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OpenOffice.orgはパワフルなオープンソースのオフィススイートで、テキスト文書の作成、表計算ドキュメントの使用、図形やプレゼンテーションの作成など、あらゆる種類のオフィスタスクに対応するツールを備えています。OpenOffice.orgでは、異なるコンピューティングプラットフォーム間で、同じデータを共用できます。また、必要に応じて、Microsoft Officeなどの他の形式でファイルを開いて編集し、この形式に戻して保存することもできます。この章では、NovellŪ版のOpenOffice.org、およびこのスイートを使用するために必要な主要機能について説明します。
OpenOffice.orgは、互いに連携する複数のプログラムモジュールで構成されています。モジュールの一覧は、「表 3.1. 「OpenOffice.orgアプリケーションモジュール」」にあります。各モジュールの詳細については、「3.8項 「OpenOffice.orgに関するヘルプと情報の検索」」で説明するオンラインヘルプを参照してください。
アプリケーションの外観は、使用しているデスクトップやウィンドウマネージャによって異なります。外観に関係なく、基本的なレイアウトと機能は同じです。
ここでは、OpenOffice.orgのアプリケーションモジュールに関する概要を説明していきます。各モジュール固有の情報は、それぞれのモジュールに関連する項で説明しています。
SUSE Linux Enterprise Desktopには、Novell版のOpenOffice.orgが用意されています。Novell版には、標準版に含まれていないさまざまな拡張機能が追加されています。
Novell版のOpenOffice.org Calcには、標準版にはない以下の機能が追加されています。
一部の関数に対するExcelとの互換性の改善(例:ADDRESS/OFFSE)
標準版にはないキーバインドの修正や、「結合して中央揃え」に関する問題などの、操作性の改善
R1C1形式のアドレスのサポート
OpenOffice.orgのデータパイロットとMicrosoft* ピボットテーブル*の相互運用性
データパイロット作成後の編集機能
ピボットテーブルからのデータの操作に役立つGETPIVOTDATA関数の追加
Excel VBAマクロのサブセットの包含。このサブセットはネイティブのマクロのように、OpenOffice.orgにロードして実行できます。さまざまな、会計/管理ツールをOpenOffice.orgに移行できるため、StarBasicを使っていちいち作成し直す手間を省けます。
単純な数値分析を行うための線形ソルバ
Novell版のOpenOffice.org Writerには、標準版にはない以下の機能が追加されています。
ドキュメント構造をツリービューで表示するナビゲータにより、ドキュメントのナビゲーションを改善
変更履歴の相互運用性の改善
HTMLエクスポート精度の向上
フォント印刷の改善
Novell版のOpenOffice.orgでは、さまざまなフォントの改善が行われています。次に例を示します。
フォント表示の見栄えをよくするために、エイリアス(ビットマップ)フォントを禁止
AGFAからライセンスを受けた一連のフォントの導入、これらのフォントはMicrosoftの一部のデフォルトフォントと互換性があり、ドキュメントのエクスポート/インポート時に対応するMicrosoftフォントと透過的にマッピングされます
OpenSymbolフォントの改善、箇条書きの中点が中途半端な四角で表示される不具合をなくし、正しく適切な中点が表示されるようになりました
Novell版OpenOffice.org(Linux用)には、OpenCliparthttp://openclipart.orgプロジェクトが提供する膨大な無料のクリップアートが用意されています。クリップアートを利用するには、、の順にクリックします。
Novell版のOpenOffice.org(Linux用)には、さまざまな改良が加えられ、標準版と比べてより高速に起動します。メモリの搭載量が少ないシステムでも、問題ありません。
Novell版の代わりに標準版のOpenOffice.orgを利用することもできます。最新版のOpenOffice.orgをインストールした場合でも、Novell版のファイルをそのまま利用できます。ただし、標準版にはNovell版に用意されている拡張機能は含まれていません。
