概要
SUSE Linuxには、完全な再インストールを行わないで、既存のシステムを更新できるオプションがあります。更新には次の2種類があります。個別のソフトウェアパッケージの更新とシステム全体の更新です。パッケージは、パッケージマネージャRPMを使用することにより、手動でインストールすることもできます。
ソフトウェアは、バージョンが上がるたびに「増加する」傾向があります。そのため、更新する前に、まずdfコマンドで、利用できるパーティションの容量を調べてください。ディスク容量が不足していると思われる場合は、システムの更新とパーティション設定を行う前に、データをバックアップしておきます。各パーティションに必要な容量を決定する一般的な規則はありません。必要な容量は、特定のパーティションプロファイル、選択したソフトウェア、およびSUSE Linuxのバージョン番号によって変わります。
更新を開始する前に、データを確保するために、古い設定ファイルを別のメディア(ストリーマ、取り外し可能なハードディスク、USBスティック、またはZIPドライブなど)にコピーしておきます。主に、/etcの下に格納されているファイル、また、/varと/optの下にあるディレクトリとファイルの一部に当てはまります。さらに、/home (HOMEディレクトリ)下のユーザデータをバックアップメディアに書き込むようにします。このデータは、rootユーザでバックアップします。rootだけがすべてのローカルファイルを読み取るパーミッションを持っています。
更新を開始する前に、ルートパーティションの記録をとります。df /コマンドは、ルートパーティションのデバイス名リストを表示します。例 3.1. 「df -hの出力例」に示すように、書き留めておくルートパーティションは、/dev/hda3です(/としてマウントされています)。
デフォルトのシステムを以前のバージョンからこのバージョンに更新する場合、YaSTでは必要な変更を分析し、それを実行します。カスタマイズに依存して、中には失敗する手順があったり、すべての更新手続きが失敗する可能性もありますので、その場合はバックアップデータをコピーして元に戻してください。以下では、システム更新を開始する前に確認すべき問題点を挙げます。
3.1.1項 「準備作業」に概要を示した準備手順を実行しましたから、 ここでシステムを更新できるようになります。
インストールの目的でシステムをブートします(1.1項 「インストール時のシステム起動」 (↑起動)を参照)。YaSTで、言語を選択しダイアローグ内でを選択します。を選択しないようにします。
YaSTは、複数のルートパーティションが存在するかどうか判定します。1つだけであれば、次のステップに進みます。複数あれば、正しいパーティションを選択し、[で確認します(3.1.1項 「準備作業」の例では、/dev/hda3が選択されています)。YaSTはそのパーティション上にある以前のfstabを読み込み、そこにリストされているファイルシステムを解析してマウントします。
ダイアログで、必要に応じて設定を調整します。一般的には、デフォルト設定は変更なしで問題ありませんが、システムを拡張しようとする場合は、サブメニューの中にあるパッケージを確認するか、追加の言語向けのサポートを追加します。
各種システムコンポーネントのバックアップを作成する可能性もあります。バックアップを選択すると、更新処理を低速化します。このオプションは、最近バックアップを作成していない場合に使用します。
次のダイアログで、すでにインストール済みのソフトウェアだけを更新するか、新規ソフトウェアコンポーネントをシステムに追加するか(アップグレードモード)のいずれかを選択します。推奨の構成を受け入れることをお勧めします。例えば、またはなどの構成があります。後でYaSTを使用して調整できます。
全体的な更新環境に関係なく、個々のパッケージは常に更新できます。ここから先は、システムの一貫性を維持するのはユーザの責任です。更新に関するアドバイスは、http://www.novell.com/linux/download/updates/から入手できます。
必要に応じてYaSTパッケージ選択リストからコンポーネントを選択します。システムの動作全般に必須のパッケージを選択した場合、YaSTでは警告が表示されます。そのようなパッケージは、更新モードでのみ更新します。たとえば、共有ライブラリは多くのパッケージに含まれています。それらのプログラムとアプリケーションを稼働中のシステムで更新した場合、誤動作が起きることがあります。