3.2. ソフトウェア

3.2.1. ソフトウェアのインストールと削除

このモジュールでは、使用中のマシンに対する、ソフトウェアのインスール、アンインストール、および更新を行います。Linuxでは、ソフトウェアはパッケージの形で用意されています。通常、パッケージにはプログラムに必要なものがすべて含まれています。つまりプログラム自身、設定ファイル、およびマニュアルが含まれています。パッケージにはプログラムのソースファイルが含まれており、通常はソースファイルも使用できます。ソースファイルはプログラムを実行するためには必要ありませんが、プログラムのカスタムバージョンをコンパイルするには、ソースをインストールします。

一部のパッケージは他のパッケージに依存しています。つまり、パッケージの一部のソフトウェアは、他のパッケージもインストールされている場合にのみ適切に動作します。さらに一部のパッケージは、他の特定のパッケージがインストールされていないとインストールできません。インストールルーチンで特定のツールが必要なためです。したがって、これらのパッケージは正しい順序でインストールする必要があります。一部のパッケージは、同一または類似する機能を持っています。これらのパッケージが同じシステムリソースを使用する場合は、同時にインストールしないでください(パッケージの競合)。パッケージの依存関係と競合は複数のパッケージ間で発生し、時にはかなり複雑になることもあります。円滑なインストール処理のために、特定のパッケージバージョンが必要な場合があるという事実が、より複雑さを増します。

これらの要因のすべてを、ソフトウェアのインストール、アンインストール、および更新を実行するときに考慮する必要があります。 YaSTには、この問題を考慮にいれた非常に効果的なツールが備えられています。それは通常パッケージマネージャと呼ばれる、ソフトウェアインストールモジュールです。パッケージマネージャが起動すると、システムを検査し、インストール済みのパッケージを表示します。インストールを行う追加のパッケージを選択した場合、パッケージマネージャは自動的に依存関係を確認し、必要な他のパッケージを選択します(依存関係の解決)。競合するパッケージを選択した場合、パッケージマネージャは競合を示し、問題を解決するための提案を行います(競合の解決)。他のインストール済みのパッケージで必要とされるパッケージが削除としてマーク付けされた場合、パッケージマネージャは警告メッセージと、詳細な情報および代替の解決策を表示します。

これらの純粋に技術的な側面だけでなく、パッケージマネージャでは、SUSE Linuxに含まれる多様なパッケージのわかりやすい概要が提供されます。パッケージは対象別に配置され、これらのグループの表示は、適切なフィルタを使用して制限されます。

3.2.1.1. パッケージマネージャ

パッケージマネージャを使用して、システムで選択されたソフトウェアを変更するには、YaSTコントロールセンターの[Install or Remove Software (ソフトウェアのインストールまたは削除)]を選択します。図 3.2. 「YaST パッケージマネージャ」に、パッケージマネージャのダイアログウィンドウを示します。モジュールはさまざまなフレームにより構成されます。領域を区切る境界をクリックして移動すると、フレームのサイズを変更できます。各フレームの内容と使用目的については以下で説明します。

図 3.2. YaST パッケージマネージャ

YaST パッケージマネージャ

3.2.1.2. フィルタウィンドウ

パッケージマネージャには、数種のフィルタが備えられています。それによりパッケージをカテゴリごとに整列したり、表示するパッケージ数を制限できます。フィルタウィンドウは、モジュールの左側のフレームの、メニューバーの下にあります。そこには、現在のフィルタ方法の設定が表示されます。フレームのトップにあるフィルタ選択メニューは、その下に何を表示するかを決定します。フィルタメニューにある利用可能なフィルタのリストの中から、任意のフィルタを選択します。

選択グループフィルタ

起動時には、[選択グループ]フィルタが有効になっています。このフィルタは、マルチメディアやオフィスアプリケーションなどのアプリケーションの目的に従って、プログラムパッケージをグループ化します。フィルタ選択ボックスには、[選択グループ]フィルタのさまざまなグループがリストされています。システムに既にインストールされているパッケージは既に選択された状態になっています。行の先頭にあるステータスボックスをクリックすると、選択項目のステータスフラグが切り替わります。選択項目を右クリックして直接ステータスを選択すると、コンテキストメニューを使用できます。 右側の個々のパッケージ概要には、現在の選択に含まれるパッケージが表示され、個々のパッケージの選択、選択解除をすることができます。