OpenOffice.orgでは、Microsoft Officeも含めさまざまな形式の文書、スプレッドシート、プレゼンテーション、およびデータベースを使用できます。これらのファイルは元のファイルと同様にシームレスに開いたり、元の形式で保存したりできます。Microsoftの形式には専有権があり、仕様は他のアプリケーションで利用できません。そのため、書式の問題が発生することがあります。ドキュメントの問題が発生した場合は、元のアプリケーションで開き、テキストドキュメントの場合はRTF、スプレッドシートの場合はCSVなどのオープン形式で再び保存してみます。
![]() | ヒント |
|---|---|
他のオフィススイートからOpenOffice.orgへ移行する場合に役立つ情報については、OpenOffice.org Migration Guide』を参照してください。 | |
OpenOffice.orgは、さまざまな形式のドキュメントを開いたり、編集したり、保存したりできます。他のアプリケーションからのファイルを利用するために、ファイル形式をOpenOffice.org形式に変換する必要はありません。ただし、必要であれば、ファイルを変換しても構いません。ドキュメントを変換する場合は、次の手順に従ってください。
OpenOffice.orgは、多くのオペレーティングシステムで使用できます。このため、OpenOffice.orgはユーザのグループが頻繁にファイルを共有する必要があり各自のコンピュータのシステムが異なる場合、有効なツールになります。
他のアプリケーションと文書を共有する場合は、いくつかの方法があります。
受信者がファイルを編集できるようにする必要がある場合: そのユーザが必要とするファイル形式でドキュメントを保存します。たとえば、Microsoft Wordファイルとして保存する場合は、、の順にクリックして、適切なバージョンのMicrosoft Wordファイル形式を選択します。
受信者がドキュメントを編集する必要がない場合: +の順に選択して、ドキュメントをPDFファイルとして保存します。PDFファイルは、Adobe Acrobat Readerなどのビューアを使用して任意のプラットフォームで参照できます。
ドキュメントを共有して編集する場合: 標準の文書形式のうち、いずれかを使用します。デフォルトの形式はOASISの標準XML形式に準拠しています。この形式では、多くのアプリケーション間で互換性が確保されます。TXTとRTF形式は書式設定に制限がありますが、テキスト文書には良い選択肢です。CSVは、スプレッドシートに有効です。OpenOffice.orgでは、受信側が希望する形式、特にMicrosoft形式で提供できる場合があります。
ドキュメントをPDF形式でメール送信する場合: 、、の順にクリックします。デフォルトの電子メールプログラムが起動し、PDF形式のファイルが添付されます。
Microsoft Wordユーザにドキュメントをメール送信する場合: の順にクリックします。デフォルトの電子メールプログラムが起動し、ファイルが添付されます。
ドキュメントを電子メール本文として送信: . 、、の順にクリックします。デフォルトの電子メールプログラムが起動し、電子メール本文にドキュメントの内容が表示されます。
アプリケーションを起動するには、次のいずれかの手順に従ってください。
、の順にクリックします。
Writerが起動します。別のモジュールを起動するには、Writerから、の順にクリックし、適切なモジュールを選択します。
、、の順にクリックし、起動するOpenOffice.orgモジュールの名前をクリックします。
ターミナルウィンドウで、oofficeを入力します。OpenOffice.orgウィンドウが表示されます。、の順にクリックし、起動するモジュールを選択します。
OpenOffice.orgアプリケーションが開かれている場合、の順にクリックして、他のアプリケーションを起動できます。
システム起動時にアプリケーションを事前ロードしてOpenOffice.orgのロード時間を高速化には、次の手順に従います。
次回のシステム起動時に、OpenOffice.orgが事前ロードされます。この場合、システム起動時にアプリケーションがロードされるため、OpenOffice.orgアプリケーションモジュールを素早く起動することができます。
