第8章 GNOMEデスクトップ

目次

8.1. デスクトップコンポーネント
8.2. Nautilusによるファイル管理
8.3. 主要なユーティリティ
8.4. アクセスに関する技術サポート

概要

この章では、GNOME (GNU Network Object Model Environment)デスクトップを紹介します。また、ファイルマネージャNautilusの詳細を含め、デスクトップの最も重要な要素と機能の概要についても簡潔に説明します。 新しいデスクトップ環境に慣れるに役立つ、洗練された有用ないくつかのアプリケーションについても説明します。

GNOMEは、非常に直観的なルックアンドフィールを備えています。ただし、Microsoft WindowsデスクトップからLinuxに移行するユーザは、少し慣れを必要とする場合があります。 Macintoshから移行するユーザは、GNOMEに対して違和感がないことに気付くかもしれません。GNOMEは、LinuxにMacタイプのルックアンドフィールを提供することを目指しているからです。

GNOMEでは以下の点が非常に重要です。

ダブルクリック

Macデスクトップと同様に、GNOMEデスクトップはダブルクリックですべての操作を行うことができます。 デスクトップアイコンをクリックしてイベントを発生させる、たとえば、ホームフォルダを開くには、そのフォルダをダブルクリックします。ファイルマネージャでサブディレクトリを開くには、親フォルダをダブルクリックします。

即時適用

GNOMEアプリケーションから開かれた、またはGNOMEデスクトップ設定の一部として開かれた設定ダイアログは、「即時適用」の原則に従います。 初期設定を入力した後は、[閉じる]ボタンをクリックするだけで入力した設定が保存され、ダイアログが閉じます。この種類のダイアログには、[適用]、[OK]、[キャンセル]などのボタンはありません。

8.1. デスクトップコンポーネント

GNOMEデスクトップの重要な要素は、デスクトップ上のアイコン、画面の上端と下端にあるパネル、およびパネルメニューです。マウスは最も重要なツールですが、GNOMEには、障害のある方々をサポートする点字、スピーチシンセサイザ、オンスクリーンキーボードなどの支援技術も組み込まれています。 これらのテクノロジについての詳細は、項8.4. 「アクセスに関する技術サポート」を参照してください。

8.1.1. アイコン

デフォルトのGNOMEデスクトップには、次のデスクトップアイコンが表示されます。これらのアイコンを使用して、システム内を移動したり、基本機能を実行したりできます。

コンピュータ:

コンピュータ]デスクトップアイコンを使用すると、コンピュータに接続されているデバイスにすばやくアクセスできます。これらのデバイスには、ハードドライブ、パーティション、デジタルカメラ、USBフラッシュドライブなどがあります。

ホーム:

ホーム]デスクトップアイコンを使用すると、個人データに簡単にアクセスできます。

ゴミ箱:

ゴミ箱]デスクトップアイコンには、削除するアイテムをドロップできます。ゴミ箱を空にしない限り、これらのアイテムが永久に削除されることはありません。ゴミ箱の中にあるアイテムは復元できます。

アイコンを右クリックすると、ファイル操作(コピー、切り取り、名前の変更など)のメニューが表示されます。このメニューから[プロパティ]を選択すると、設定ダイアログが表示されます。 アイコンのタイトルやアイコンそのものを変更するには、[カスタム・アイコンの選択]を使用します。 [エンブレム]タブでは、項目(ファイルやフォルダなど)に、マークのための小さなアイコンを追加できます。 たとえば、あるファイルを重要であるとマークするには、そのアイコンに「重要」のエンブレムを追加します。[アクセス権]タブでは、ユーザやグループなどに設定されている、このファイルに対するアクセス、読み取り、および書き込みパーミッションを表示したり変更したりできます。[メモ]タブでは、コメントを管理します。 ゴミ箱のメニューには、[ゴミ箱を空にする]という項目が追加されており、ゴミ箱の内容を削除することができます。

デスクトップからアイコンを削除するには、ゴミ箱にそのアイコンをドラッグするだけです。ただし、この操作には注意が必要です。フォルダアイコンまたはファイルアイコンをゴミ箱に移動すると、実際のデータが削除されます。アイコンがファイルまたはディレクトリへのリンクを表している場合は、そのリンクだけが削除されます。

デスクトップ上にフォルダまたはファイルへのリンクを作成するには、まずNautilusを使用してそのオブジェクトにアクセスします(項8.2.1. 「Nautilus内の移動」を参照)。 次に、オブジェクトを右クリックして[リンクの作成]を選択します。作成したリンクをNautilusウィンドウからドラッグし、デスクトップ上にドロップします。

8.1.2. デスクトップのコンテキストメニュー

デスクトップの空き領域を右クリックすると、さまざまなオプションを含むメニューが表示されます。 新しいフォルダを作成するには[フォルダの生成]を、新しいドキュメントを作成するには[ドキュメントの生成]を選択します。 アプリケーションのランチャアイコンを作成するには、[ランチャの生成]を使用します。次に、アプリケーションの名前と起動コマンドを指定し、そのアプリケーションを表すアイコンを選択します。 デスクトップアイコンの順番や整列を変更するには、[名前順に整理する]と[配置を維持する]オプションを使用します。 デスクトップの背景を変更したり、デスクトップにファイルを貼り付けたりすることもできます。