パッケージグループフィルタ

パッケージグループ]フィルタは、多様なパッケージのより技術的な概要を提供します。これはSUSE Linuxのパッケージ構造に精通しているユーザに適しています。このフィルタはプログラムパッケージを対象ごとにソートします。対象には、左側のツリー構造にある、アプリケーション、開発、およびハードウェアなどがあります。ブランチを展開するほど選択項目は特定化され、右側に表示される個々のパッケージウィンドウに表示されるパッケージが少なくなります。

さらに、このフィルタによって、分類することなくすべてのパッケージをアルファベット順に表示することができます。これを実行するには、[パッケージグループ]ツリーの一番下で、[zzz全て]を選択します。SUSE Linuxには多くのパッケージが含まれるので、長いリストを表示するには時間がかかる可能性があります。

検索機能

検索]機能を使用することは、特定のパッケージを見つけるための最も簡単な方法です。さまざまな検索条件を指定することにより、個々のパッケージウィンドウに通常は1つのパッケージだけを表示するようにフィルタを制限することもできます。検索文字列を入力し、チェックボックスを使用して対象文字列を検索する場所(名前で、説明で、パッケージ依存関係内で)を決定します。熟練したユーザは、ワイルドカードと正規表現を使用して特別な検索パターンを設定したり、[提供する機能]および[依存する機能]フィールドに指定した項目によって、パッケージの依存関係を検索できます。たとえばこの機能は、どのパッケージに特定のライブラリが含まれているかを判別するために使用できます。

[Tip]クイックサーチ

検索]フィルタに加えて、パッケージマネージャのリストすべてにクイックサーチ機能があります。1文字入力すると、入力した文字で始まる、リスト内の最初のパッケージにカーソルが移動します。カーソルはリスト内になければなりません(リストをクリックする)。

言語

SUSE Linuxの一部のパッケージでは、言語固有のパッケージを使用できます。このパッケージは、プログラムのユーザインターフェース、マニュアルで使用されるテキストが翻訳され、フォントも変更されています。このフィルタでは、左側のウィンドウに、SUSE Linuxによりサポートされるすべての言語のリストが表示されます。これらのうちの1つを選択すると、右側のフレームに、選択した言語で使用可能なすべてのパッケージが表示されます。これらの中で、現在のソフトウェア選択にあてはまるすべてのパッケージに、自動的にインストール用のタグが付けられます。

[Note]注意

言語が指定されたパッケージは他のパッケージに依存するため、パッケージマネージャはインストールに追加のパッケージを選択する場合があります。

インストール概要

インストール、更新、または削除するパッケージを選択した後に、フィルタセレクションを使用してインストール概要を表示します。 これにより、[了解]をクリックした場合にパッケージが受ける影響が表示されます。左側のチェックボックスを使用してパッケージをフィルタし、個々のパッケージウィンドウを表示します。たとえば、どのパッケージが既にインストールされているかを確認するには、パッケージマネージャを起動して、[保持]を除くすべてのチェックボックスを無効にします。

通常、個々のパッケージウィンドウのパッケージステータスは変更できます。ただし、変更したパッケージは検索条件に当てはまらなくなる可能性があります。そのようなパッケージをリストから削除するには、[リストの更新]を使用してリストを更新します。

3.2.1.3. 個々のパッケージウィンドウ

前述のように、個々のパッケージのリストが、個々のパッケージウィンドウの右側に表示されます。このリストの内容は現在選択されているフィルタにより決定されます。たとえば、[選択]フィルタが選択されている場合、個々のパッケージウィンドウは現在選択されているすべてのパッケージを表示します。

パッケージマネージャでは、各パッケージは、パッケージで実行する事柄を決定するステータスを持ちます。ステータスには、「インストール」や「削除」などがあります。このステータスは行の先頭にあるステータスボックス内に記号で表示されます。項目を右クリックしたときに表示されるメニューから、該当のステータスをクリックまたは選択することにより、ステータスを切り替えます。状況によっては、いくつかの潜在的なステータスフラグを選択できません。たとえば、まだインストールしていないパッケージに、「削除」フラグを設定することはできません。使用可能なステータスフラグを表示するには、[ヘルプ]+[シンボル]の順に選択します。

パッケージマネージャには、次のパッケージステータスフラグがあります。

インストールしない

このパッケージはインストールされず、今後もインストールされません。

インストールする

このパッケージはインストールされていませんが、今後インストールされます。

保持

このパッケージは既にインストールされていて、今後変更されません。

更新

このパッケージは既にインストールされていて、インストールメディアにあるバージョンにより置き換えられます。

削除

このパッケージは既にインストールされていて、今後削除されます。

禁止: インストールを禁止する

このパッケージはインストールされず、決してインストールされません。インストールメディアのどこにも存在しないかのように扱われます。依存関係を解決するために自動的にパッケージが選択された場合、「禁止」設定はこれを阻止します。ただし、手動で解決する(依存関係チェック)必要がある不整合が発生する可能性があります。したがって、「禁止」は主に上級ユーザ向けです。

