YaSTには、LDAPベースのユーザ管理をセットアップするためのモジュールが組み込まれています。インストール時にこの機能を有効にしなかった場合は、+の順に選択してモジュールを起動します。LDAPに必要なPAMおよびNSS関連の変更が自動的に有効になり、必要なファイルがインストールされます。
クライアントマシンのバックグラウンドで動作しているプロセスについての背景となる知識があれば、YaST LDAPクライアントモジュールの働きを理解するうえで助けになります。 ネットワーク認証のためにLDAPがアクティブ化される、またはYaSTモジュールが呼び出されると、パッケージpam_ldapおよびnss_ldapがインストールされ、対応する2つの設定ファイルが調整されます。 pam_ldapは、ログインプロセスと認証データのソースであるLDAPディレクトリとの間のネゴシエートを受け持つPAMモジュールです。 専用モジュールpam_ldap.soがインストールされ、PAM設定が調整されます(例 45.11. 「LDAPに合わせて調整されたpam_unix2.conf」を参照)。
LDAPを使用するようにサービスを手動で追加設定する場合は、/etc/pam.d内のサービスに対応するPAM設定ファイルにPAM LDAPモジュールを組み込みます。/usr/share/doc/packages/pam_ldap/pam.d/には、個々のサービスに合わせて調整済みの設定ファイルが用意されています。適切なファイルを/etc/pam.dにコピーしてください。
nsswitchメカニズムを介したglibcの名前解決は、LDAPと共にnss_ldapを使用するように調整されています。新しく調整されたファイルnsswitch.confが、このパッケージのインストールと共に/etc/に作成されます。nsswitch.confの機能の詳細については、項38.5.1. 「環境設定ファイル」を参照してください。LDAPを使用してユーザ管理および認証を行うために、nsswitch.confに次の行が存在する必要があります。 例 45.12. 「nsswitch.confの調整」を参照してください。
この行は、glibcのリゾルバライブラリに対して、最初に/etc内で対応するファイルを評価し、次に認証およびユーザデータのソースとしてLDAPサーバにアクセスするように指示しています。このメカニズムをテストするために、たとえばgetent passwdコマンドを使用してユーザデータベースの内容を読み込みます。返されたセットには、システムのローカルユーザに関する情報と、LDAPサーバに格納されている全ユーザに関する情報が含まれているはずです。
LDAPで管理される通常のユーザがsshまたはloginを使用してサーバにログインするのを防止するには、ファイル/etc/passwdおよび/etc/groupにそれぞれ1行を追加する必要があります。 ★翻訳不要★ この行は、/etc/passwdの場合は+::::::/sbin/nologin、/etc/groupの場合は+:::です。
最初にnss_ldapを調整すれば、pam_ldap、/etc/passwd、/etc/groupの設定はYaSTによって行われるので、単にクライアントをサーバに接続すれば、YaSTにLDAPいよるユーザ管理を行わせることができます。この基本的なセットアップは項45.5.2.1. 「基本的な設定」で説明されています。
YaSTのグループおよびユーザ設定モジュールをさらに設定するには、YaST LDAPクライアントを使います。これには、新規ユーザおよびグループのデフォルト設定、そしてユーザまたはグループに割り当てられる属性の数と性質を操作することが含まれます。LDAPのユーザ管理を使えば、従来のユーザまたはグループ管理ソリューションより、ユーザやグループにずっと多くの異なった属性を割り当てることができます。これは項45.5.2.2. 「YaSTのグループおよびユーザ管理のモジュールを設定する」で説明されています。
インストール時にLDAPユーザ管理を選択するか、インストール後のシステムのYaST Control Centerで+の順に選択すると、基本的なLDAPクライアント設定ダイアログ(図 45.2. 「YaST:LDAPクライアントの設定」)が表示されます。
マシンのユーザをOpenLDAPサーバに対して認証し、OpenLDAPによるゆーざかんりをゆうこうにするには、以下の手順に従います。
[]をクリックして、LDAPの使用を有効にします。認証のためにLDAPを使うものの、他のユーザがこのクライアントにログインしないようにする場合には、[]を選択します。
使用するLDAPサーバのIPアドレスを入力します。
[]に入力して、LDAPサーバ上の検索ベースを選択します。
サーバとの間でTLSまたはSSLによって保護された通信が必要な場合には[]を選択します。
LDAPサーバがまたLDAPv2を使用している場合には、[]を選択して、このプロトコルのバージョンの使用を明示的に有効にします。
