4.3. デスクトップ

SUSE Linuxでは、いくつかのデスクトップを選択できます。最も一般的なデスクトップであるGNOMEとKDEでは、Microsoft WindowsやMac OSで使用されているデスクトップの機能と同様の機能が用意されています。ここでは、それぞれの最も重要な機能を紹介し、新しいデスクトップ環境に慣れるように支援します。

4.3.1. デスクトップ用語

以下に、ベースシステムにかかわらず、デスクトップコンテキストで頻繁に使用される用語をいくつか紹介します。ただし、用語には、さまざまなデスクトップ環境でさまざまな意味を持つものや、1つの環境に限定されるものもあります。

図 4.2. デスクトップの例

デスクトップの例
デスクトップ

デスクトップとは、各自の主要な作業環境のことです。デスクトップは、画面一杯に表示されますが、単なる背景ではありません。 最も頻繁に使用するアプリケーションやオブジェクトのアイコンをデスクトップ上に配置すれば、容易にアクセスできます。

パネル

パネルとは、一般に画面の上部または下部にあるバーのことです。パネルには、メニュー、クイック起動領域、通知領域やシステムトレイ、小規模なヘルパーアプリケーションが表示されます。また、ほとんどの場合、タスクバー(GNOMEではウィンドウリスト)も表示されます。 パネルは、アプリケーションやシステムの実行に必要な情報を提供するとともに、重要な機能やアプリケーションに容易にアクセスできるようにデザインされています。GNOMEおよびKDEのどちらを使用しても、パネルの方向(横と縦)をユーザニーズに合わせることができます。KDE環境では、パネルの別の単語として「Kicker」が使用される場合もあります。

メニューボタン

Windows デスクトップの「スタートボタン」と同様に、Linuxデスクトップでは、通常パネルの左端に、メインメニューを開くメニューボタンがあります。 このメニューは、主要なアプリケーションや機能([検索]、[Log Out]、[セッションのロック]など)にアクセスできるように、よく整理された構造になっています。

タスクバーまたはウィンドウリスト

タスクバー(GNOMEではウィンドウリスト)は、開いているさまざまなウィンドウを切り替えるために使用されます。Linuxでは、タスクバーで、使用可能なすべての仮想デスクトップの概要が表示され、そうしたデスクトップを切り替えることもできます。タスクバーはパネルの一部です。

クイックラウンチャ

クイックラウンチャはパネルの一部です。クイックラウンチャは、最も重要な機能やアプリケーションのアイコンを保持します。それにより、アプリケーションメニューを通さなくてもそうした機能やアプリケーションを起動できます。

通知領域またはシステムトレイ

パネルの右端の部分は、システムクロック、ボリューム制御、および他のいくつかのヘルパーアプリケーションを保持します。

アプレット

アプレットとは、パネルに組み込まれている小規模なアプリケーションのことです。アプリケーションとは、画面上で独自のウィンドウを使用するフル装備のコンピュータプログラムのことです。

デスクトップアイコン

デスクトップアイコンはデスクトップに常駐し、ファイル、ディレクトリ、アプリケーションや機能、およびリムーバブルメディア(CD、DVDなど)を表します。 最もよく知られたデスクトップアイコンはおそらくごみ箱です。このアイコンに、削除するファイルをドロップできます。

仮想デスクトップまたはワークスペース

仮想デスクトップ(GNOMEではワークスペース)の概念は、オフィスに複数のデスクを持っているようなものです。すべての仮想デスクトップにデータを格納できますが、一度に1つのデスクトップでしか作業できません。各仮想デスクトップをさまざまなタスク専用にするか、または特別な領域として使用できます。仮想デスクトップを使用すれば、複数のウィンドウを同時に開くことができますが、表示できるのは、そのうちの1つまたは一部だけです。紙をある物理的なデスクから別のデスクに移すのと同様に、仮想デスクトップの間でウィンドウを簡単に切り替えることができます。すべてのデスクトップ環境で、仮想デスクトップの数と用途を設定できます。ワークスペース切り替え機能は、GNOMEとKDEパネルのどちらにも用意されています。