保護

このパッケージはインストールされていますが、編集しないでください。サードパーティ製のパッケージ(SUSEの署名がないパッケージ)には、自動的にこのステータスが割り当てられ、インストールメディアに存在する最新のバージョンにより上書きされることを防ぎます。これにより、手動で解決する必要があるパッケージの競合が発生する可能性があります。

Automatic Installation(自動インストール)

このパッケージは、他のパッケージに必要(パッケージ依存関係の解決)なため、インストールするために自動的に選択されます。そのようなパッケージを選択解除するには、「禁止」ステータスが必要となります。

Automatic Update(自動アップデート)

このパッケージは既にインストールされています。ただし、他のパッケージがこのパッケージのより新しいバージョンを必要とするため、インストール済みのバージョンは自動的にアップデートされます。

Delete Automatically(自動削除)

このパッケージは既にインストールされていますが、存在するパッケージの競合のために、このパッケージを削除する必要があります。たとえば、現在のパッケージが異なるパッケージにより置き換えられた場合が考えられます。

Automatic Installation (after selection)(自動インストール(選択後))

このパッケージはインストールするために自動的に選択されました。「マルチメディア」または「開発」など、定義済みの選択の一部であるためです。

Automatic Update (after selection)(自動アップデート(選択後))

このパッケージは既にインストールされましたが、インストールメディアにより新しいバージョンが存在します。このパッケージは、「マルチメディア」または「開発」など、定義済みの選択の一部で、アップデートのために選択され、自動的にアップデートされます。

Delete Automatically (after selection)(自動削除(選択後))

このパッケージは既にインストールされていますが、定義済みの選択(「マルチメディア」または「開発」など)では、このパッケージが削除される必要があります。この状況は頻繁に発生しません。

さらに、パッケージのソースをインストールするかどうかを決定します。この情報は、現在のパッケージステータスを補完します。マウスを使用して切り替えたり、コンテキストメニューから直接選択することはできません。代わりに、パッケージ行の最後のチェックボックスにより、ソースパッケージの選択が可能です。このオプションは、[パッケージ]からもアクセス可能です。

ソースをインストールする

ソースコードもインストールします。

ソースをインストールしない

ソースはインストールされません。

個々のパッケージウィンドウのさまざまなパッケージに使用されるフォントカラーは、追加の情報を提供します。インストールメディア上にあるより新しいバージョンが使用できるインストール済みのパッケージは、青で表示されます。インストールメディア上にあるパッケージのバージョン番号がインストール済みのパッケージよりも新しい場合、赤で表示されます。ただし、パッケージのバージョン番号は、新しいバージョン番号が大きくなるとは限らないため、バージョン情報は正しくない可能性がありますが、問題を引き起こすパッケージを示すには十分なはずです。必要に応じて、情報ウィンドウのバージョン番号を確認します。

3.2.1.4. 情報ウィンドウ

フレームの右下にあるタブは、選択されたパッケージについての情報を提供します。選択されたパッケージの説明が自動的にアクティブになります。他のタブをクリックして、技術的なデータ(パッケージのサイズ、グループなど)、依存する他のパッケージのリスト、またはバージョン情報を表示します。

3.2.1.5. リソースウィンドウ

ソフトウェアの選択中、モジュールの左下のリソースウィンドウには、すべてのマウントされたファイルシステムの使用方法を事前に表示します。配色されたバーグラフが選択ごとに上昇します。緑の状態は、十分な容量があることを示します。ディスク容量の限界に近づくと、バーの色が次第に赤くなります。インストールするパッケージを選択しすぎると、警告が表示されます。

3.2.1.6. メニューバー

ウィンドウの左上にあるメニューバーから、前述のほとんどの機能にアクセスできます。さらにメニューバーには次の4つのメニューが含まれます。

ファイル

[ファイル]+[エクスポート]の順に選択して、インストール済みのパッケージすべてのリストをテキストファイルに保存します。後で、または他のシステム上で、特定のインストールスコープをレプリケートする場合は、この処理をお勧めします。この方法で生成されたファイルは、[インポート]を使用してインポートし、保存されたパッケージと同じパッケージ選択を生成できます。どちらの場合でも、ファイルの位置を指定するか、推奨を選択します。

