基本的なシステム設定と選択したソフトウェアパッケージのインストールが完了した後は、システム管理者用アカウント(rootユーザ)のパスワードを指定します。続いて、インターネットアクセスとネットワーク接続を設定することができます。インターネット接続が機能する環境では、インストールの一環として、システムアップデートを実行することが可能です。さらに、ローカルネットワーク内のユーザを集中的に管理するため、認証サーバを設定することもできます。最後に、コンピュータに接続されているハードウェアデバイスの設定を行います。
rootとは、スーパーユーザ、つまり、システム管理者の名前です。システムでの特定の作業によって、パーミッションを持っていたり、許可されていない場合のある一般ユーザと異なり、rootには、あらゆることを行うための権利が無制限で付与されています。これらの権利には以下のものがあります。システム設定の変更、プログラムのインストール、新規ハードウェアの設定などです。ユーザがパスワードを忘れてしまった場合、システムに関連する他の問題がある場合、rootは支援することができます。rootアカウントは、システム管理、メンテナンス、修復のみに限って使用するのが妥当です。日常的な作業のためにrootでログインすると、次に示すようなリスクが高まります。ただ1度のミスが、多くのシステムファイルの損失を招き、回復不能な障害につながる可能性があります。
rootのパスワードは、確認の目的で示すように、2度入力しなければなりません。rootのパスワードは、決して忘れないでください。1度入力すると、このパスワードを取得することはできません。
![]() | rootユーザ |
|---|---|
| |
この時点で、ネットワークカード、モデム、ISDNまたはDSLハードウェアなど、外部ネットワークと接続とするためのネットワークデバイスを接続することができます。インターネット接続があれば、YaSTによりSUSE Linuxのアップデートを取得し、インストールに組み込むことができるため、 デバイスを接続する場合は、この時点で設定するのが望ましいでしょう。この段階でネットワークハードウェアを設定する場合は、18.4項 「YaSTによるネットワーク接続の設定」 (↑リファレンス)を参照してください。設定を行わない場合は、を選択してをクリックします。システムのインストールが完了した後、ネットワークハードウェアを設定することもできます。
ネットワークに接続すると、ファイアウォールが設定済みインタフェース上で自動的に開始されます。ファイアウォールの設定がネットワーク設定ダイアログに表示されます。ファイアウォールの設定についての提案は、インタフェースやサービスが設定が変更される度に、自動的に更新されます。変更を、自分の設定に自動的に反映させるには、+をクリックします。新規ダイアログでは、ファイアウォールを開始するかどうかを決定します。ファイアウォールを開始しない場合は、適切なオプションを選択し、ダイアログを終了します。ファイアウォールを開始し、設定するには、4.1.4.1項 「YaSTによる設定」 (↑リファレンス)で説明されているダイアログに類似した各ダイアログで、をクリックします。
インターネット接続を設定した場合は、この時点でテストできます。テスト用に、YaSTはSUSEサーバとの接続を確立し、ご使用のSUSE Linuxのバージョンに使用できる製品アップデートがないか確認します。更新があれば、インストールに含めることができます。また、最新のリリースノートもダウンロードされます。これらは、インストールの最後に参照できます。
この時点でテストを行わない場合は、を選択し、をクリックします。ここでスキップすると、製品アップデートおよびリリースノートのダウンロードも省略されます。
YaSTがSUSEのサーバに接続できた場合、オンラインアップデートを実行するか選択します。サーバ上に利用可能なパッチ付きパッケージがある場合、既知のバグやセキュリティ問題を修正するために、ここでそれらをダウンロードしてインストールします。
![]() | ソフトウェアアップデートのダウンロード |
|---|---|
各アップデートのダウンロードには、ある程度時間がかかる場合があります。インターネット接続の帯域幅、アップデートファイルのサイズによって、ダウンロードに要する時間は異なります。 | |
ソフトウェアアップデートを直ちに実行するには、を選択し、をクリックします。これにより、のオンラインアップデートダイアログが開き、使用可能なパッチがあれば、選択およびロード可能なパッチのリストを表示します。このプロセスについての詳細は、2.3.3項 「オンラインでのソフトウェア更新」を参照してください。この種のアップデートはインストール後、いつでも実行することができます。この時点でアップデートしない場合は、を選択し、をクリックします。
これまでのインストールステップで、ネットワークアクセスが正常に設定された場合、システム上に存在するユーザアカウントを管理するために、4種類の方法が使用可能になります。
ユーザはインストールされたホストで、ローカルで管理されます。これはスタンドアロンのワークステーションに向いています。ユーザのデータは、ローカルファイル/etc/passwdで管理されます。