自分の作業スタイルやニーズに応じて、OpenOffice.orgをカスタマイズすることができます。たとえば、ツールバー、メニュー、およびキーボードショートカットをカスタマイズして、最も頻繁に使用する機能に簡単にアクセスできるようになります。また、特定のイベントに対してマクロを割り当てることにより、イベント発生時に特定の操作を実行することができます。たとえば、常に特定のスプレッドシートを使って作業する場合、そのスプレッドシートを開くマクロを作成して、[Start Application]イベントに指定することができます。
ここでは、ご利用の環境をカスタマイズするための一般的な方法について説明します。変更内容はすぐに反映されるため、その場で変更内容を確認し、必要に応じてさらに設定を変更したり、変更内容を元に戻すことができます。詳細は、OpenOffice.orgのヘルプファイルを参照してください。
OpenOffice.orgツールバーを変更するには、ダイアログを使用します。
ツールバーの端にある矢印アイコンをクリックします。
をクリックします。
カスタマイズするツールバーを選択します。
クリックしたツールバーはすでに選択されています。カスタマイズするツールバーを変更するには、メニューから目的のツールバーを選択します。
コマンドをツールバーに表示する場合は、コマンドの隣にあるチェックボックスを選択します。ツールバーに表示しないコマンドは、チェックボックスの選択を解除してください。
ツールバーの変更内容をOpenOffice.orgモジュールに保存するか、または現在のドキュメントに保存するか、いずれかを選択します。
(OpenOffice.orgモジュール名)
そのモジュールで、常にカスタマイズしたツールバーを使用する場合に選択します。
(文書名)
その文書を開いた場合に、カスタマイズしたツールバーを使用します。
必要に応じて他のツールバーもカスタマイズします。
をクリックします。
特定のツールバーに表示するボタンを簡単に選択できます。
メニューへの項目の追加、メニューからの項目の削除、項目の位置変更、および新規メニューの作成ができます。
現在割り当てられているキーボードショートカットを変更して、頻繁に使う機能に新たなショートカットを割り当てることができます。
OpenOffice.orgでは、アプリケーションの起動やドキュメントの保存など、特定のイベントに対してマクロを割り当てることもできます。イベントが発生すると、割り当てられたマクロが自動的に実行されます。
OpenOffice.orgのグローバル設定を変更するには、メニューバーでの順にクリックします。次の図に示すようなウィンドウが表示されます。ここでは、設定項目がツリー構造で分類されています。
次の表に、各カテゴリとその簡単な説明を示します。
![]() | 注意 |
|---|---|
表示される設定カテゴリは、モジュールによって異なります。たとえば、Writerを使っている場合は、リストにOpenOffice.org Writerカテゴリが表示されますが、OpenOffice.org Calcカテゴリは表示されません。OpenOffice.org Baseカテゴリは、CalcとWriterのどちらでも表示されます。テーブルのアプリケーション列は、各設定カテゴリを利用できるかどうかを示します。 | |
表 3.2. グローバル設定のカテゴリ
![]() | 重要項目 |
|---|---|
テーブルに記載されているすべての設定は、指定されたアプリケーションにグローバルに適用されます。これらの設定内容は、新しくドキュメントを作成する場合のデフォルト値として使用されます。 | |
テンプレートを利用して、さまざまな種類のドキュメントの書式設定作業を簡略化できます。OpenOffice.orgには、あらかじめいくつかのテンプレートが用意されています。また、インターネットから他のテンプレートを検索して入手することもできます。さらに、自分で独自のテンプレートを作成することもできます。ここでは、テンプレートの作成方法については取り上げません。OpenOffice.orgのヘルプや、インターネット上の他の資料を参考にしてください。
インターネットには、テンプレートだけでなく、他の追加機能やアドインも公開されています。テンプレートや他の機能を入手できる代表的な場所を次の表に示します。(Webサイトは、頻繁に内容が変更されたり、閉鎖されることがあるため、本書をお読みになっている時点では情報が古くなっている可能性もあります)。
表 3.3. OpenOffice.orgテンプレートやアドインの入手場所
テンプレートの詳細については、「3.2.4項 「テンプレートを使ったドキュメントの書式設定」」および「3.3.2項 「Calcにテンプレートを使用する」」を参照してください。