パッケージ選択の変更を保存せずにパッケージマネージャを終了するには、[保存しないで終了する]をクリックします。変更を保存するには、[保存して終了する]を選択します。この場合、すべての変更が適応されてプログラムが終了します。

パッケージ

パッケージ]メニューの項目は、個々のパッケージウィンドウに現在選択されているパッケージを常に参照します。すべてのステータスフラグが表示されますが、現在のパッケージに対して使用可能なステータスフラグだけを選択できます。チェックボックスを使用してパッケージのソースをインストールするかどうかを決定します。[このリストの全て]は、すべてのパッケージステータスフラグをリストするサブメニューを開きます。ただし、これらは現在のパッケージだけでなく、このリスト内のすべてのパッケージに影響を与えます。

オプション

オプション]メニューには、パッケージの依存関係と競合を処理するためのオプションが用意されています。 インストールするパッケージを手動で選択した場合、[自動パッケージ変更を表示する]をクリックして、パッケージマネージャが依存関係を解決するために自動的に選択したパッケージマネージャのリストを表示します。解決できないパッケージ競合がまだある場合、警告と推奨される解決策が表示されます。

パッケージの競合を[無視する]に設定した場合、この情報はシステムに永続的に保存されます。それ以外の場合、パッケージマネージャを起動するたびに、同じパッケージを[無視する]に設定する必要があります。依存関係を無視しない場合は、[無視している依存の競合をリセットする]をクリックします。

ヘルプ

[ヘルプ]+[概要]の順に選択して、パッケージマネージャの機能についての簡単な説明を表示します。さまざまなパッケージフラグについての詳細は、[シンボル]をクリックすると表示されます。マウスなしでプログラムを操作するには、[キー]をクリックしてキーボードショートカットのリストを表示します。

3.2.1.7. 依存チェック

依存チェック]および[自動依存チェック]は、情報ウィンドウの下部にあります。[依存チェック]をクリックすると、パッケージマネージャは、現在のパッケージ選択により解決していないパッケージの依存関係または競合が発生していないかどうかをチェックします。解決していない依存関係がある場合、必要となる追加のパッケージが自動的に選択されます。パッケージの競合の場合、パッケージマネージャは競合を示すダイアログを開き、問題を解決するためのさまざまなオプションを提供します。

自動依存チェック]を有効にした場合、パッケージのステータスを変更したときに、必ず自動チェックが行われます。これは便利な機能です。パッケージ選択の整合性が永続的に監視されるためです。ただし、このプロセスはリソースを消費し、パッケージマネージャの動作が遅くなります。この理由により、デフォルトでは自動依存チェックは有効ではありません。どちらの場合でも、整合性の確認は[了解]をクリックして選択を確定した場合に実行されます。

以下の例では、sendmailおよびpostfixは同時にはインストールされません。図 3.3. 「パッケージマネージャの競合管理」に、どちらをインストールするのかの決定を要求する、競合メッセージが表示されます。postfixはすでにインストールされています。選択肢としては、sendmailのインストールを無効にする、postfixを削除する、危険を承知で競合メッセージを無視する、があります。

[Warning]パッケージの競合の処理

パッケージの競合を処理する場合は、YaSTの提案に従うようにお勧めします。提案を受け入れなかった場合、システムの安定性と機能性が存在する競合により失われる可能性があります。

図 3.3. パッケージマネージャの競合管理

パッケージマネージャの競合管理

3.2.2. インストールソースの変更

YaSTは、数種類のインストールソースを管理できます。用途に応じて、インストール目的または更新目的として選択することができます。このモジュールを起動すると、以前に登録したソースすべてのリストが表示されます。CDからの通常のインストールが終了すると、インストールCDのみがリストされます。[追加]をクリックして、このリストにある追加のソースを含めます。 CDまたはDVDなどのリムーバブルメディアと同様に、NFSおよびFTPサーバなどのネットワークソースも追加できます。ローカルハードディスク上のディレクトリもインストールメディアとして選択できます。 詳細については、YaSTのヘルプテキストを参照してください。

登録されたソースはすべて、リストの最初の列に有効状態が表示されます。[Activate or Deactivate(有効化または無効化)]をクリックして、個々のインストールソースを有効化または無効化します。ソフトウェアパッケージのインストールまたはアップデート中に、YaSTは有効化されたインストールソースのリストから適切なエントリを選択します。[閉じる]をクリックしてモジュールを終了した時点で、現在の設定が保存され、設定モジュールの[ソフトウェアのインストール/削除]および[System Update(システム更新)]に適応されます。