8.1.3. パネル

最初のログイン時には、GNOMEデスクトップの上端と下端にパネルが表示されます。 上のパネルには、3つのパネルメニュー([アプリケーション]、[場所]、[デスクトップ])、最も重要なプログラム(Firefox WebブラウザおよびOpenOffice.org Writer)のボタンを含むクイック起動領域、アプレットアイコン(SUSEWatcher、SUSEPlugger、ディスプレイ設定、およびネットワーク設定)を含むシステムトレイ、そしてシステム時計とボリュームコントロールを含む通知領域があります。

下のパネルでは、現在起動されているすべてのアプリケーションのウィンドウアイコンが左側のタスクバーに表示されます。 タスクバーのウィンドウの名前をクリックすると、それに対応するウィンドウが最前面に表示されます。アプリケーションがすでに最前面に表示されている場合は、マウスクリックによって最小化されます。 最小化されたアプリケーションをクリックすると、ウィンドウが再び表示されます。

タスクバーの右には[ワークスペース切り換え器]があり、ここから他のワークスペースにアクセスできます。これらの仮想デスクトップによって提供される追加領域に、開いているアプリケーションやウィンドウを配置できます。 たとえば、エディタをあるワークスペースに配置し、シェルを別のワークスペースに、そして電子メールアプリケーションとWebブラウザを3つめのワークスペースに配置します。 ウィンドウを別のワークスペースに移動するには、[ワークスペース切り替え器]にあるそのウィンドウのアイコンを、現在のワークスペースから別のワークスペースにドラッグします。

パネル内の空き領域を右クリックすると、GNOMEとパネルのヘルプ、情報、およびコマンドを含むメニューが表示されます。 このメニューから[プロパティ]を選択すると、設定ダイアログが表示されます。このダイアログでパネルの位置や背景を変更できます。 [パネルへ追加]を選択すれば、既存のパネルにランチャ、ツール、および各種アプレットを追加できます。 パネルの要素を削除するには、そのアイコンを右クリックして[パネルから削除]を選択します。 新しいパネルを追加するには、[新しいパネル]を追加します。

8.1.3.1. アプリケーションメニュー

アプリケーション]メニューを使用すると、システムにインストールされているアプリケーションの階層に簡単にアクセスできます。 多くのアプリケーションはサブメニューにグループ化され、サブメニューはそれぞれ[システム]、[オフィス]、[Internet]などのカテゴリに対応しています。 アプリケーションを起動するには、[アプリケーション]をクリックしてメニュー全体を表示し、適切なカテゴリ、サブメニューを選択して、アプリケーション名をクリックします。

メニューにないアプリケーションは、コマンドが分かれば[アプリケーションの実行](Alt-F2)プロンプトから起動できます。たとえば、デジタル写真を参照したい場合に、メニューにgThumbがなければ、[アプリケーションの実行]プロンプトに「gthumb」と入力します。

8.1.3.2. 場所メニュー

場所]メニューを使用すれば、ユーザのホームディレクトリ、ドライブ、デスクトップフォルダ、ネットワークフォルダなど、よく使用する場所に簡単にアクセスできます。最近開いたドキュメントの検索やファイルの検索などの機能もこのメニューから実行できます。 ローカルおよびリモートフォルダのファイル管理についての詳細は、項8.2.2. 「ファイル管理」を参照してください。

8.1.3.3. デスクトップメニュー

デスクトップ]メニューには、デスクトップを管理するための項目が含まれています。 ここには、[GNOMEコントロールセンター](デスクトップをカスタマイズできる)、[画面のロック](スクリーンセーバを開始する)、および[ログアウト](セッションを終了する)、そしてデスクトップのスクリーンショットを撮るための使いやすいプログラムがあります。 スクリーンショット機能は、Print Screenキー(PrtScという名前の場合もある)を押して実行することもできます。

8.1.3.4. アプレット

アプレットはパネルに常駐する小さなアプリケーションです。小さなアイコンとして表示され、それをクリックすれば操作できます。 「「実際」」のアプリケーションとは違って、固有のウィンドウや画面はありません。 システムを初めて起動したとき、パネルにはすでにいくつかのアプレットが含まれていますが、他のアプレットを自分のパネルに追加することもできます。

アプレットは、パネルのポップアップメニューからパネルに追加できます。 パネルの空いている部分を右クリックして、[パネルへ追加]を選択します。 追加するアプレットを選択して、[追加]をクリックします。これで、新しいアプレットがパネルに常駐します。

図 8.1. パネルへの新しいアイコンの追加

パネルへの新しいアイコンの追加

アプレットのプロパティを変更するには、アプレットを右クリックしてパネルオブジェクトのポップアップメニューを表示し、[設定]を選択します。 アプレットを移動するには、アプレットを中クリックします。