのディストリビューションが統合できるのは、製造の時点で使用可能だったドライバだけです。したがって、現時点で完全にサポート済みと評価されているプリンタであっても、最新バージョンのSUSE Linux Enterprise Desktopがリリースされた時点では、そのステータスに達していなかった可能性があります。そのため、これらのデータベースは必ずしも正しいステータスを表しているとは限らず、おおよその状況を提示するだけにとどまっています。

http://www.cs.wisc.edu/~ghost/

GhostscriptのWebページ。

/usr/share/doc/packages/ghostscript-library/catalog.devices

付属するドライバのリスト

印刷システムのワークフロー

ユーザが印刷ジョブを作成します。印刷ジョブは、印刷するデータとスプーラの情報から構成されますが、その情報には、プリンタの名前またはプリンタキューの名前だけでなく、必要に応じて、プリンタ固有のオプションなど、フィルタに関する情報も含まれます。

各プリンタには、1つ以上の専用プリンタキューが存在しています。指定のプリンタがデータを受け取れるようになるまで、スプーラは印刷ジョブをキュー内に留めています。プリンタの準備が整うと、スプーラはフィルタおよびバックエンドを経由して、プリンタにデータを送信します。

このフィルタは、印刷中のアプリケーションが生成したデータ(通常的はPostScriptやPDFですが、ASCII、JPEGなどの場合もあります)を、プリンタ固有のデータ(PostScript、PCL、ESC/Pなど)に変換します。プリンタの機能については、PPDファイルに記述されています。PPDファイルには、プリンタ固有のオプションが記述されています。各オプションに対しては、プリンタでそのオプションを有効にするために必要なパラメータが指定されています。フィルタシステムは、ユーザが有効として選択したオプションを確認します。

PostScriptプリンタを選択すると、フィルタシステムがデータをプリンタ固有のPostScriptに変換します。この変換にプリンタドライバは必要ありません。PostScript非対応プリンタを使用すると、フィルタシステムがデータをプリンタ固有データに変換します。この変換には、使用しているプリンタに適応したプリンタドライバが必要です。バックエンドは、プリンタ固有データをフィルタから受信し、そのデータをプリンタに送信します。