3.2.3. YaSTオンラインアップデート

YaSTオンラインアップデート(YOU)は、重要なアップデートと改善のインストールを可能にします。これらのパッチは、SUSE FTPサーバ、およびさまざまなミラーサーバ上でダウンロードできます。

インストールソース]で、さまざまなサーバの1つを選択します。サーバを選択したら、サーバのURLが編集可能な入力フィールドにコピーされます。file:/my/pathまたは、/my/pathの形式でローカルなURLも指定できます。[新規サーバ]を使用してサーバを追加した既存のリストを展開します。[サーバの編集]をクリックして、現在選択されているサーバの設定を編集します。

モジュールを起動すると、[Manual Selection of Patches (パッチの手動選択)]が有効になり、取得するパッチを選択できるようになります。使用可能なすべての推奨されるパッケージおよびセキュリティパッケージを適用するには、このオプションを無効にします。ただし、接続の帯域幅と送信するデータ量によっては、この設定によりダウンロードに必要な時間が長くなる可能性があります。

Download All Patches Again(すべてのパッチを再度ダウンロード)]を有効にすると、すべての使用可能なパッチ、インストール可能なパッケージ、および説明がサーバからダウンロードされます。これが有効化されていない場合(デフォルト)、システムにインストールされていないパッチだけが取得されます。

さらに、システムを自動的にアップデートすることも可能です。[完全自動アップデートの設定]をクリックして、定期的にアップデートを検出し、適用する自動プロセスを設定します。この処理は完全に自動化されています。システムはスケジュール設定された時間に、アップデートサーバに接続できる必要があります。

アップデートを実行するには、[次へ]をクリックします。手動でアップデートする場合、このクリックによりすべての使用可能なパッチのリストがロードされ、パッケージマネージャが起動します。詳細については、項3.2.1. 「ソフトウェアのインストールと削除」を参照してください。パッケージマネージャでは、YOUパッチに対するフィルタが有効化されています。これによりインストールするアップデートの選択が可能です。起動時に、使用可能なセキュリティパッチおよび推奨されるパッチが事前に選択されています。これによりシステムに関連するパッケージがインストールされます。この提案は受け入れる必要があります。

選択をした後に、パッケージマネージャの[了解]をクリックします。選択されたアップデートがすべてサーバからダウンロードされ、マシンにインストールされます。接続の速度とハードウェアのパフォーマンスによっては、時間がかかる場合があります。エラーはすべてウィンドウに表示されます。必要に応じて、問題のあるパッケージをスキップします。インストールの前に、詳細について表示するウィンドウが開くパッチもあります。

アップデートをダウンロードおよびインストール中に、ログウィンドウですべてのアクションを追跡できます。 すべてのパッチのインストールが成功した後に、[閉じる]をクリックしてYOUを終了します。インストール後にアップデートファイルが必要でない場合、[アップデート後、ソースパッケージを削除する]を選択すると、アップデート後にファイルが削除されます。最後に、SuSEconfigが実行され、必要に応じてシステム設定が調整されます。

3.2.4. パッチCDによるアップデート

このオプションはFTPサーバからではなく、CDからパッチをインストールします。CDを使用するほうがより速くアップデートできることが利点です。パッチCDを挿入すると、CDに保存されているすべてのパッチがスキャンされ、ダイアログに表示されます。パッチのリストから該当するパッケージを、インストール対象として選択します。モジュールは、パッチCDが存在しない場合にエラーメッセージを表示します。パッチCDを挿入してモジュールを再起動します。

3.2.5. システムのアップデート

このモジュールはシステムにインストールされたバージョンのアップデートを可能にします。操作中には、SUSE Linuxベースシステムではなく、アプリケーションソフトウェアだけをアップデートできます。ベースシステムをアップデートするには、CDなどのインストールメディアからコンピュータをブートします。YaSTのインストールモードを選択する場合は、[新規にインストールする]ではなく、[既存のシステムの更新]を選択します。

システムをアップデートする処理手順は、新規のインストールと類似しています。最初に、YaSTはシステムを検査し、適切なアップデートの方針を決定し、推奨ダイアログに結果を表示します。詳細を変更するには、[変更]または個々の項目をクリックします。

3.2.5.1. アップデートオプション

システムに対するアップデート方法を設定します。2つのオプションが使用可能です。

Update with Installation of New Software(新しいソフトを含むアップデート)