リモートに管理された/homeなど、クライアントにリモートディレクトリをマウントする場合には、[]をオンにします。
[]をクリックして、設定を適用します。
サーバ上のデータを管理者として修正するには、[]をクリックします。次のダイアログは2つのタブに分かれています。図 45.3. 「YaST:詳細な設定」を参照してください。
[]タブで、必要に合わせて以下の設定を調整します。
ユーザ、パスワード、グループの検索ベースが[]で指定したグローバルな検索ベースとは異なる場合には、[]、[]、および[]でそれらの異なる名前付けコンテキストを入力します。
パスワード変更プロトコルを指定します。パスワードが変更されたときに使用する標準的な方法はcryptで、cryptによって生成されたパスワードハッシュが使用されることを意味しています。この点や他のオプションの詳細については、pam_ldap manページを参照してください。
[]で、使用するLDAPグループを指定します。このデフォルトの値はmemberです。
[]で、以下の設定を調整します。
[]で、ユーザ管理データを保管するベースを設定します。
[]に適切な値を入力します。この特定のユーザがLDAPサーバに保管されたデータを操作できるようにするためには、このDNは、/etc/openldap/slapd.confで指定されたrootdn値と同一である必要があります。
サーバ上に基本設定オブジェクトを作成して、LDAPによるユーザ管理を有効にするには、[]をオンにします。
お使いのクライアントマシンを、ネットワーク上のホームディレクトリ用のファイルサーバとして動作させ場合には、[]をオンにします。
[]をクリックして[]を終え、[]をクリックして設定を適用します。
[]をクリックし、LDAPサーバ上のエントリを編集します。これにより、サーバに格納されているACLとACIに従って、サーバ上の設定モジュールへのアクセス権が付与されます。項45.5.2.2. 「YaSTのグループおよびユーザ管理のモジュールを設定する」で概略が説明されている手順に従います。
YaSTのLDAPクライアントを使用して、YaSTモジュールをユーザとグループの管理用に調整し、それを必要に応じて拡張します。データの登録を単純化するために、個々の属性のデフォルトの値のテンプレートを定義します。ここで作成した事前設定は、LDAPディレクトリにLDAPオブジェクトとして格納されます。ユーザデータの登録には、通常のYaSTのユーザおよびグループ管理用モジュールが使用されます。登録されたデータはサーバ上にLDAPオブジェクトとして保管されます。
モジュール設定ダイアログ(図 45.4. 「YaST:モジュールの設定」)を使用すると、新規モジュールの作成、既存の設定モジュールの選択と変更、およびそれらのモジュールのテンプレートの設計と変更ができます。
新しい設定モジュールを作成するには、以下の手順に従います。
[]をクリックして、作成するモジュールのタイプを選択します。ユーザ設定モジュールの場合にはsuseuserconfigurationを選択し、グループ設定の場合はsusegroupconfigurationを選択します。
新しいテンプレートの名前を選択します。
これにより、コンテンツビューに、このモジュールで許可されている全属性と、それぞれに割り当てられている値がテーブル形式のリストとして表示されます。このリストには、設定されているすべての属性に加えて、現行スキーマで許可されているが現在は使用されていない他の属性もすべて含まれています。
プリセットされている値を受け入れるか、それぞれの属性を選択して[]を押し、新しい値を入力して、グループおよびユーザ構成で使用するデフォルトを調整します。モジュールの名前を変更するには、モジュールのcn属性を変更します。現在選択しているモジュールを削除するには[]をクリックします。
[]をクリックすると、選択メニューに新しいモジュールが追加されます。
YaSTのグループおよびユーザ管理用モジュールには、重要な標準値が設定されたテンプレートが埋め込まれています。設定モジュールに関連したテンプレートを編集するには、以下の手順に従います。
[]ダイアログで、[]をクリックします。
必要に応じて、このテンプレートに割り当てられている一般的な属性の値を決めます。空にしておくこともできます。空の属性は、LDAPサーバ上で削除されます。
新しいオブジェクト(LDAPツリー内のユーザまたはグループ設定オブジェクト)のデフォルトの値を修正、削除、または追加します
モジュールのsusedefaulttemplate属性値を調整済みテンプレートのDNに設定し、テンプレートを対応するモジュールに接続します。
![]() | ティップ |
|---|---|
絶対値の代わりに変数スタイルを使用すると、属性のデフォルト値を他の属性から作成できます。たとえば、新規ユーザの作成時には、 | |
すべてのモジュールとテンプレートを適切に設定し、実行する準備が完了したら、新しいグループとユーザを通常の方法でに登録できます。