端末

端末を使えば、オペレーティングシステムにコマンドを送信できます。 「文字通りの」(物理的な)端末もあり、これらは基本的に、コンピュータに接続された表示画面とキーボードから構成されています。 また、端末エミュレータもあります。これらはデスクトップ上のウィンドウ内で動作し、コマンドをオペレーティングシステムに渡すことができます。

セッション

デスクトップにログインしたら、セッションが開始されます。このセッションは、ログアウトするまで有効です。 セッションには、ログイン時とログアウト時の特定のプログラムの起動とシャットダウンが含まれます。こうした設定は、ユーザーアカウントごとに個々に設定できます。

4.3.2. デスクトップコンポーネントの設定

ほぼすべてのデスクトップコンポーネントを個々に設定できます。 それぞれの要素を右クリックすると、そのコンテキストメニューが開かれます。この手順を示すために、例をいくつか挙げます。

[Tip]デスクトップ設定の制御

GNOMEとKDEはどちらも、デスクトップ環境のすべての重要な設定オプションに一元的にアクセスできるコントロールセンターを特徴としています。詳細については、章 8. GNOMEデスクトップまたは章 7. KDEデスクトップを参照してください。

4.3.2.1. GNOMEデスクトップコンポーネントの設定

手順 4.1. クイック起動領域への新しいアプリケーションの追加

  1. 新しいアプリケーションの追加先パネルの空のパッチを右クリックします。

  2. 表示されたメニューから[パネルへ追加]を選択します。

  3. パネルへ追加]メニューから[アプリケーションラウンチャ]を選択します。

  4. アプリケーション]メニューからアプリケーションを選択し、設定を終了します。

手順 4.2. デスクトップの背景の変更

  1. デスクトップを右クリックします。

  2. 表示されたメニューから[背景の変更]を選択します。

  3. デスクトップに関するさまざまなオプションを提供するダイアログボックスが表示されます。マウスカーソルを使用して、既存の壁紙のいずれかを選択するか、または[追加]をクリックして、独自の画像を追加できるファイルダイアログを開きます。[スタイル]を選択して、画面の大きさに合わせるために画像の表示方法を指定します。[削除]を選択して、選択した背景をメニューから削除します。背景画像が不要な場合は、デスクトップの色を設定します。

  4. 変更内容は自動的に適用されます。[閉じる]を選択し、ダイアログを終了します。

手順 4.3. 新しいデスクトップアイコンの作成

  1. 新しいアプリケーションアイコンまたはサービスアイコン(GNOMEでは「ラウンチャ」)を追加します。

    1. デスクトップを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。

    2. ランチャの作成]を選択して、適切なダイアログを開きます。

    3. 名前]、[一般名]、オプションの[コメント]、および実行する[コマンド]を入力します。 アプリケーションを端末で実行する必要があるかどうかを確認し、[Type]が、適切な値(コマンド用の[Application])に設定されているかどうかを確認します。

    4. 設定を適用し、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

  2. 新しいフォルダまたはドキュメントを追加します。

    1. デスクトップを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。

    2. フォルダを作成]または[Create Document (ドキュメントを作成)]を選択して、デスクトップに新しい項目を追加します。

    3. 新しいデスクトップアイコンを右クリックして、[プロパティ]を選択します。

    4. 基本]タブで新しいオブジェクトの名前を入力します。[エンブレム]タブを介して適切なアイコンを選択します。 [アクセス権]タブを使用して、このオブジェクトに割り当てられているファイルシステムパーミッションを指定します。 最後に、[開き方]タブで、このドキュメントを開くのに使うアプリケーションを選択します。 ファイルシステムパーミッションの詳細については、項27.2. 「ユーザとアクセス権」 (↑リファレンス)を参照してください。

    5. プロパティ]ダイアログを閉じると、変更が適用されます。

4.3.2.2. KDEデスクトップコンポーネントの設定

手順 4.4. クイック起動領域への新しいアプリケーションの追加

  1. 新しいアプリケーションの追加先パネルの空のパッチを右クリックします。

  2. 表示されたメニューから[Add to Panel]+[Application]の順に選択します。

  3. サブメニューのカテゴリのいずれかからアプリケーションを選択します。

手順 4.5. デスクトップの背景の変更

  1. デスクトップを右クリックします。

  2. デスクトップの設定]を選択します。[背景]、[振舞い]、[デスクトップの数]、[スクリーンセーバ]、[ディスプレイ]の各デスクトップの設定を変更できるダイアログが表示されます。