システム全体を最新のソフトウェアバージョンにアップデートするには、定義済みの選択グループの1つを選択します。これらの選択グループは、インストール中に用意されるものと同じです。これにより以前に存在しなかったパッケージもインストールされることが確認されます。

インストール済みパッケージのみアップデート

このオプションはシステムに既に存在するパッケージだけをアップデートします。新しい機能はインストールされません。

さらに、[Delete Outdated Packages(廃止されたパッケージの削除)]を使用して、新しいバージョンが存在しないパッケージを削除します。このオプションは、廃止されたパッケージが不必要にハードディスクの容量を使用しないように、デフォルトで事前に選択されています。

3.2.5.2. パッケージ

パッケージ]をクリックして、パッケージマネージャを起動し、アップデートする個々のパッケージを選択または選択解除します。整合性チェックを実行すると、すべてのパッケージの競合が解決されます。パッケージマネージャの詳細な使用方法については、項3.2.1. 「ソフトウェアのインストールと削除」を参照してください。

3.2.5.3. バックアップ

アップデート中に、いくつかのパッケージの設定ファイルは、新しいバージョンの設定ファイルにより置き換えられます。現在のシステムでいくつかのファイルを変更した場合、通常、パッケージマネージャは、置き換えるファイルのバックアップコピーを作成します。このダイアログを使用して、これらのバックアップの範囲を決定します。

[Important]バックアップの範囲

このバックアップにはソフトウェアは含まれません。設定ファイルだけが含まれます。

3.2.5.4. 言語

システムに現在インストールされている第一言語および他の言語がここにリストされます。表示された設定の中で[言語]または[変更]+[言語]をクリックして言語を変更できます。第一言語が話されている地域に、キーボードレイアウトおよびタイムゾーンを合わせるよう選択できます。言語選択の詳細については、項3.7.11. 「言語の選択」を参照してください。

3.2.5.5. アップデートに関する重要な情報

システムのアップデートはとても複雑な処理です。各プログラムパッケージごとに、YaSTは最初にコンピュータにインストールされているバージョンを確認し、旧バージョンを新バージョンと正常に置き換えるのに必要な事柄を判断します。YaSTはまた、インストール済みパッケージ独自の設定をすべて使用するように試みます。いくつかの設定が問題の原因となる可能性があります。旧バージョンの設定では新しいプログラムのバージョンを処理できない場合があり、また、さまざまな設定の間で予期せぬ不整合が発生する可能性があるためです。

既存のバージョンが古いほど、またアップデートするパッケージの設定が標準設定から変更されているほど、アップデートで問題が発生しやすくなります。古い設定が、正常に継承されない場合もあります。この場合、完全に新しい設定を作成する必要があります。アップデートを開始する前に、既存の設定を保存してください。

3.2.6. XENのディレクトリへのインストール

このYaSTのモジュールでは、XENのディレクトリへのパッケージのインストールができます。 Xenは、x86互換コンピュータの仮想コンピュータモニタ(VMM)の一つです。これにより、物理的に1台のシステム上で、1つ以上の仮想コンピュータがそれぞれ固有のOSで、すぐれたパフォーマンスで安全に起動できるようになります。YaSTでは、rootディレクトリの配置場所、ディレクトリの命名、およびインストールしたいシステムとソフトウェアのタイプを決めることができます。このモジュール選択後、YaSTがシステム設定を判別し、デフォルトディレクトリ、インストール手順、およびインストールするソフトウェアをリストします。これは、[変更]をクリックすると編集できます。すべての変更は、[承認]をクリックして確定する必要があります。変更がすべて終わったら、インストールが完了したという表示が出るまで[次へ]をクリックし続けます。[完了]をクリックしてダイアログを終了します。XENの詳細については、章 37. Xenによる仮想化 (↑リファレンス)を参照してください。

3.2.7. メディアチェック

SUSE Linuxインストールメディアの使用中に問題が発生した場合、このモジュールを使用するCDまたはDVDをチェックします。まれに、特定のメディアを読み込むときに問題が発生するデバイスがあります。これは、「独自に作成した」メディアを使用する場合により発生します。SUSE Linux CDまたはDVDにエラーがないことをチェックするには、メディアをドライブに挿入してこのモジュールを実行します。[開始]をクリックすると、YaSTはメディアのMD5チェックサムをチェックします。これには少し時間がかかります。問題が検出された場合、インストール用にこのメディアを使用しないでください。

図 3.4. メディアのチェック

メディアのチェック