ユーザはネットワーク上のすべてのシステムに対し、1台のLDAPサーバ上で集中的に管理されます。
ユーザはネットワーク上のすべてのシステムに対し、1台のNISサーバ上で集中的に管理されます。
SMB認証は、通常、LinuxとWindowsが混在するネットワークで使用されます。
すべての要件が満たされると、はユーザの管理メソッドを選択するダイアログを開きます。必要なネットワーク接続が確立されていない場合は、ローカルユーザアカウントを作成します。
NISを使用してユーザ管理を実装するには、次のステップでNISクライアントを設定します。このセクションでは、クライアント側の設定のみ解説します。YaSTでNISサーバを設定する方法については、第21章 NISの使用 (↑リファレンス)に記載されています。
NISクライアントダイアログでは、まず始めに、ホストがスタティックなIPアドレスを持っているか、DHCPからアドレスを取得するかを選択します。DHCPを選択すると、NISドメインまたはNISサーバアドレスを指定することはできません。これらはDHCPサーバにより割り当てられるためです。DHCPに関する詳細は、第23章 DHCP (↑リファレンス)を参照してください。固定IPアドレスを使用する場合は、NISドメインとNISサーバを手動で指定します。
ネットワークでNISサーバのブロードキャストを検索するには、関連するオプションを選択します。また、複数のNISドメインを指定して、デフォルトドメインを設定することもできます。各ドメインごとにを選択し、複数のサーバアドレスを指定するか、ドメインごとのブロードキャスト機能を有効にします。
エキスパート設定では、を使用して、クライアントが使用しているサーバを他のネットワークホストが照会できるようにします。を有効にすると、特権のないポート上のサーバからの応答も受け入れるようになります。詳細な情報については、ypbindのマニュアルページを参照してください。
Linuxは、複数のユーザが同じシステムで、同時に作業することが可能なオペレーティングシステムです。各ユーザには、システムにログインするためのユーザアカウントが必要になります。ユーザアカウントを使用することにより、システムのセキュリティは大幅に向上します。たとえば、システムが正常に機能するために必要なファイルを、一般ユーザが変更したり、削除したりすることはできません。さらに、ユーザの個人データを他のユーザが変更、表示、改ざんすることも不可能です。ユーザは自分の作業環境をセットアップすることが可能です。そして、いつログインしても、それらが変更されていることはありません。
ユーザの認証に認証サーバを使用しない場合は、ローカルユーザを作成します。ユーザアカウントに関連するあらゆるデータ(名前、ログイン、パスワード、その他)は、インストールしたシステムに格納され、管理も同じシステム上で行われます。
図 1.5. 「ユーザ名とパスワードの入力」に示すように、ダイアログを使用してローカルユーザアカウントを作成できます。名前(ファーストネーム)と姓名(ファミリネーム)を入力した後、ユーザ名(login)を指定します。をクリックすると、システムはユーザ名を自動生成します。
最後にユーザのパスワードを入力します。確認用に(入力内容が誤っていないことを再確認する目的で)、パスワードを再入力します。ユーザ名には、ユーザを識別し、このIDを確認するために使用するパスワードを、システムに指定する働きがあります。
![]() | ユーザ名とパスワード |
|---|---|
ユーザ名とパスワードは、システムにログインする際、毎回必要になるため、どちらも記憶しておいてください。 | |
安全に運用するため、パスワードは5文字から8文字の長さで指定してます。パスワードに指定できる最大文字数は128字です。ただし、特別なセキュリティモジュールをロードしていない限り、パスワードを識別するために使用されるのは、最初の8字のみです。パスワードでは、大文字小文字が区別されます。ウムラウトなどの特殊文字は使用できません。他の特殊文字(7ビットASCII)と数字は使用できます。
ローカルユーザは、以下に示す2つの追加オプションを使用できます。
このボックスにチェックを入れると、システムサービスによって作成されたメッセージがユーザに送信されます。これらのメッセージは通常、root、つまりシステム管理者にのみ、送信されます。このオプションは、主に使用するアカウントに設定すると便利です。rootを使用してログインするのは、特殊な場合に限るよう推奨されているためです。
このオプションを使用できるのは、デフォルトのデスクトップがKDEの場合に限られます。システムの起動時に、現在のユーザは自動的にシステムにログインします。この機能は、主に、コンピュータを使用するユーザが1人に限定されている場合、有用です。
![]() | 自動ログイン |
|---|---|
自動ログインが有効になっている場合、システムは認証をまったく行うことなく、ユーザのデスクトップをそのまま開始します。システム上に機密データを格納していて、他のユーザがコンピュータにアクセスできる場合は、このオプションを有効にすべきではありません。 | |
複数のユーザを作成するには、をクリックします。ユーザ管理についての詳細は、2.8.1項 「ユーザ管理」を参照してください。