  3. 背景]を選択し、設定をある特定のデスクトップに適用するか、すべてのデスクトップに適用するかを指定します。背景画像を選択して、背景画像を無効にするか、またはスライドショーを開始します。[オプション]では、背景画像の位置、背景色、および色付きの背景のブレンドに対するさまざまな設定を提供しています。

  4. 変更を適用し、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

手順 4.6. 新しいデスクトップアイコンの作成

  1. 新しいフォルダアイコンを追加します。

    1. デスクトップを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。

    2. [新規作成]+[フォルダ]を選択します。

    3. 求めに応じて新しいフォルダの名前を入力します。

    4. 新しいアイコンを右クリックし、表示されたコンテキストメニューの[プロパティ]を選択します。

    5. プロパティ]ダイアログは、[一般]、[許可情報]、[メタ情報]、[共有]の4つのタブから成ります。 フォルダの名前とアイコンは[一般]タブで設定します。 パーミッションは[許可]タブで変更します。[Meta Info (メタ情報)]タブには、新しいフォルダの項目のサイズと数が示されます。 [共有]タブでは、NFSまたはSambaによるファイル共有を設定できます。 この2つのプロトコルの詳細については、「リファレンス」を参照してください。

    6. 変更を適用し、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

  2. 新しいファイルアイコンを追加します。

    1. デスクトップを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。

    2. 新規作成]を選択します。

    3. 適切なファイルタイプを[HTMLファイル]、[アプリケーションへのリンク]、[Link to Location (場所へのリンク)]、または[テキストファイル]から選択します。

    4. 求めに応じて新しいファイルの名前を入力します。

    5. 新しいアイコンを右クリックし、表示されたコンテキストメニューの[プロパティ]を選択します。

    6. プロパティ]ダイアログは、[一般]、[許可情報]、[メタ情報]の3つのタブから成ります。[一般]タブでファイルの名前とアイコンを設定します。[許可]タブでパーミッションを変更します。[Meta Info (メタ情報)]タブには、行数、単語数、文字数、および新しいファイルの形式が示されます。

    7. 変更を適用し、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

  3. 新しいデバイスアイコンを追加します。

    1. デスクトップを右クリックすると、コンテキストメニューが表示されます。

    2. [新規作成]+[Link to Device (デバイスへのリンク)]を選択します。

    3. 適切なデバイスタイプを選択すると、[プロパティ]ダイアログが表示されます。

    4. プロパティ]ダイアログは、[一般]、[許可]、[デバイス]、[メタ情報]の4つのタブから成ります。[一般]タブでデバイスの名前とアイコンを設定します。[許可]タブでパーミッションを変更します。[デバイス]タブは、デバイスパス(DVDドライブの/media/dvdなど)、および他のいくつかのオプションを設定する場合に使用されます。

    5. 変更を適用し、[OK]をクリックしてダイアログを閉じます。

4.3.3. 小規模なヘルパー

GNOMEとKDEのどちらにも多数の小規模なヘルパーアプリケーションが付属しており、それを自分のパネルに組み込むことができます。 新しいヘルパーアプリケーションを追加する場合や既存のヘルパーアプリケーションを削除する場合は、項4.3.2. 「デスクトップコンポーネントの設定」で説明する手順に従ってください。 最も有用で目立つものとしては、以下のものがあります。

SuSEWatcher

SUSEWatcherは、パネルのシステムトレイに統合されているプログラムです。このプログラムは、新しいソフトウェアアップデートをチェックします。 新しいアップデートを検出するには、適切なネットワーク接続が必要です。 SUSEWatcherのステータスは、パネルのアイコンの色で表示されます。

