4.4. ファイル管理

デスクトップ環境の中枢はファイルマネージャアプリケーションです。このアプリケーションにより、システム上のあらゆるファイルの作成、アクセス、および管理を容易に行うことができます。Linuxでの従来のファイル管理は、コマンドラインを介して行われていました。この方法では、ファイルやそのプロパティの表示、作成、削除、または編集のためのさまざまなコマンドに関する詳しい知識が必要でした。ファイルマネージャを利用すれば、こうした作業をグラフィカルかつ直観的な方法で行うことができます。GNOMEとKDEのファイルマネージャの詳細については、項8.2. 「Nautilusによるファイル管理」項7.2. 「ファイルマネージャKonqueror」を参照してください。

4.4.1. Linuxファイルシステムの背後にある概念

Windowsオペレーティングシステムと異なり、Linuxではドライブ文字は使用しません。Windowsでは、フロッピーディスクドライブをA:\でアドレス指定し、WindowsシステムデータはC:\の下にある、などのようになります。Linuxでは、すべてのファイルとディレクトリがツリー型構造で配置されます。最上位のディレクトリは、ファイルシステムルートまたは/と呼ばれます。他のすべてのディレクトリには、ここからアクセスできます。

次に示すのは、Linuxファイルシステムツリーの簡単な手引きであり、最も重要なディレクトリを紹介しています。

/home/username

/homeでは、システム上にアカウントを持つすべてのユーザの個人データが保持されます。このディレクトリにあるファイルは、その所有者またはシステム管理者しか変更できません。たとえば、各自の電子メールディレクトリは、このディレクトリにあります。

/media

/mediaでは、一般にシステムのハードディスク以外のあらゆるタイプのドライブが保持されます。 USBフラッシュドライブは、接続されると/mediaの下に表示されます。これは、デジタルカメラ(USBを使用する場合)またはDVDやCDドライブを接続した場合も同様です。

/usr/share/doc

/usr/share/docの下に、Linuxシステムとインストールされたパッケージに関するあらゆる種類のマニュアルがあります。 manualサブディレクトリには、このマニュアルのデジタルコピーと「リファレンス」マニュアル、そしてインストールされたSUSE Linuxのバージョンのリリースノートが置かれています。packagesディレクトリには、ソフトウェアパッケージに付属するマニュアルが保持されます。

/windows

システム上にMS WindowsとLinuxの両方がインストールされている場合は、このディレクトリにMS Windowsのデータがあります。

Linuxファイルシステムの概念の詳細およびディレクトリの詳細なリストについては、項27.1.2. 「ファイルとディレクトリ」 (↑リファレンス)を参照してください。

4.4.2. ファイルマネージャのさまざまな特色

すべてのデータの編成とほとんどの種類のファイルのプレビューを除いて、ファイルマネージャは個人のデータ、システム情報、およびネットワークサービスの「クイックファインダ」として機能することができます。こうしたモジュールは、標準のデスクトップに含まれています。

ホームディレクトリ

GNOMEの[ホーム]デスクトップアイコンまたはKDEパネルの小さい家のアイコンを使用して、ホームディレクトリのすべての内容を表示するファイルマネージャ(GNOMEではNautilus、KDEではKonqueror)を起動します。このオプションにより、ホームディレクトリにある個人データを迅速に取得できます。

使用しているシステム

どのハードディスクまたはリムーバブルメディアがシステムに接続されているかを認識している必要がある場合は、デスクトップアイコン[コンピュータ](GNOME)または[マイコンピュータ](KDE)をクリックします。ファイルマネージャは、ハードディスクをはじめとする、システムに接続されているすべてのドライブの概要を示します。ファイルマネージャで示されるドライブのいずれかをクリックすると、ファイルマネージャが開かれ、このドライブ上にあるファイルとディレクトリが表示されます。このオプションにより、システムに接続されているあらゆる種類のリムーバブルデバイス上のデータを検索できます。デジタルカメラは、USBフラッシュやハードディスクと同様にこのリストに表示されます。

所属しているネットワーク

最上位のGNOMEパネルの[場所]メニューを使用して、ネットワークフォルダにアクセスします。KDEでは、[ネットワーク参照]デスクトップアイコンをクリックして、ネットワークで提供されているすべてのサービスを収集します。この機能を使用して、使用可能なネットワーク共有や、ネットワークに登録されているWindowsネットワーク、FTPサーバ、または他のサービスタイプにアクセスします。

4.4.3. ファイルの検索

システム全体で特定のファイルを検索する必要がある場合は、デスクトップ環境に用意されているグラフィカルな検索アプリケーションを使用します。GNOMEでは、[場所]+[ファイルの検索]を選択して、検索ツールを起動します。最初のダイアログでは、ファイルの名前または名前の一部の入力が求められます。ファイルの検索先ディレクトリを指定します。 ファイルが確実にホームディレクトリにあるとわかっている場合は、自動選択された/home/usernameパスをそのまま使用します。ファイルシステム全体での検索を起動するには、/を入力してファイルシステムルートを選択します。さらに検索条件を追加して、検索を絞り込みます。[追加オプションの表示]をクリックし、表示される任意の条件を選択します。正規表現やワイルドカードを使用することもできます。 すべてのデータを入力したら、[検索]をクリックして検索を起動し、ウィンドウの下部に示される結果を参照します。検索の範囲によっては、プロセス全体に相当の時間がかかる場合があります。

KDEには、アプリケーションKFindが用意されています。このアプリケーションは、メインメニューの[ファイルの検索]を選択すれば起動されます。検索ウィンドウは、[名前/場所]、[内容]、[プロパティ]の各タブに分かれています。[名前/場所]タブでは、必要に応じて、アスタリスクや疑問符のようなワイルドカードを使用してファイルの名前を入力します。検索パスを入力し、検索にサブフォルダを含めるかどうか、また大文字と小文字を区別するかどうかを指定します。[内容]タブは、特定の表現についてファイルの内容を検索する場合に使用されます。このタイプの検索では、限られた数のファイルタイプ(テキストファイル、OpenOffice.orgまたはKWord形式など)だけがサポートされています。KRegExpEditorがインストールされている場合(パッケージkdeutils3-extra)は、正規表現も使用できます。ファイル所有者、ファイルサイズ、変更日付などの属性を指定して検索の範囲を限定するには、[プロパティ]タブを使用します。

[Tip]検索パターンの詳細

検索パターンの詳細およびワイルドカードまたは正規表現の使用方法については、項27.1. 「コマンドラインでバッシュを使用する」 (↑リファレンス)を参照してください。