パネルでアイコンをクリックするとウィンドウが開き、オンラインアップデートのステータスと新しいアップデートの有無が表示されます。また、[Check for updates (アップデートの確認)]をクリックして、手動でチェックを実行することもできます。オンラインアップデートを開始するには、[Start online update (オンラインアップデートの開始)]を選択し、rootパスワードを入力します。 YaSTのオンラインアップデートウィンドウが表示されます。

SUSE Hardware Tool

SUSE Hardware Toolは、システムのすべてのハードウェアコンポーネントのリストを保持します。パネルアイコンを左クリックすると、ダイアログ ウィンドウが開かれ、主要なハードウェアカテゴリを示すツリービューが表示されます。新しいハードウェア項目を設定するには、その項目を選択して[設定]をクリックします。この操作により、rootパスワードを指定した後に適切なYaSTモジュールが起動されます。[詳細]をクリックすると、特定のハードウェア項目の設定されているすべての情報が表示されます。新しいハードウェアが接続されて認識されるとすぐに、ポップアップウィンドウで、この新しいハードウェアが公表されます。

Beagle

Beagelは、GNOMEデスクトップ用に最適化された小さな検索ツールで、個人の情報スペース内にインデックスを作成して検索を行います。電子メールメッセージやチャットのログ、そして他の多くの項目が対象になります。 Beagleについての詳細は、章 14. Beagleを使う (↑リファレンス)を参照してください。

KRandRTray

KRandRTrayを使えば、KDEデスクトップの画面解像度とリフレッシュレートを変更できます。 現在のハードウェア設定でサポートされているすべてのオプションが表示されます。 他の解像度に変更するには、トレイのアイコンをクリックし、新しい解像度を選択して、新しい設定を確認します。 [Configure Display]では、現在のハードウェア設定が変更をサポートしていれば、[Size & Orientation]、[Monitor Gamma]、および[Power Control]を変更することができます。

Resolution Switcher

Resolution Switcherは、GNOMEデスクトップの画面解像度とディスプレイのリフレッシュレートを調整します。 パネルのアイコンをクリックして、適切な解像度とリフレッシュレートを選択してください。 Resolution Switcherは、現在のディスプレイ設定でサポートされているすべてのオプションを表示します。 ディスプレイの設定を変更するには、パネルのアイコンをクリックしてメニューを表示し、[Configure Display Settings]を選択します。 rootのパスワードを入力し、必要に応じてハードウェア設定を変更してください。

4.3.4. ユーザの切り替え

GDMおよびKDMでは、同じシステムのさまざまなユーザアカウントを切り替えることができます。自分がログインしたまま、そのシステムで他のユーザが作業できます。別のアカウントに切り替える間、各自のセッションはロックされますが、アプリケーションは実行を継続し、セッション全体は不変のままです。

4.3.4.1. GNOMEでのユーザの切り替え

さらに別のユーザのセッションを開くには、GNOMEの[アプリケーション]メニューから[新規ログイン]を選択します。 他のユーザがGDMでユーザ名とパスワードを入力すると、別のGNOMEセッションが開始します。各自の最初のセッションは、ユーザ切り替えで自動的にロックされます。 元のセッションに戻るには、Ctrl-Alt-F7を押します。 ★翻訳不要★

[Important]画面の切り替え

各自の元のセッションは、Ctrl-Alt-F7によりグラフィカルコンソールで開始されます。追加セッションは、F8以降のキーを介して上位コンソールで開始されます。

4.3.4.2. KDEでのユーザの切り替え

KDEで別のセッションを開くには、メインメニューを使います。[Switch User (ユーザの切り替え)]を選択し、別のユーザアカウントに切り替える間に元のセッションをロックするかどうかを指定します。KDMが表示され、新しいアカウントのユーザ名とパスワードが求められます。要求されたデータを入力すると、新しいKDEセッションが開始されます。元のセッションに戻すには、[Switch User (ユーザの切り替え)]をもう一度クリックします。切り替え先のセッションを選択します。

新しいセッションを開始する別の方法は、[セッションのロック]で現在のセッションをロックしてから、ロック解除ダイアログで[Switch User]をクリックすることです。 KDMのログイン画面が表示されるので、新しいセッションでのユーザ名とパスワードを入力します。